2001. 2.18UP


−こいばな第26話−
ムツ○ロウ日記

さてさて、館主先日ちょっと珍しいものを頂きまして、ちょい気まぐれでこれを
紹介してみたくなりました。
基板には全く関係の無いどうと言う事は無い話でして、日記ネタのレベルかも
しれません。(^^;
まあ、当館の一出来事として軽く読み飛ばして頂けましたら。(^^)



−2001年 2月−

先日トライさんから届いた荷物をヤマト宅急便営業所に取りに行った館主、代引き
料金を支払い帰ろうとしたところ、
…実はもう一つ別な荷物が館主宛に届いている事を知らされた。
…?
館主他に何も購入した覚えは無い。オフ会での散財が祟り、こうして2000円
の基板を2枚買うのでさえとても苦しい思いをしている昨今、余計な誘惑など
聞かぬようにし、つつましい生活をしているのだから尚更である。
不審に思い荷物の送り主を確認してみると、親しくさせて頂いている
Hさんである事が判明。
はてまた何を急に送って来たのであろうといぶかしく思う館主。

館に戻って不審な荷物を開けてみると…

「むむむむむむ、むつごろうだっっ!! … …」

…いや思い出した。
今年始め頃、「むつごろうを送りますよ」とHさんはおっしゃっていた。
物覚えが悪い館主はこれをすっかり忘れていたのである。
これは何とも珍しい。箱の説明を読むと「佃煮」と書いてある。
Hさんの以前の話で食べられるらしい事は聞いていたが、こうしてお目に掛かる
のは初めてである。

「…本当に食べられるのだろうか…??」

得体の知れない生物に対する一抹の不安。なにせ相手はむつごろう
あの有明海の遠浅の泥の上をピョンピョン跳ねている、目ん玉がキョロリとした
ヤツだ…。(^^;
当面は食べず、箱は部屋の飾りものにしておくことにした。

−2000年 2月18日−

暫く食べる勇気が出ないままでいたが、…本日ようやく意を決してチャレンジ
する事に。…相手はむつごろう。一体どんな味がするのであろう…。
当館の夕飯のメインディッシュとして役不足にはならないか、
少し心配になる。

恐る恐る箱を開けてみる事に。

…缶詰が出てきた。
なるほど、賞味期限が「2003.12.20」になっている訳が判った。
かなり保存が利くのを不思議に思っていた館主は思わず納得。

キコキコキコ…
缶切りで開け始めて直ぐに匂ってきたのは…
館の食卓に良くお目見えするイワシの缶詰と同じ匂いだ。
いや、確かに食べ物のようである。

開けた缶を覗いてみると…
5匹の指の太さ程の魚らしき物体が確認できた。
しげしげと眺めてみると…佃煮になってかなり変わり果ててはいたが、
むつごろうの顔らしき形を発見。

「… … 目が付いてる…」

 

むつごろうの頭部は右上画像中央右。右を向いています。

むつごろうがうらめしそうにこちらを見ている。少し、恐いかもしれない…。
疑い深い館主、見るまではむつごろうであることを今一つ信用できずにいたが、
こうして現実を目の当たりにしては沈黙するしかない。

早速夕飯の準備に取り掛かる事に。
単身赴任にもすっかり慣れ、館主実は男ながら料理は大変得意な意外な一面を
持っている。
メインディッシュ以外のおかずに腕に選りを掛ける事にした。
素材はどれも逸品、近所の24時間経営高級食材店「参句酢」で揃えたもの。
参考までに逸品の品々を下に紹介。どれも調理の難しさは群を抜いている。

