レビュー第4回
ZippyRace(ジッピーレース)
(CopyRight:irem)

バイク乗りになりたての頃

 1983年、アイレムの出したいかにも当時風なゲーム。
 軽快なVGMと最高速200Kmオーバーのオートバイの
 スピード感は当時ピカ一だった記憶があります。
 オンロード・オフロードが交互に登場する、全6コースの
 構成で、出発点がロスアンジェルス、そしてラスベガス、
 ヒューストン、セントルイス、シカゴ、ニューヨークに
 ゴールする、シンプルだけれどもとても爽快な展開でした。
 車や壁に衝突すれば燃料を減らされるけれども、1区間ごと
 に順位が上がったり道中のOIL缶を拾えばそれなりに燃料
 が増える(燃料が無くなるとゲームオーバー)、いわゆる
 うまくなればなる程先に進み易い、親切な仕様でした。

   CopyRight:irem



 -館主談-

バイト代で免許とバイクを手に入れた学生真っ盛りの頃、行き付けの世田谷区
○山台駅前のゲーセン○07。(この下り、以前にも書いたような…(^^; )
颯爽と駆けつけたイージーライダーかぶれの館主の目に入った、何やらレースっ
ぽいゲーム…。バイクがあればどこにでも行けると信じて疑わなかった当時の
館主はそのスピード感に驚愕し、そしてはまっていきました…。

… …

ふっ、又今日も来てしまったぜ。
(目にはサングラス。いっぱしのライダー気取りの館主の顔はツートンカラーに
焼けていて外すと悲惨)
ギャングな俺様はやはり店内中央のこれこれ…。
又機密文書を盗みまくってピストル撃ちまくってストレス発散… 
(^^;


ふと西の壁側に目をやると、そこには何やら目新しいゲームのデモプレー。

むう、宿敵な車共を抜きまくって、かっこいいじゃないか500cc!
…ニューヨーク!アメリカのバイク横断は男のロマン、
…これはやるっきゃ!!


おもむろにコインを入れる館主。

おおっ、速い速いっ!鈍亀な四つ輪共なんぞゴボウ抜きだあ!
…と、思ったら、なんだあ?
生意気にも車がこちらに幅寄せしてくるではないか!あああぶつかって
しまったぞ… (T_T)
環八なら皆バイクに道を譲ってくれるものを!…こいつは許せん。
…おお、しかしウィリーができるとは気分最高!!
どうだ四つ輪のおまえらにはできまい、ははははははは…


程なくして一旦車の横に割り込んでしまえば車は幅寄せはしなくなることを
理解…インストに書いてありましたのに…。(^^;

あああ、なにやら今度は車が逆走して突っ込んでくるう!
…いやいや、俺が逆走しているのか…なんてえクレイジー!!
アメリカ横断って命懸け… … …
おお、やっとチェックポイントのラスベガス。
… …夜景がやけいにきれい… …ふふふ、気持ちがいい…。
(この頃の駄洒落癖は未だに直りません。今でもおやじギャグで職場凍結)

次のコースは…オフロードか!
…あああ、アメリカンテイストな俺様になんて事をさせるんでしょ!
…おっ、一本橋!まかせておけっ!!この間教習所でさんざん練習
したばかりで… …
川に落ちてしまった…。
…あああトレーラーから樽が転がって来て邪魔をするう!

(…そんなこんなでヒューストン前の3D面に突入)

なにやらピーピーなっているけど、ややや
ふゅーえるがおーるもすとえんぴてぃ!
…頼む、頼むから行かせてくれえ!あああスピードが落ちて行くう… …

… …

程無くゲームオーバー2面で挫折。
その後、徐々にパターンを覚え、FUELの位置も覚えたりしてニューヨーク
行きを果たせましたが、実は2周目以降もあり、750cc,1000cc
(記憶曖昧)と更にスピードが上がり、より反射神経を要求されましたね。

今ではすっかりパターンも忘れ、1周クリアすることすら難しくなっています
が、それにしてもゴールの町風景を見ながら想像力を膨らませることができた、
懐かしくも思い出深い、良いゲームでした。

最近のゲームって、グラフィックは進化したけど、何やら無機質っぽくて味が無い
ものも多いですねえ…。
(たまには愚痴。 …って、この下り以前書いたような…)
  



 -基板のウンチク-(素人な館主談)

この基板、まずは外観が面白いです。
なんと4階建て基板でぶ厚いのなんのって!

基板の大きさは約25cm×30cmと小さめなのですが、(現在のJAMMA規格
では31cm×38cmを最大外形と決めてますが、当時の基板もこれ位の大きさの
やつが結構多かったです。)なんせICの集積度が低い当時は部品点数が
多ければ2階建てが主流だったのですが、何故ここまでコンパクトに
こだわったのでしょうか…謎です。(笑)

それから、メインCPUはやはりZ80を1個使用し、音声にもZ80が使われて
いるようです。(CPUのシルク印刷が見えませんで…(T_T))
PSG音源はポピュラー過ぎるAY3−8910を、なんと2個使い!
83年当たりになるとどのメーカーもVGMに力を入れ始めていたようですね。
なるほどVGMはなかなか軽快に奏でられて心地良かった訳です。(^^)



←前のレビューを見る       戻る       次のレビューを見る→

               メインに戻る