海外の地図における北方領土の表示



ここに示す図は、すべて地図の一部です。北方領土に関連する部分です。

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世界地図

世界地図の多くは、北方領土をロシアの領土としている。ロシアが領有しているが日本が抗議している旨、記載されている地図も少なくない。特に、米国製地図では日本が抗議している旨記載されているものも多い。

Britannica WORLD ATLAS

世界で一番有名な百科事典の
世界地図帳

アメリカ製

左:アジア東部図の一部
右:左図の北方領土部分の拡大
 上の地図では、国後・択捉島のところに、Kuril’skiye Ostrova(Kuril Islands)と記されている。日本はサンフランシスコ条約で千島列島(Kuril Islands)を放棄した。現在、日本政府は千島列島(Kuril Islands)に北方領土は含まれないと説明している。ブリタニカ世界地図では日本政府の説明を否定・無視している。
 国後・択捉島の島名はロシア語表記のみ。色丹島、志発島はロシア語表記に加えて、カッコ内に日本語表記がある。
Oxford Atlas of the World
13th edition

cartography by Philip's
Oxford University Press

イギリス・オックスホード大学出版の世界地図帳

左:Russia and Northern Asia図の一部
右:Japan図の一部

北方領土はロシアの領土になっている。説明は付けられていない。
国境線は点線になっている(国境未確定を示す)。
Philip's Pocket World Atlas

世界中でよく使われている世界地図帳のポケット版

イギリス製

上左:アジア図の一部
上右:シベリア図の一部
下左:日本図の一部

すべての地図で、北方領土はロシアの領土になっている。
説明は付けられていない。
国境線は点線になっている(国境未確定を示す)。
アメリカ合衆国の地図専門出版社ランドマクナリー
 (RAND McNALLY)の世界地図
アメリカ製

左:全図
右:北方領土部分の拡大

地図では、北方領土は、ロシアの色に塗られている。
特に説明は付けられていない。
 
ランドマクナリーのアジア全図 Asia Wall Map
アメリカ製

左:全図
右:北方領土部分の拡大

北方領土はロシアの領土になっている。
北海道との間に、国境線が書かれている。



中国製の世界地図

新編実用世界地図冊/中国地図出版社

左:日本図の中の北海道

右:ロシア図の部分

 日本以外の地図で、北方領土が日本の領土となっている地図はほとんどない。これは、中国の地図で、珍しいことに、北方領土を日本の領土としている。(ロシアの占領中であると記されている。)
 中国の地図で、北方領土が日本の領土であるように描かれている理由は分からないが、日本の地図を参考にしている可能性が高い。






(参考) 日本で売られている日本語の世界地図

マイクロソフト エンカルタ総合大百科
 
2004年DVD版 のダイナミック地球儀地図

日本で普通に販売されているマイクロソフト百科事典の地図。北方領土に関しては、どこの領土とも記載されていない。ただし、択捉島の所に「千島列島」と書かれている。日本はサンフランシスコ条約で千島列島を放棄した。現在、日本政府は千島列島に北方領土は含まれないと説明しているが、マイクロソフトの地図でも日本政府の説明に配慮していない。



ロシア地図

ロシア地図の多くは、北方領土をロシアの領土としている

出版社:GeoCenter

EURO ROAD ATRAS
Russia

1999年 ドイツ製

左図は口絵図
右図は千島の道路地図
出版社:Freytag-Berndt

road map
Russia C.S.I.

2000年頃 オーストリア製


北方領土をロシアの領土としている
出版社:Itmb Publishing Ltd

International Travel Maps
RUSSIA

2005年 カナダ製


北方領土をロシアの領土としている
出版社:CARTOGRAPHIA

Russia (political)
(Cartographia World Travel Map)

2001年 ハンガリー製


北方領土をロシアの領土としている
出版社:Central Intelligence Agency.

Russia’s administrative divisions.

2001年 アメリカ製


1946年にソ連が領有したが日本が抗議している旨、記載されている。

アメリカ合衆国の地図専門出版社ランドマクナリー
 (RAND McNALLY)のロシア地図
アメリカ製

左:全図
右:北方領土部分の拡大

北方領土はロシア領に色分けされているが、
日本が抗議している旨の特記がある。




日本地図

 日本国内の会社が発行しいる日本地図では、北方領土は日本の領土となっているものが多いが、日本国外で発行された日本地図では、北方領土はロシア領となっていることが多い。ただし、日本地図では、ロシアが領有しているが日本が抗議している旨、記載されている地図も少なくない。

出版社:Periplus Editions

Periplus Travel Maps
Japan Country Map
Japan

1999年 シンガポール製

北方領土をロシアの領土としている
カナダITM出版の
JAPAN TRAVEL ATLAS
カナダ製

北海道東部地図では、北海道と北方領土の間に国境線が引かれ、北方領土の地名はすべて、ロシアの名称。

注)この地図では、尖閣は沖縄県に属している。
ランドマクナリーのJAPAN Political Wall Map
アメリカ製

北方領土はロシアの領土。特記なし。
竹島は韓国の領土。特記なし。
ランドマクナリーの日本・朝鮮地図
アメリカ製

左:全図
右:北方領土部分の拡大

上の地図では、北方領土のうちクナシリ島の一部が記載されていて「クナシリ島はロシアの支配下にあるが日本が抗議している」との特記がある。歯舞・色丹・エトロフ島は記載されていない。また、竹島は、韓国の支配下にあるが日本が抗議しているとの特記がある。尖閣諸島は記載されていない。
なお、RAND McNALLYの中国地図には、尖閣諸島が記載されており、日本が支配しているが、中国・台湾が抗議しているとの特記がある。



日本の教科書検定では、北方領土が日本の領土であると書くことを強制している。このため、日本の教科書には、北方領土がロシアの領土であるように書かれた地図は存在しないことになっている。しかし、厳密には、必ずしもそのようになっているわけではない。

外国の地図を引用する形で、北方領土がロシアの領土であるように書かれた地図が掲載されている教科書



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