1.納豆
 糸を引き過ぎぬようかき回す技工の難しさ。フランスの五つ星レストランの
 シェフでさえ余りの難しさに納豆をかき回した事が無いと聞く。
2.生卵
 殻を割る難しさ、物理学者でさえその割れ方が予測が付かないと聞く。
 殻を正しく割るには内部圧力と殻の厚みから打ち付ける角度と応力を決定
 する。
 館主は長年の経験でこれを瞬時に計算し、ほぼ80%の確率で殻を茶碗に
 入れずに割る高度テクニックを拾得した。
3.海苔
 袋の開け方に修練が必要であり、失敗すれば口が斜めに開いてしまい、海苔が
 脱出不能になる難しい食材である。
 中の海苔にキズを付けずに無事袋を開けるのは料理の鉄人でさえ至難の技
 と聞く。
4.豆腐
 包丁により切れ目を入れるタイミングと強さが難しい。
 今回館の包丁により2×5=10個に切り離す事に成功したが、東大病院の
 腕利きの外科医でさえ豆腐の執刀の際には腕が震えると聞く。
5.味噌汁
 「具と味噌をお腕に入れてよくかきまぜる」とマニュアルにはあるが、
 館主はここで大きな過ちを犯した事に気が付いた。
 「朝は、あさげ」「昼は、ひるげ」「夜は、ゆうげ」と注意書きが並記されて
 おり、今回「あさげ」を入手した大きな過ちが夕飯にどのような影響を与える
 のか、またはかきまぜ方に違いは無いのか大変心配なった。
 グルメ館主は仕方無く涙を飲み、勘のみを頼りに作る事にした。
6.御飯
 米は釜で炊くものと言うのが常識。だが、当館では日本古来の常識を打ち破り
 電子技術の粋を結集した特殊器具(専門用語で「電子レンジ」、俗称「チン」)
 を用いる。この器具にはクセがあり、タイマーは目盛りよりも若干多めに回して
 おかないと正しい時間で調理がされず、設定には熟練が必要である。
 調理は500Wの大電力を使い、約2分15秒で完了するが、うっかり袋を
 開けないままでいると調理終盤で破裂する可能性があり、危険物取扱の資格を
 持っていない館主に取っては命がけの作業と言える。

さて、これ程難しい料理の数々をこなす自分が誇らしく「さすがは俺」と独り言を
呟くうちに…夕飯の準備は整った。

直ぐに食べ始まっては品が無い。食欲を促す為にBGMを掛ける事に。
スーパーリアル麻雀PVIの基板をセットしボリュームUP。デモを横目にしながら
オフ会でさる腐れ縁なお方から頂いた本場静岡茶を飲み、わざと落ち着き払い
つつ食事を始めた。
本日のメインディッシュはむつごろう

…おそるおそる箸に取り、指の太さ程のむつごろうの頭からかぶり付く事に。
まるでライオンになった気分の館主。

「… … んん、んまい! …」

結構イケる味。
味は全く魚の佃煮そのもの。ほんのわずかに嫌味の無い独特な香り。
当館のメインディッシュ合格である。柔らかいので頭からまるごと食べられる。
一膳目の御飯を食べ終わった頃、「ポン」と電子レンジから爆発音。
途中準備しておいたご飯のおかわりが出来た合図だ。食が進む。
(真面目な話、皆様「さとうのご飯」はきちんと蓋を開けてからレンジに掛けて
下さいね。横着な館主の真似はしませんよう。)

… … … そうこうしているうちにメインディッシュを全てたいらげ、夕食は
何事も無く無事済む事に。
果敢にもむつごろうを食べると言う研究を果たす事ができ、すっかり満足な館主、
残りのもう一箱は勿体無いので暫く部屋の展示物にする事を決心したのであった。


 −館主談ー
 Hさんの御好意により今回は貴重な体験
 をさせて頂きまして、たいそう感謝して
 いる次第でございます。
 この御礼はいつかきっと福島県は小名浜
 名産の「べっ○ょ漬け」と言う、
 それはそれは美味な赤貝の缶詰にて
 お返ししたいと思う今日この頃な館主
 なのでありました。
 (ご覧になられた福島県人の方はどうか
 このオチを他言無用でお願い申し上げ
 ます。)          by館主



←前のこいばなへ          戻る         次のこいばなへ→

                メインに戻る