シリアに到着


飛行機はパリからジョルダンのアンマンを経由して、最終的にシリアのダマスカスに到着する予定だった。

ここまできたら行くしかないんだ

気を取りなおして座席に着いて出発を待っているが、一向に飛び立つ様子がない

どないなってんねん。

出発の時間はとっくに過ぎているのに飛行機はちっとも動かない。

どうやらチェックインしながら乗ってない人がいるようだ。

チェックインしているのに乗ってない場合テロを懸念して出発しないことがある。

どれくらい待っただろうか、もう9年前の記憶なので忘れてしまったがかなり待った。

なんやねん、いったい、もうーーーと切れかけた時にわらわらと人が乗ってきた。

こいつら、何考えてんねん。

不安がいっそう強くなった。

飛行機が出発してしばらくたった時、何やら争う声が聞こえてきた

なんや、なんや?どうしたんや?

どうやらタバコを吸っている客にタバコを吸うのをやめろと抗議しているようだ。

貫禄のある婦人が仁王立ちでわめいていた。ものすごい剣幕である。

でも・・・・そこは喫煙席やで、おばちゃん。

スチュワートが必死になって間に入っておばちゃんを諌めたので、なんとか落ち着いた。

はぁーーー深いため息が出た。

ふと見ると、機内の床に黒いくずがちらかっている。

何だろうと思って良く見ると、周りの人はみんな何やら黒いものをぷっぷ、ぷっぷと吐き出している。

これは見たことがある。

すいかの種を食べていて、その殻をそこらへんに吐き出しているのである。

マナーもなにもあったもんじゃない。

シリアに行ったらこんな人ばっかりなんか????

そう思うと頭がくらくらした。

経由地のアンマンに着いた。

3ヶ月の訓練を共にすごした友達と別れて、いよいよシリアが近づいていた。

あのものすごい剣幕のおばちゃんはジョルダン人か?シリア人か?

心臓がバクバクしてきた。

がーーーん、降りてないーーシリア人やったんかーーー。

こういう人たちを相手に私は果たしてやっていけるのだろうか

そう悶々と考えている間にダマスカス空港についた。

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