−こいばな第18話−
20年ぶりのガンシューティング


さてさて、前々回のこいばなでチルコポルトでの館主のDOR2の手腕ぶりを披露
させて頂きましたが、実はその後、直にチルコポルトを退散していた訳ではありま
せん。
館主がおめおめと対戦に負けたままゲーセンを引き上げるはずは無く、負けた
腹いせいや雪辱を晴らすべく自分でもできそうなゲームを物色していたところ…
ありました、見つけました、
サイレントスコープ…。
以前よりGTYさんより話に聞いていたゲームです。
これで引き下がったりしたら漢ではありません。



1999年11月23日

DOR2の対戦に僅差で破れ、リンとした態度で退席した館主…
いや、あまりの結末にすごすごと退散した館主。

なんともこのままでは収まりがつかない。
なんとかうっぷんいや雪辱を果たそうとDOR2の対戦相手に顔が見えないように
腰を低くして立ち上がり、一旦その場を立ち去る事とした。
(漢たるもの打ちのめした相手を見るものではありません。…いえいえ、実は恥ずかしくて正視できずに
逃げた訳では… …)(T_T)

が、程なくして密かに対戦筐体の設置してある場所に全く別人のふりをして
おもむろに舞い戻ってみる事にした…。
今度はバイク用のサングラスを掛けてみた。変装はこれで完璧なはずである。
先程ボロ負けしていた中年男とは誰も気付くまい。

そう、舞い戻った目的は、ひょっとするとカモいや館主のレベルに合う
ゲーマーがいはしまいか探し出す事であった。
見つけたなり即乱入し、完負なまでに叩きのめしてゲーマーとしての腕前を
再度確かめたかったのだ。

勿論、弱い者をいじめてうっぷんを晴らそうだなどと言う気持ちは
これっぽっちも無い。…いや少しはあるかも知れない。

百戦錬磨ともなると同じ技量の勇姿を探すのも一苦労である。
館主はなるべく弱そうな館主同年代のおやぢまたは小学校低学年のガキいや
お小様あたりを狙い目いや好敵手に選び、乱入しようとしたのだ。
こう言った類いのゲーマーは一見実に弱そうにしていて、実は猛者である事が
多いものである。
対戦するのであれば、隠れたより強い相手を求めるのが真の漢と言うもの。

ついでに若いギャルでもいれば、一紳士ゲーマーとしてごく当たり前の事
なのであるが一つお手合わせ願って
「おぢさんが教えてあげよう」
と声を掛けるところだ。

店内を暫く物色する事に。

… … …

…しかし、どうもその日は対戦格闘ものの筐体には殆ど人が付いていない。
休日の昼下がり、本来なら格闘技ともあれば若いゲーマーが多数群がる
超人気ジャンルのゲームであるはず。
最近格闘技ゲームに何か異変が起きているのであろうかとも考えてみたりする
館主。(きっとこの日に限ってのことなのでしょうとも。)

程なくして一連の行動が全く無駄な事に気付き、ゲームをするわけでも無く、
何喰わぬ顔をして暫く店内をうろついていたところ…

…見つけた…
「サイレントスコープ」の筐体。

以前より話には聞いていたやつだ、実物を見るのはこれが始めてである。
なんともものものしい筐体、そして銃が良くできている。
いつ入るのか気にはしていたが、田舎のゲーセンにしては入荷が早かった
ようである。
格闘技のうっぷんはこれで晴らしてやろうと思い直す館主。

…ふと筐体を眺めていて、20年前にダイバーを撃ち過ぎてスコアがマイナスに
なった懐かしい思い出が蘇る…。(ブルーシャーク、1978年TAITO)
「ああ、そう言えば20年ぶりだなあ…ガンシューティングを遊ぶのは…」

厳密に言えばかのデス様があったが…即プレーを止めて便所で泣いた
忌わしさがあったゆえ忘却する事に。

20年もすると銃もこんなに立派になるものかと感心しつつ、早速コインを投入
しようとすると、コインシューターに「1プレー200円」とある。

「… …高い。NE○GE○の画廊スペなカセットが1本買える…」

しぶしぶまず100円だけ入れて、ダメ元でスタートボタンを押してみると…
…なんとゲームが始まってしまった…。 ??
「天下のコナミ様がまさかメンテナンスを怠けているはずが無い。
これはきっと天の味方!」

急に特した気分になり、嬉々とモニターを眺めてみる。
なにやら銃の照準を表す丸いマークが表示されている。
銃を動かしてみると、照準も動く、…なる程、理解。

画面に3つのモードが表示されたが、どれがどれやらさっぱり判らない。
館主、SSの脱衣麻雀は必ず「ストーリーモード」を選択していたものだから
パブロフの犬宜しく画面中央のこれを選択してみる事にした。
選択は銃で撃つ方式。なんだかこれだけで一流スナイパーになった気分。
VGMが鳴り響く。
… … … … …

やがてゲームが始まった模様、どうやら自分はビルの屋上にいるらしい事が
判る。
早速銃を構えて地上のテロリスト共を狙おうとしたが…

「…で、どっちの手で持てばいいのだ??… …」

暫く右手と左手を交互に入れ替えてみたが良く判らない。
結局は右手でトリガーを引く事にするが、左利きの館主にはどうにも
違和感が残る。
そうこうしているうちに時間がどんどん過ぎて行く。

敵テロリストを探してみるが、敵の姿がいない… …??
画面を良く凝視してみると…いた。…まるで蚤の糞のようなチマチマした敵!!
それに引き換え画面に表示されるターゲットのマークの大雑把で大きい事!

