現地でのアラビア語の訓練は1ヶ月だったが1ヶ月間アラビア語にまみれていると
なんとかなってくるもので出来ない音は相変わらずあったがそれでも近い音が
出せるようになってきた。
「喋る」というところまでは行かないがなんとなく音を聞き取れるようになってきた。
先輩隊員が喋っているのを見ると自分が喋れるようになるのかどうかは
自信がなかったが、幸いにも私は体育隊員として派遣されていたので
「このように」という単語さえ言えれば体を使ってやってみせることで
相手に伝える事が出来るので仕事はなんとかなりそうだった。
実際私の授業は「ヘイク=このように」という単語で乗り切ったようなものだった。
そしてその頃の私はシリアが大嫌いだった。
文化の違いを受け入れる事ができず、日本人の感覚で言うと
「失礼極まりない」シリア人の態度に腹を立て、こいつらと友達になんか
なれなくても良いなどと浅はかな考えでいた。
おまけにそんなに喋れなくても生活はなんとかなった。
アラビア語を話せるようになりたいと前向きに覚えようと思ったのは
活動をはじめて半年くらい経った頃だった。
活動期間中私を支えてくれ、心を許せるシリア人と出会ったからである。
活動期間を延長したので、帰国する頃には旅行や日常生活には困らない程度の
アラビア語なら話せるようになった。
しかし、帰国して6年経った今はすっかり忘れてしまって、語学は日々の積み重ねが大切なのだと
ひしひしと感じる今日この頃です。
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