レビュー第17回目
スティンガー
(CopyRight:セイブ電子)

17年ぶりの再会
 

 1983年にお目見えした横スクロールシューティング
 ゲーム。コピーはなんと「3D宇宙ゲーム」。
 1982年から1983年位の期間でしょうか、記憶は
 定かではありませんが、ムーンパトロール等の、多重
 スクロールしたり立体な絵で表現された「3Dに見える
 ゲーム」をこう読んで差別化を図ろうとしていた時代が
 あったのです。
 今ではポリゴンをグリグリ使い捲って3Dの表現も豊か
 になりましたが、まあ「3Dには見える」点で見れば
 当時のオールドゲームと全然大差が無いゲームも随分
 ありますね。(笑)
 では早速この機種を紹介して参りましょう!!

   CopyRight:セイブ電子



 -館主談-

ゲーセンっ子花盛り学生時代(ワンパターンですね)、
大型筺体の「スターウオーズ」などは、時間制で連コインさえしておけば
延々長時間遊べた古き良き時代。
…そう言えば「ハイパーオリンピック」で定規を使う反則技なんてものもあって
コスリについて物議が醸し出されていた御時世でもあったと記憶している。

ここは世田谷尾○台駅前ゲーセン7○7。(現在経営されているかは不明です)
時期は1983年秋口。

… … … … … … … … … … … … … … … … … … …
この時期は卒論などと言う面倒くさいものの為に川崎市麻○区の別設備
「○○○研○所」での毎日のユニバーサル基板との戦い。
論文ネタにTTLをメインにモニター表示を制御しようと回路を組んでいたの
だからまあ制御基板がでかいこと…
いい加減組立が嫌になったところで気が付いたらもう15時。

国道246号をQ車CM400Tで飛ばし、学校の研究所にほんの義理程
立ち寄ってから7○7に参上。
… … … … … … … … … … … … … … … … … … …

同級生のOKB(仮名)がいつも簡単そうにプレーしていた「フロントライン」を
試しにプレーしてみたがチャンネルスイッチの操作に手こずり敢え無く途中の道で
ダウン。

諦めて店内の新台を物色していると…店内左奥、壁にピッタリと寄せた2Pプレー
不可能な状態で置いてあったテーブル筺体に、なにやらとっつき易そうなゲームが
新しく入っている事に気が付いた。

名前は知らないゲーム。
(…ゲーム名が判明するのは実に17年経ってからの事です。後述します。)

早速コイン投入してみる事に。ゲームは8方向レバー2ボタンである事に気付く。
左ボタンがショット、右ボタンが「玉が勝手に敵を駆逐してくれる武器」だ。
(右ボタンの武器(ボンゴ)の効力を再び思い出したのは、実は17年経ってから
の事です。)

   

CopyRight:セイブ開発
右上画面中央、自機の回りを飛び回って敵を倒す黄色い
ダンゴが「ボンゴ」です。ストック制で一定時間有効。

これは楽しい!!
難易度はそう高く無い。なかなかの爽快感である。

スクロールが進むにつれ舟の甲板の上らしき場所(当時はそう記憶してましたが、
正確には「
味方基地」でした。)に来ると、空中では無く甲板上に降りて敵を
破壊できる事に気がついた。

   

CopyRight:セイブ開発
道中、味方基地のある地点場所では空中戦か地上戦のいずれかを
随時選択できます。左上画象が空中戦、右上画象が地上戦です。

…やがて「キューキュー」無くカニの手をした変なヤツが甲板にいるのが目に
付いた…。(正確には味方のロボット「ボンゴ」でした。)

「ああ、確かインストに『助けると得点になる』みたいな事が
書いてあったっけ…。」

CopyRight:セイブ開発
助けを求めるボンゴ君

カニにくっついて暫くすると点数が入った…。うん、救助も中々楽しい!
(実はこの「ボンゴ」君、地上を歩き回っている敵に触れると壊れてしまうので、
なかなか600点の点数を取るのがむずかしいです。それから、「カニ」を助ける
と上述の「武器」(ボンゴ)のストックが1個増える事に当時は気付きません
でした。(^^; )


延々とプレーする館主。数コインの練習を重ね、やっと1周クリアする事に成功
したのだが…面最後のボスは少し手強かった…。
鉄柱の回りを玉がグルグル回っている中心を撃ち続けてやっとクリア。

*この部分は実際のゲームと異なりました。ボスの記憶が全く違っている事に
気付いたのは17年後です。
実際は下の画像が本物のボスです。コアを撃つのは同じですが、どうも当時
遊んだ別なゲームと記憶がずっと入れ代わっていたようです。…17年も経つと
こう言う事もあるのですね…。

