加速ポンプカム調整

 これまであらゆる手段を講じてキャブセッティングを試みてきたのだが、アクセル急開時のツキの悪さと謎の急停止エンスト現象を改善することができなかった。しかしこの度ツキの悪さは改善の目処が立ったので報告しよう。

 本来ならば50ccポンプを装着するはずだったのだが、その前にポンプのカムプロファイルを色々試してみようと思い、カムを自作してみた。ホーリー750cfmダブルポンパーには、最大の噴出量を持つ330というカムがプライマリ・セカンダリに付いている。今までのアクセル急開時のツキの悪さは、加速ポンプの噴出量が適当でなかったために発生していた現象だ。しかし、これ以上のガソリン噴出量を得ようとすると50ccポンプキットを取り付ける以外方法はなかった。確かに、噴出量はポンプサイズとカムの高さで決まるが、噴出量カーブはカムのプロファイルで決まる。また、アフターパーツにこれ以上の噴出量を持つカムが存在しない。なので、今回異なるカーブを持たせたカムを自作するに至ったわけだ。

 ポンプのストロークは下図のように基本的にはカム山の高さの差で決まる。「基本的には」と書いたのは、ポンプレバーが当たる図の上側の高さによっても変わってくるからだ。この上側の高さが高くなるとアクセル開度が小さいところで噴出量が多くなる。つまり噴出カーブの傾きが大きくなるのだ。

カム山
加速ポンプカム

Stroke
カム山の違いによる噴出量カーブの違い

 今回のように「アクセルのツキが悪い=アクセル開度が小さいところでのガスが不足」という症状では、色々なカムプロファイルが考えられるが、手っ取り早く済ますには図の上側のカム山を高くすればよいことになる。そこで厚紙を加工して何種類かカムを作った結果、今のカムを裏返して使うと丁度良いプロファイルになることが判明した。

 早速カムを裏返してみたところ、今まで体感したことのないレスポンスを得られたのだ。水温が上がっても空ぶかしで息継ぎをすることが無くなった。しかし、スロットル開度にしてわずか45度ほどでポンプの全量噴出をするので、今度は逆に濃すぎるようである。排気ガスが肉眼で見えるようになり、ガスを浴びると目が開けられなくなる程強烈な排気が出ていた。カムを削って調整したいところだが、あいにくカムの持ち合わせがないので失敗したら大変だ。
 そこで、ポンプレバーとカムの間に遊びを設けてみた。レバーのアジャストナットを締め込んで、わざとガタを出す。こうすることで、スロットルを10度くらい開けるまで加速ポンプは機能しなくなり、ポンプのストロークも若干小さくなった。
 結果は良好だった。排ガスもクリアーになり、アクセル急開時もちゃんと付いてくる。今までは「バッッヴァ〜ン」と一呼吸あったのが「ヴァンヴァンヴァン」と小気味よく付いてくる。吹け上がりの感じはバイクのエンジンに近い。

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