スターターの分解チェック

 フロント足周りO/Hのついでに、スターターをチェックすることにした。実走61,000マイル、10万キロ弱を走行してきたわけで、ピニオンやリングギアはかなりの摩耗が見られると思った。しかし、漏れたミッションオイルが飛び散ってリングギアを潤滑しており、ギア欠けはおろか殆ど摩耗は確認できなかった。リングギア、すなわちフレックスプレート交換となると大がかりな作業になるので一安心した。
 スターター本体の取り外しは容易で、エンジンブロックに固定された2本のボルトと、スターター後部を支えているハンガーを外すだけだ。5.7リッターのエンジンをクランキングするパワーがあるだけにその図体は巨大かつ重たいので、頭に落ちてこないように注意しよう。外したスターターはエンジンオイルやミッションオイルをたっぷり被っており、その上から砂や埃が付いてドロドロになっていた。

スターター
ドロドロになっていたスターター

 エンジンクリーナーできれいに清掃した後に分解にかかる。ソレノイドを取り外し、スターター本体のスルーボルトを抜いてバックプレートを外すとブラシが見えてくる。前述の通り、ピニオン等には摩耗は見られなかったがブラシは違った。もう残り1mmも残っていなかった。特にホット側(+側)の摩耗が激しく、もう少しでブラシホルダーまで達するところまで来ていた。ブラシは摩耗していたが、コンミュテーターには摩耗は見られず綺麗なものだった。

ブラシ

 ソレノイドのコンタクトスイッチも激しい摩耗が見られた。ソレノイドの構造は、S端子に電流を流すとピニオンが飛び出すと同時に、コンタクトプレートを端子に押し付け、モーターに電流を流すリレーの役目もしている。ここには瞬間的に何百アンペアもの大電流が流れるため、接点が接触したときに大きな火花を飛ばし摩耗する。2つの接点が同時に接触すれば同じように摩耗していくが、接点の高さが異なり、どちらかが後に接触すると後に接触した方で火花が飛ぶことになる。
 写真はコンタクトプレートと接点の片側であるが、右のプレートが左の接点に押しつけられる。ご覧のように接点がプレートの形に沿って摩耗しているのがわかる。

接点

 ブラシ、ピニオン、ソレノイド接点はオーバーホールキットで交換する予定だ。追って報告しよう。

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