レビュー第14回目
LUNAR RESCUE(ルナレスキュー)
(CopyRight:TAITO)

風の中の羽のように

CopyRight:TAITO

さてさてこのゲーム、1979年にお目見えしたタイトーのゲームです。
2方向レバーに1ボタン(SHOT)のシンプルな操作性で、デモ画面を見ている
だけでその遊び方が判ってしまうシューティングゲームでしたが、
当時は1画面固定の1フィールド内で遊ぶゲームが主流だった中、 贅沢にも
2面で構成されたゲームでした。
ゲームのコマンドは、

「母船から隕石を避けながら月面へ着陸」(行き)
(SHOTボタンで燃料がある限り逆噴射?による速度調整が可能。)
「月面から敵UFOを撃ちながら母船に帰還」(帰り)
(UFOはミサイルで攻撃してくるが、撃てば得点。)

月面に取り残された隊員?を迎えに行き、無事母船に送り届けるコマンドを
ひたすら繰り返すゲームで、まさに「一粒で二度おいしいレスキューゲーム」
だったと言えましょう。

大した思い出はありませんが、20年前の当時の雰囲気が皆様に伝われば
幸いです。



 -館主談-

ここは福島県い○き市、当時予備校生だった館主はあいも変わらず授業を
さぼってゲーセン通い。
今は無き駅前ゲーセンJO○LANDでスペースチェイサー等を遊び、息抜きに
行き付けの喫茶店「バッ○ス」(現在は消息不明)に赴く事にした。

この喫茶店は予備校仲間やら女子高生やらがたむろする楽しい憩いの場。
館主も小遣いに余裕があれば良く顔を出していた。
… … … … … …

店内の入ると…いたいた。
予備校仲間にハム(アマチュア無線)仲間の磐○女子高生のIさん。
早速コーヒーを頼み、他愛の無い会話が始まる。

「ねえねえ、聞いて聞いて、うちのおかあさんったら○○に旅行に出掛けた
時にぃ、特大の樽人形を買ってきたの。樽を持ち上げたらさあ、中の土人の
チンチンの根元にバネが仕掛けてあって、ビヨーンビヨーンって持ち上がって
揺れるの。もう、おっかしくってー!!ぎゃははははははは!!」

いきなり女子高生Iさんが恥じらいながらもナイーブな口火を切る。
そう、館主お気に入りのこの喫茶店内はいつもこんなにも気品溢れる雰囲気
だったのだ。

Iさんのエレガントな会話が続く。「ゲヘゲヘ」と上品に笑う予備校の仲間達。
そして程無く始まるゲームネタ。

「ねえねえ、与作ってさあ、本当に木を切るゲームなのよ、猪も出てきて
おっかしーの。… … … …」
(ふと別な「与作」に騙された悲しい出来事が蘇り遠い目をする館主。)
… … … … … …

ややあって新しく店内に入ったゲームに話題が移る。

「ねえねえ、そこにあるゲーム、ルナレスキューって言ってインベーダー
が笑ってかわいいの。下条さん(当時の館主のあだ名。)、やって見せて
よ!!」

当時の喫茶店はインベーダーブームの余波で、実は必ずと言って良い程喫茶店と
名の付く店にはテーブル筐体が置いてあったのだ。
当時そこにあった筐体は確か「タイムパイロットまがい」のワイヤーフレームの
隕石を撃つゲーム(すみません名前覚えてません。)とインベーダーと
ルナレスキューの3台。

上流階級のお嬢様(嘘)に頼まれれば断る法は無い。
早速筐体のある席に移動する館主。

良く見るとカラーフィルムがモニターの上に貼ってある模様。
デモ画面を見ながら一通りゲームの説明を聞き、早速コインを投入。
今日は贅沢にも対面のお嬢様(大嘘)がギャラリー。
後にも先にも女の娘のアドバイスでゲームをプレーしたのはこの時位なもので
あろう…。

CopyRight:TAITO
画像はカラーバージョンです。
当時は白黒のゲームに色付きのセロハンを貼って
カラーに見せ掛けているだけのものもありました。

Iさん:「でねでね、隕石を避けながら下の台に降りるの。そうすると、…
    ほら、人がヒョゴヒョゴヒョゴって乗ってえ、あああ、おっかしいい
    いい!ぎゃはははは!!」
(…この位の年頃の娘って、どうしてこう何にでも笑えるのでしょう…??)