機関銃のように連射してみるが、ちっとも当らない。
そして、なんだか弾切れが起きる。…何故だろう…??

ややあって筐体から英語で「なにをやってるんだ!!」と罵声が飛んでくる。
(館主に英語が判るはずはありません。答えが画面の中に字幕で表示されて
いたものです。)


「ふん、余計なお世話だ。一流のスナイパーは慌てたりはしないものだ」
…気分はすっかりゴルゴの館主。

捨て台詞を吐いてみたりするが、なんか機械に馬鹿にされているようで悲しい。

弾切れに悩まされながらの銃を撃っていると、なんか悲鳴が上がる。
…どうやらテロリストの瓦に伍する連中の1人に当ったようではあるが、
蚤の糞相手ではさっぱり判らない。

そうこうしているうちに何やら画面のガラスが割れる表示が出る。
どうやらこのゲームはガラス越しに銃を撃っているゲームだった模様。
このガラスが防弾ガラスであれば、いつまでも遊べるのにと一瞬思ったが、
自分の弾も相手に当らなくなる事に気付き、つい恥ずかしくなってしまった
自分が悲しい。

そうこうしているうちに初プレーはゲームオーバー。
「なにやらさっぱり判らん!」
途方に暮れる館主。
… … … … 

ふと落ち着いて、マニュアルをもう一度良く見てみると、
「スコープを覗いて狙いを定め」
と言うような意味の事が書いてあるのに気が付いた。

… …!!タダ・トスレーン並の直感力を働かせながら再度銃を良く
調べてみると …スコープが付いている。
スコープを覗いてみると、もう1つ別なモニターが映っているではないか!

どうやらこのスコープがゲームの重要な鍵を握っているらしい事に気が付いた。
自分の鋭さ(嘘)に感心しつつ再びコインを投入してみるとまたまた天佑、
たった1コインでゲームがスタート。
天下のコナミ様がまさかメンテナンスを怠けているはずは無い。

今度はスコープを覗き込んでみると、
「…あああ!!!見える!見えるぞ!!」
チョコチョコと動き回っているばかりだったテロリストの姿が拡大されて良く
見える。
おお、快楽天ホットギミックのようなコスチュームの連中!
落ち着いて狙って撃ってみると… …当った!!
…でも「100点」…

…どうすればこんな得点で100万点以上(GTYさん)を稼ぎ出せるので
あろう??
ふと思ったが、自分がハイスコアについて語る資格など全く無い事に気付き
取り敢えずは当てる事に集中する事にした。

そうこうしているうちにどうやら1面はクリアした模様。
場面が変わって今度はビル屋上での銃撃線。
テロリストはうまく壁に隠れてこちらに向って来る。

敵の位置をモニターで確認しようとするとスコープの方がおざなりになる。
スコープを覗く事に熱中していると、いつの間にか敵が出現していて撃たれる。
…徐々にマイブレインが状況の把握に追い付かなくなり手に汗が滲み出す館主。
「あああ、どうすればいいのだ?!!」
頭の中は既にパニック状態。次々と筐体から聞こえて来る罵声の数々。
程無くしてまたガラスが割れる表示… …ゲームオーバー…。

やがて我に返り、思わず呟く館主…

「無理だ…俺には絶対に無理だ…」(T_T)

人の動態能力と反射神経を嘲るようなこのゲームはなんなんだと呟きつつ
今度こそ意気消沈し、雪辱戦の事などもすっかり忘れ、すごすごとボロバイクで
帰路についた、何とももの悲しい休日の出来事なのであった。


館主コメント−

このゲーム、大変な難易度かと思います。
もうやる事は無いと考えておりましたが、先日身内の玉ちゃんから

「どれかのビルの窓に裸のギャルがいて、覗くと得点が入る」
と貴重なゲーム攻略情報を頂きまして俄然やる気が起きてきた
何とも研究熱心な館主でございます。
次回は是非動態視力を極限に高めるべく再チャレンジしてみようと心に決めた
館主なのでありました。

それにしてもこんなに難しいゲームを「面白い」と言う、ミリオンスコアラーな
GTYさんの事を「ひょっとして人間では無いのでは」とついつい疑ってしまう
今日この頃でございます。


 
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