2000車検速報

 2000年2月28日、継続検査を受けてきたのだ。2000年に入り、我がコルベットも今世紀最後の車検を受けるときが来たわけだが、今回合格すればガソリンが枯渇したり急な法改正がない限り、21世紀まで乗り継ぐことが出来る。次の世紀に遺産を相続することが出来るのだ。写真が無いのだがご了承願いたい。
 さて、車検当日までの整備内容は本日のコルベット過去ログに記したとおりだが、主な項目はマフラー交換、テール交換、下回り清掃等である。排ガスはモノリス型の3元触媒を装備しているので、キャブセッティングを若干薄めれば規定値に収まった。サイドスリップ及びライトの光軸もあらかじめテスターで調整しておいた。
 下回り清掃ではエンジン、ミッションとも目立ったオイル漏れはなく清掃で済んだが、パワステのコントロールバルブ(以降PSバルブ)からオイルが滴っていた。96年くらいに一度O/Hして漏れは止まったのだが、オイルシールが硬化したのだろう。バルブ内部でオイルがリークしてボールスタッド周辺にオイルが溜まり、ハンドルを揺するとボールスタッドの動きに合わせてオイルが噴き出してくる。幸い一度溜まったオイルを出し切ってしまえば、しばらくは漏れてくることが無いので、ラインに入る直前にオイルを出し周りを拭いて対処することにした。
 今回検査を受けたのは広島陸運支局。過去2回はいずれも八王子で受けた。広島ではユーザー車検専用の窓口があり、丁寧に手順を教えてくれる。また、OCR以外の重量税納付書、検査票等の書類はタダでもらえる。あれこれ指示されたとおりに重量税と検査手数料の印紙を買って書類に貼りつけ、必要事項を記載する。関東では陸事に癒着した民間代書屋が同じ敷地に乱立しているが、広島ではそれが無い。なので、「書類を買いに行ったら勝手に代書までされてしまった」などということは起こらない。
 各陸運支局でその手続き順序はまちまちで、例えば関東では「納税証明の確認」という動作が入り、陸運賛助会とかいう癒着民間団体に証明をいただかないといけないと思うが、広島ではこの作業が無い。そもそも納税証明書を持ってきているのに、証明書の証明を行わなければならない事自体おかしい。民=管の癒着が顕著に現れている部分だ。全国で統一した手続きになるのはいつの日か?
 さて、書類も書き終わり揃ったところでユーザー車検の受付窓口でチェックしてもらう。書類OKなら後はラインに並んで検査を受けるだけだ。広島の場合5つのラインがあるが、3コースはユーザー車検専用ラインになっている。ユーザー車検の需要が増えて、段取りの悪い素人とそうでないプロと差別化することで、効率を上げるのが狙いだろう。専用ラインがあることで、素人は落ち着いてラインに通すことができるが落とし穴がある。ユーザー車検であることが検査員には一目瞭然なわけで、あれこれ細かいところまでチェックが入るのだ。
 いよいよライン突入であるが、段取り通りPSバルブのオイルを噴射させて、周りを清掃。キャブセッティングを絞るのも忘れてはいけない。また、触媒の活性を上げるためにもしばらく暖機運転をしておいた。
 第一ブロックは、サイドスリップ、ブレーキ、スピードのテストだ。関東ではラインに入る前に外観検査であるが、広島では最後になる。予めテスターでチェックしておいたので、全て問題無し。サイドブレーキも一発で決まった。ラインに入る直前に雨が降ったので、ローラーが滑りやすく検査が甘かったのかも知れない。
 第二ブロックはライトと排ガス検査だ。ロービームには予め目隠しをしておき、ハイビームを検査する。と同時に車を降りて、プローブをマフラーに突っ込み排ガス検査。ちょっとキャブの絞りが甘かったか、CO=3.5%、HC=350ppmという結果だった。規定値には入っているが、COのメーターがどんどん上がっていくのでちょっと焦った(^^;)。光軸、排ガス共にOK。
 第三ブロックは燈火類及び下回りチェック。ライトのハイロー切り替えやウインカー、ハザードなどをチェック。また、今までチェックされたことの無かった発煙筒とワイパーとウォッシャーの動作もチェックされた。ユーザー車検専用ラインだからであろう。私は発煙筒の代わりに赤い懐中電灯を装備しているのだが、検査員の

