2001. 7.16UP


−こいばな第27話−
くさや礼讃

さてさて、先月(6月中旬)の当館掲示板での話ですが、話の流れで
「くさやの干物」
なるものが話題に上がりました。
名前から察する通り、かなり臭いがする魚の干物のようで、館主が初めてこの
名前を知ったのはその昔、漫画「少年チャ○ピオン」の「がき○カ」からだった
と記憶しております。

館主くさやにちょい興味が湧きまして、この「くさやの干物」なるものに挑戦
してみる事にしました。
今回は大したコンテンツではありませんで、「こぼれ話」コーナーにでもUP
する内容かも知れませんが、まあ皆様の話のネタにでもなりましたら幸いです。
ささ、早速「くさやの干物」を紹介してみましょう。(^O^)


−2001年 6月−

掲示板での事、くさやの干物がひょい話題に上がる事に。
もともとは館主が板常連のごくぶとさんから頂いた
「マサイの戦士」と「ドクターペッパー」
なる怪しい飲み物のお返しに「類い稀なものを」と考えていたところに
思い付いたもの。
昔から臭いがかなりアレと言う話を聞いていたので、それならさぞかし
お返しとして喜ばれるであろうと、館主の素直な思考が辿り着いた解答。

ところが…(以下、当館掲示板にカキコ下さったコメントを抜粋)

−ごくぶとさん−
「くさやは好きですよ、hehehe」

−砂布巾さん−

「クサヤ」は美味しいですヨ!
ちなみにおいらは臭いもまったく気になりません。
小さい時から普通に食べてた物ですから。

−GOBさん−
「くさや」は干物の中で「トップクラス」の美味しい食べ物だと
思っておりまするよ。
恐る恐る食べてみるとコレがうまい!!!
なんて言うか、いつも食べている干物以上にコクのある「味わい」に
感激しましたね。

… …くさやの干物に対する意外なお客様の反応。
どうやらこのお三方、かなり食通な御様子。

余談としては

−ロータリーさん−
「くさや」ですが、
「近所の目も気にせず、もうもうと七輪から煙を立ち登らせつつ、
焼いているのは ゛くさや゛ と言う名物おやじ」が家の近所に
住んでました。
近所のおばさん達の愚痴のねたになってました。

…やはりくさやの干物はこうでなくてはなるまい。
臭いに対する想像力が掻き立てられる。

と言う訳で、どうにも「くさや体験」をしてみたくなった館主。
一体どんな魚でどんな臭いなんだろう、どんな味なんだろうと…。

そうした事でネットを検索した結果、程なくしてくさやの干物を通販している
お店を発見。

お店は、やまよ商店さん。

Topページに
「伊豆大島から伝統の味「くさや」を直販にてお届けいたします。」
と書かれている。
くさやの干物の産地が伊豆大島である事を朧げに思い出した館主。

コンテンツを読んでみると、どうやら「くさやの干物」に使う魚は一種類では
なく、鯵(あじ)の他にトビウオ、鮫等もある事が判明。
くさやの干物と言えば魚の臓物に漬けて作るものと想像していたが、
これが誤解である事も判った。
(この辺の詳細はやまよ商店さんのサイトで詳細に紹介されています。)

色々と情報を得た末、
初めての方にはお勧めです
と書かれた初心者向けのセット(2,000円)を発注する事とした。

−数日後−

館に帰ってみると、ポストに荷物が届いた旨の郵便局からの通知。
早速郵局に受け取りに行くと、…箱が冷えている。
どうやら生物の為、郵便局で冷保存してくれていたようである。

館に戻り、箱の臭いを嗅いでみると、かすかに生魚の香り。
中身が魚である事に間違いはあるまい。

おもむろに箱を開けてみると、…
中には大小合わせて10数匹の魚の干物が入っていた。
初めて見るくさやの干物。

臭いを直接嗅いでみる…
… !