それ程高く無い難易度。館主も程なくコツを掴む。
場面は変わって今度は母船に戻る画面、敵UFOが移動しながら弾を撃ってくる。

CopyRight:TAITO

敵UFOをかわしながら無事母船に辿り着いたが、何故か画面に表示されたのは
「AAAA・・・・・」
の文字。
折角救助した人間が落ちて行く…。

Iさん:「あははははははは!!落ちてんの、落ちてんの!!おっかしい
    いいいいい!!」

そう、どうやら母船の中にきっちりと戻らないとコマンド失敗の模様。
ちょっぴり悔しい館主、
「Iさんって丸太が転がってもおかしいんだね。」
と言おうとしたが、全く洒落になっていない事に気付き、すんでの所で喉元から
言葉が引き返していく。

とにかく良い所を見せようと黙々とプレー。今日は女の娘がギャラリーなのだ。
隕石に苛まれながらも3面をクリアしたところで始まるゲームの合間のデモ。
彼女が最も楽しみにしていたデモである。

Iさん:「ほらほら、インベーダーが笑ってる!!これこれ、これよ
    これぇ!!」(^O^)

… …見ると確かにインベーダーの「タコ」が笑っているように見える。
ああ、Iさんが見たかったのは、これか…。 (- -;

…だが、どこがかわいくて「これ」なのだろう?と思って見たりする館主。
年頃の娘のセンスが全く解らない。
ふと「Iさんって土管が転がってもおかしいんだね。」
と館主言ってみようとしたが、全く洒落になっていない事に気付き、すんでの所で
喉元から言葉が引き返していく。

デモが終わるなり
「ああ、面白かった!」
そう言うなりやにわに席を立ち元の席に引き返し、今度は別な仲間と
おしゃべりを始めてしまったIさん…。
どうやら見たいものが見れたので、既に興味が失われた模様。

そう、彼女にとっては館主の腕前などどーでも良かったらしく、実は
「笑うインベーダー」を見れればそれで満足なだけだったのであった。
ギャラリーがいなくなり、一人残されてゲームを続ける自分がとてもアホらしく
思える館主。心の中に北風が吹きすさぶ。…程無くゲームオーバー。

「ねえねえ、麻○さんって、ペリーヌ物語りに出てくるバロンちゃんに
そっくりよね。おっかしいいいい!!…、ねえ、バロンちゃん!!
あはははははは!」




既にIさんの会話は全く別の方向に走っている。館主が入り込む余地は、無い。

「ああ、風の中の羽のようにいつも変わる女心とは良く言ったものだ
なあ…。」

…ふとまた一つ利口になった気がする館主。

「Iさんの血液型はB型だろう!」と軽いジャブをお見舞いし会話に混ざろう
としたが、実は全くその通りで「そうよ。」でお終いになる事が明らかだった
ので仕方なく冷たくなり掛けたコーヒーを黙って啜り続けた、何ともピエロな
館主の夕方の一時なのであった…。

−あとがき−
皆様、女性(得にB型)にはくれぐれも御注意下さいませ。自分に興味のあるもの
以外には全く目をくれない傾向がありますからね。(笑)
それにしても、当時は駄菓子屋さんからコインランドリーから、どこにでもゲームの
テーブル筐体ってありましたねえ。
今ではテーブル筐体はすっかり息を潜め、アップライト筐体ばかりが主流になって
しまいましたが、カップヌードルを置けたり、リブルラブルのバシシマーカーが
置けたり、何かと便利なものでした。
(…実はそれしか思い付かなかったりしますが…f(^^; )

テーブル筐体で長時間遊んだ後に立ち上がった時の、一瞬襲ってくるボーっとした
感じ…今のゲーセンっ子にこの感覚、判るかしらん?(笑)
もう一度テーブル筐体で思いっきり不健康な恰好でゲームをプレーしノスタルジイ
に浸ってみたいと思う今日この頃な館主だったりします。



−基板のウンチク−(素人な館主談)
この基板、外観は全くインベーダーそのものの3枚基板です。
ハーネスもインべーダー共用で、きっとインベーダー基板のROMだけ
変えたものに違いありません。
基板の仕様はインベーダーパート2等で紹介した通りで、再度紹介するまでも
ないでしょう。

当時インベーダーの余った基板を流用して違うゲームにしたと、以前どこかの
本で読んだ記憶がありますが、これもその1つに当る機種かも知れませんね。

それにしても、基板に載っている音声用ボリュームの数は、メインボリューム以外
に7つ!!
これ、音声一つ一つの全ての音量を調整するもので、一体どれだけのマニアが
こだわってこれを調整するでしょう?(笑)
エクステンド時の「ビビビ」と言う音声のみのボリュームもありますから、調整は
至難の技でしょうねこれ。はははは。(^^;
                                  by館主



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