「点きますか?」

の問いに自信をもって

「点きます」

と答えてスイッチを入れると・・・つ点かない・・(^^;)。2〜3日前に使ったのに・・と、電池ケースなどをいじくりまわすと点いた。接触不良だったのだが、焦った。
 次に今回最大の難関、下回りチェックだ。ハンドルのガタ、ブレーキワイヤー、その他各部の緩みやオイル漏れ等をチェックするのだが、ハンドルのチェックはハンドルを揺すらなければならない。しかし、揺するとPSバルブからオイルが噴き出す可能性があるので、そーっと左右に2〜3回切るだけに留めた。
 また、いつも通り

「原動機番号はどこ?車体番号は?」

と聞かれるので、

「ブロックの下とフレームのこの辺り」

と余裕で回答。内心PSオイルは大丈夫かとドギマギしていると、検査員が

検査員:「アルミホイルなんですがJWLマークが付いてないんですよ〜・・」

と言ってきた。アルミにJWLマークが必要なことは知っているが、勿論この年式の並行輸入車ににそんなマークは有るはずもない。

σ(^_^):「これがノーマルなんですけど」

と答えると

検査員:「アルミにはJWLかDOTマークが要るんです」

と返してきた。

σ(^_^):「81年式なんで、最初から付いてませんよ」と答えると

検査員:「53年の排ガス規制を通っているので、マークがないとだめです」

どうやら78年に通達が出ていたようだ

σ(^_^):「・・・・・(-_-;)」

しばし考え、ノーマルホイールの内側のハブに当たる面にはメーカーの刻印があったのを思い出し苦し紛れにこう言ってみた・・

σ(^_^):「DOTマークならホイルのハブのとこに有ったと思いますが・・・」

検査員:「では、申し訳ないんですが外して見せてもらえますか?」

σ(^_^):「ゲゲ(゜_゜;)」

検査員:「あそこの隅で、ジャッキとクロスレンチはあそこにありますから」

σ(^_^):「マークが無かったらどうなるんですか?」

検査員:「交換してもらうしかないですねぇ」

そんな金も部品も有るか〜(>_<)!!

σ(^_^):「あれがノーマルだって証明してもダメですか?」

検査員:「並行輸入で53年の規制をパスしてますから、適合するように改善されているはずなんですが。触媒もちゃんと付いてますし」

そりゃワシが付けたんじゃい!

しょうがないので渋々タイヤを外すことに。で、ホイルの内側を見ると・・・DOTマークは・・・無い!(-_-;) どーしようかと思っていると、検査員が寄ってきた

σ(^_^):「DOTマークないですねぇ(^^;)」

検査員:「Made in USAってありますね。生産国がわかればいいです」

σ(^_^)「マジっすか?(内心:どないやねん!!)」

ラッキーラッキー。なんとかこのピンチを逃れることができたのだ。どっかにDOT Aproveって書いてあったと思うが、パスできたので良しとしよう。しかし、まさかこんな細かいところまでチェックされるとは・・・(本来そうあるべきことだが、慣例として見られたことはない)。燈火類も一度チェックされた後、再度検査員が乗ってインパネのマーカーやホーン等までチェックされた。過去に例がないほどキビシイ検査だったのだ。しかし、けたたましいギアドライブサウンドを奏でるエンジンルームはノーチェックで済んだ。支局によってチェック重点箇所が違うのだろう。また、ユーザー車検で、しかもこんな車を持ち込んでくるので、検査員が物珍しがり「つまらん改造を見つけてやる」とやる気を起こさせてしまったのかも知れない。マフラーをノーマルにしておいてよかったのだ。なんにせよ、晴れて御上のお許しをいただき、最低あと2年の運用が可能になったのだ。