「はははははははははは!!」

思わず笑いが込み上げて来る。なる程、これが名物くさやの干物の臭い!!
想像通り、なかなかナイスな臭いである。
館主の乏しい語彙で形容するのは難しいが、敢えて例えるならば、
「磯の岩場で日にさらされてひからびた魚や若布等から放たれる濃い臭い」
と言ったところ。(この辺かなり主観的です。)

「はははははははははは」

…また臭いを嗅いでしまう。
人間どうして得体の知れない臭いに好奇心が芽生えるのであろう。
駄目だ、しなくても良いと思いながらもまたついつい確かめてみたくなる。


「はははははははははは」

…このままではキリが無い。
食事の準備に取り掛かる事に。
… … いや最後にもう一度だけ … … …

「はははははははははは」

… … …

台所に立つ館主、ガス台でくさやを焼く事に。
ロータリーさんの言っていた事を思い出し、部屋に煙が充満して窒息しないよう
念の為排煙のファンを最強にしておいたが…、
…意外や殆ど煙が出ず、あまり臭いがしてこない…
どうも密閉された魚焼きで焼くと煙が出ないようである。

…煙りの臭いを経験してみたかった館主、
「しまった!七輪を買って来てベランダで焼けば良かった…」
と思い付いたが後の祭り。

さすれば御近所の方々に香ばしいくさやの焼き魚の臭いをお届けする事も
できたのに…。
一緒にトリップする幸せを分かち合ってこそ御近所付き合い。
不覚にもそれを思い付く配慮が足りなかった自分に対する悲しさが
館主の胸に込み上げてきた。

…だがそんな思いをよそに、くさやが焼き上がり出すと…
焼き魚らしい香ばしい匂いが漂い始まった。
これは意外な事実!

程なくしてくさやは焼き上がり、電子レンジからも「ポン」と破裂する音。
サトウのごはんも出来上がったようである。

今日はくさやの干物がメインディッシュ。
(厳密には、この日の献立はくさやの干物オンリー)

初めての経験のこと、ちょっとワクワクする。
…おそるおそる口に運んでみると…

「…んん、んまい!」

結構イケる。
なかなかコクのある独特で癖のある味わい。
人によって魚の好き嫌いはあるだろうが、館主には美味しく感じる。
なる程、先の食通なお三方が言っていた事が判る。
焼き魚であれば塩か醤油を掛けるものだが、くさやの干物は「くさや汁」
(塩汁)に漬かっていたもの、味が染みているようである。

気が付くとこの日は6匹のくさやをたいらげており、無事研究成果が上がった
満足感と満腹感が何とも嬉しい館主。

残りのくさやも次の日にまでに全て無くなる事となった。


−あとがき−

 やまよ商店さんの話では、
 「ラップに包んで密閉し冷凍保存すれば
 2ヵ月位持ちます」
とのことです。
 元々は保存食のようですね。
 冷蔵庫が無い当館(本当)はまだしも
 普通であれば慌てて食べ切る必要は無い
 でしょう。
 臭いばかりが話題で先行するこの食材
 ですが、話のネタに一度チャレンジ
 する価値はあると思います。(^^) 


−館主談−

嗅がなくても良いと思う程についつい嗅いでしまう人間の性、つくづく不思議な
ものでございます。
館主も、
風呂で自分の下半身から上って来た気泡を洗面器で捕らえ、それとなく鼻先で
開けてみたり、
朝方布団の中で出たガスを、足をふいごの棒にして表に出しつつ、さりげなく
臭いも確認してみたり、

そんな微笑ましい体験があるのですが皆様はいかがなものでございましょうか。

食材ネタであるにも関わらず当館始まって以来の品の無いオチに、館主次回から
少しばかりは反省するようにと自分を戒めていたりするのでございます。
毎回必ず「次回から」と前向きに考えておりますれば、皆様の御容赦を頂きたく
思う次第でございます。

                                by館主



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