レビュー第11回目
平安京エイリアン
(CopyRight:電気音響株式会社)
どこにでも置いてあった機種
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1980年にお目見えした、当時は相当人気を呼んだ
ゲーム。「平安京」のように格子状になった路地上に
プレイヤー(検非偉使)がスコップで穴を掘り、路地を
うろついているエイリアンが穴に落ちたところを埋めて
行くゲーム。(そのまんまのネーミングでしょう。)
全てのエイリアンを埋めれば1面クリア。面クリアごと
に敵エイリアンの数が4匹→6匹→8匹と増え、3面で
1周。しかし、周を重ねて行くとエイリアンは驚異的な
速さで徘徊するようになり、また、もたもたしていると
時間切れでちょっぱや敵(IDAさん無断使用ごめんな
さい)の無限増殖が始まり、ゲームオーバーしか道が
無くなる仕様で、なかなか気が抜けませんでした。
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CopyRight:電気音響株式会社
-館主談-
ゲーセンっ子花盛り学生時代(この始まり方既にマンネリ。)70〜80インチ?の
大型スクリーンのギャラクシアンなどが稼働していたご時勢、館主はギャラクシー
ウォーズの「GIVEUP」(32面?)が拝めずにとうとう全面クリアを諦めて
しまった頃、この機種はお目見えしました。
当時は斬新だったゲーム性、そして100円で結構長々と遊べるパフォーマンスの
良さから、館主がこのゲームにはまるのに時間は掛かりませんでした。
学生寮近所の喫茶店、駅前ゲーセン、学校近くの7○7、とにかく道すがら
テーブル筐体が置いてある店は皆館主にとってブラックホールと化していて、
引きずり込まれてしまう引力の強さに逆らう術を知らない日々が続いたの
です…。
…そんなある日…。
… …
きんちゃん:(よおあっくん、早く終われよう!!イライラ!!)
…実際に口に出して言われている訳ではないが、目で切々と訴えている
長年のポン友。
館主 :(う…、うん… …)
…実際に口に出して言っている訳では無いが、気付かぬフリをして黙々と平安京
エイリアンをプレーしている館主。
(こう言うのって「以心伝心」と言うのでしょう。と言ってみたりする)
ここは都内、神田の大通り。
道すがら例によってブラックホールの引力を避け切れずにやはりフラフラと
入ってしまったゲーセン。
ポン友の制止も聞かず、いや、効かずに入ってしまった館主。
館主 :(…ええとそう言えば…?なんで俺はここにいるんだろう…
そうそう、きんちゃんと一緒に神田の「芳○書店」で
とある芸術書を購入する目的で来ていたんだっけ。)
…「ものは言いよう」と言います。深良みしないで下さい。
(まあ時間はたっぷりある、ほんの少しの時間位はどうって事は
無いさ…。悪いのは俺では無い、ここにゲーセンを立てた奴が
悪いのだ。)
ほんの一瞬だけ我に帰った館主であったが、また直ぐに没頭モードに突入…。
CopyRight:電気音響株式会社
ふっ、このゲームなかなか良くできている…。
穴を掘るのにスコップを5回は振り降ろさないといけない。
穴が未完成だと折角の穴をエイリアン共は駆逐しやがるし、さりとて
もたもたしていると折角落ちたエイリアンがはい出してくる…。
ああっ、折角埋めているところに来るな!
…ああああ、落ちた仲間を助け出しちまいやがってえ、
ガッデェェェェェム!!
…
黙々とプレーを続け、周を連ねて行く。
…やがてある面で最後の1匹になったエイリアンに思ったよりてこずり、
気が焦り出す館主。
あああ、そろそろ時間切れだ、…まずい、…絶対にまずい…!! … …
そうこうしているうちに、「キキキッ」と音声がして急に増え出したエイリアン…。
…
そう、時間切れになってしまったのである。
CopyRight:電気音響株式会社
時間切れ時には最高16匹のエイリアンが出現し、高速徘徊し出します。
… … … ああああ、エイリアン共が増える増えるうう〜、あお〜!
…
… …お、終わった … …。
「ピキーッ」と言う音と共に瞬殺された最後の検非偉使、もうこうなっては
「10や20の残機ごときで俺達を止める事はできん!」(by:CAPCOM)
モードになってしまい、どうする事もできない。
程無くして、いつも見慣れたネーム入力画面で自分の名前を入力。
今では3文字が通例のネーム入力、しかし当時のこのゲーム、なんと
15文字も入力が可能
なのであった…。
CopyRight:電気音響株式会社
きんちゃん:「おいもう行こうぜ。ビ○○買いに来たんじゃないのかよ!」
館主 :「… …、ああ!、そうだった!」(我に返る館主)
きんちゃん:「おまえなあ、(ゲーセンに)入るなって言ったのにい。
もう入ってから50分も経つんだぞお!待ってる身にもなって
見ろよう…!」
館主 :「…!?、そんなに経つのか!…いや、本当悪かったなあ…
コーヒー奢るからさ…。(^^;」(やっと事態に気付く館主)
すっかり膨れたポン友ではあったが、その後訪れた書店でゲットした芸術書と
館主の奢ったコーヒーですっかり機嫌を直し、なんとか無事交友関係にヒビが
入らずに済んだ、なんとものどかで平和な昔の一日なのであった…。
-基板のウンチク-(素人な館主談)
実は館主の所有している基板はコピー品です。
1980年の当時はまだまだこんな行為が横行していたのですね。
(しかも「DENKI ONKYO Co.Ltd.」としっかりと出るし。(^^;
こう言う、まんまコピーなものを「デッドコピー」と言います。
…こんな事覚えなくてもいいですけれども。)(笑)
オリジナルで無い事から基板の詳細を紹介が出来なくて申し訳ないのですが、
ただ以前聞いた情報で判っている事は、オリジナルの基板は「メインボード」
以外に「音声ボード」が全く別になっており、間をコードで繋がれている仕様
だそうです。(爆)
…本当、こんな情報しか無くてごめんなさい。 m(_ _)m
それにしても、一部音声の不具合があっててっきり故障して直らないと思い込んで
いた初回に購入した平安京の基板。
2回目に購入した基板でも同じ現象が起きるのでおかしいと思ったら、実は
レギュレーターの電圧変動が原因だった
と気付いたのはつい最近…。
昔の基板って、今の基板のように、「5V±5%(0.25V)」であれば確実に
動くものでは無く、駆動電圧の「しきい値」(正常に基板が動作する範囲)が
結構狭かったりした事をすっかり忘れていました。
皆さん、ここは「初めての方向け基板の遊び方」コーナーではありませんが、
知っていて下さいね… (T_T)
−あとがき−
しかし館主、当時はなんとも若かったです。
ひたすら没頭している人間に取ってはほんの少しにしか感じられなくても、
全く興味の無い人間が我慢して見ているだけの50分は本当に長いものです。
すっかり反省した館主、今ではすっかり更正しまして、同じシツエーションに
出くわした場合には、相手に
「無理にでもゲームを薦める」
立派な大人なりました。
やはり楽しみは分かち合ってこそ真の友達と言うものでしょう。
なんか違っているような気もしますが、きっといつもの気のせいです。
by 館主
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