CopyRight:セイブ開発

2周目を引き続きプレーしていると…
…突然前から聞き慣れた声がする。

なべさん「よう、あっくん!」
ひろくん「いよっ!」

…毎度の電気科の腐れ縁な二人がそこに。
これで数年来の電気科三羽カラスの雁首がまた揃った。
それぞれ研究室は別になったが、変わらず付き合いは良かったのである。

なべさん「今日はここに来ればあっくんは絶対いると思ってさ、あはは。」

…何故この時間ここにいる事が判ってしまったのかと一不瞬思議に思う館主。
自分の行動パターンが何故お見通しなんだ?と。

…だが、良く考えてみれば毎週「水」「土」のコンビニのバイトが無い日は必ずと
言って良い程寮には真直ぐ帰らず7○7に入り浸っていたのだから、バレバレ
だったのである。

程無く二人のギャラリーの前でゲームオーバー。
またまた毎度の超マンネリパターン、三人で上の喫茶店バッ○ルに消える事に。

… … … … …

その後のプレーの積み重ねで3周途中までが最高記録だったと記憶してます。
最近物忘れが多くなって来たとは言え、こう言ったゲーセンでの出来事だけは
また妙に覚えているものですね。
スティンガーの事なんか随分忘れてましたのに。(笑)

こんな変化のない、たわいない毎日が今では宝石色に輝いて見えるのは、
きっと歳を取ったからなんでしょうね。(笑)



−時が過ぎて−

今から8年程前であろうか(記憶曖昧)、ふとした拍子にこのゲームを思い出して
無性に基板が欲しくなった館主。さあ困った、
ゲームの名前が判らない。
この件を知り合いのマニアに折に触れて聞いてみて
も誰一人判らない。何故なら質問の内容が

「ザクソンみたいなクオータービューっぽい横スクロールシューティングで
途中カニみたいな手をしたのがキューキュー鳴いてて、これを救うやつ。
ボスはコアみたいなものの回りに玉が複数個グルグル回っているの。」


なんて具合にてんでトンチンカンだったのだから判るはずはない。(笑)
(しかもボスの記憶を間違えてます)

「せめて名前だけでも判ればなあ…」(;_;)

と思いつつその後はすっかり諦めていた。

−2000年7月初旬−

HPで知り合いになったSさん宅にお邪魔する事に。
次々と出て来るオールドゲームの機種の数々、館主嬉しくて仕方がない。
ふと上の話を思い出し、Sさんに切り出してみる事に。

Sさん「…スティンガーじゃない?」
館主「… うーん… ??」

Sさんそう言って基板を引っ張り出して来た。
Sさん宅、言えば大概の基板が出てくる。Sさんの知識も相当なもので
館主は到底かなわない。

ハーネスを接続し電源ON。程なく出て来た画面は天地逆であったが… 

まさに探していたゲームがそこにあった…。

館主「ここ、これこれ、これだよ!!」

Sさん「…あっくん、これ前に同じ事聞かれた時に『これじゃない?』って
    
画像を送ってるよ?
館主「え゛っ ??」

…古川に戻ってからバックアップを探してみたら… 確かにあった…
頂いてたのは
ラスボスの画像 他…
館主、記憶と違っていた為に「これではない」と誤判断していたのである。

そんなこんなでSさんから情報まで頂き、後日念願の基板を入手できる事に。

… … … …

人との繋がりって良いものですね…。諦めていた基板がひょんな事で入手
できた時の喜び。言葉では言い表せません。

プレーさせて頂いた17年ぶりのスティンガー。沸き上がるノスタルジー。
当時のあの「漠然と何かを期待していた」蘇る学生時代の感覚。

いや、これがあるからオールドゲームは堪えられません。(^^)



 -基板のウンチク-(素人な館主談)

基板は35cm角程のジョイント接続2階建て基板。
CPUはZ80が2個、音源は毎度のPSG、AY−3−8910を2個使って
ます。後は64KROMが上下階合わせて11個。

まあ、当時の基板仕様の王道を行くような組み合わせですね。
これと言った特徴はないです。

ふと思うのですが…当時の基板の仕様って実は大概こんな仕様で、ちょい高級な
処理を行う機種(コナミのツタンカームとか)にはCPUに6800が搭載される
違いがある位でしょうね…(^^;

…うーん、そろそろここの主旨も考え時かも…。(笑)


−あとがき−

 今遊んでみても面白い機種ですね。1周約12分。
 1時間程遊べば100万点までスコアが伸びます。 
  左の画像は2000点ボーナスが入る「ビッグM」と
 言う敵ですが、高速スクロールで表れては直ぐに消えて
 しまい、なかなか捕らえる事ができません。
 …実はこんな敵がいただなんて館主の当時の記憶に
 全くありませんで、どうも最近は忘れっぽくなった自分
 を思い知らされるばかりです。
 将来増々忘れっぽくなると困るのでトイレで用を足す前
 に拭く習慣を身に付けようかと館主真剣に考えてます。
 これならばうっかり拭き忘れる心配がありませんね。
 よし!明日から実行!           by館主

  CopyRight:セイブ開発

このコーナー始まって以来のお下劣なオチに少々反省しておりません。



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