| -こいばな第15話-
 漢三人ほえほえ症候群
 
 
   
さてさて、館主が「カードキャプターさくら」の単行本をまとめ買いした事は、以前
 日記でも書きましたが、これはあくまで偶然に買ってしまったPS版「さくら」を
 より楽しくプレーしようとする目的があった為にしたことです。
 
 ついでに「劇場版さくら」なる映画を今回見に行って来ましたが、これもあくまで
 ゲームの為でありまして、流石に自分のゲームに対する思い入れの深さと
 研究熱心さに、ついつい誇らしさまで感じてしまいます。
 
 今回は、この劇場版さくらを見に行ったお話をさせて頂きます。ゲームに対する
 館主の熱意を感じ取って頂ければ幸いです。
 いえいえ、あくまで研究の為ですからね。
 
 
 
 
−1999年9月のお話−
 
 ある日の会社でのこと、たまたまTG氏(仮名。絶対に匿名希望とのことです。)の
 デスクの前を通り掛かった際、ふと彼のパソコンが目に入った。
 皆行き先表示をパソコン画面上に常時表示しておくのがうちの町工場の決まり。
 …何げに見てみると、何か様子が変… …。 !?
 彼の行き先表示は、なんと「やっぱりさくら激情版?」となっている…。??
 (仕事中なのにさすがはTG氏、漢の鏡)
 
 館:「はて…?そんな会議室ってあったっけ…??…いやいや彼の事、
 まともな行き先表示なぞ期待する方が無理…。」
 
 程なく「劇場版カードキャプターさくら」を指している事を悟ったが、これが
 実はコトの始まりであった…。
 
 そんなある日のこと、HP上で知り合ったS氏から
 「劇場版見に行きましたか?」
 とメールを頂いた。…こう言われてみると、刹那に劇場版を見に行きたくなるのが
 人情と言うもの。 研究熱心な館主の尻ににわかに火が付いてきた…。
 そして、同時に館主の頭には研究仲間TG氏の顔が浮かんで来たのであった…。
 
 早速TG氏に映画を見に行く提案をした館主。
 TG氏の入念な下調べの結果、隣町の石巻の某映画館で9月18日より封切りで
 ある事が判明。
 最終的にTG氏、TH氏(匿名希望)の、研究熱心さは誰にも引けを取らない二人を
 引き連れて、館主は「劇場版さくら」を見に行く事となったのであった。
 
 −1999年9月19日−
 
 残業から解放され、カキコを少ししたところで不覚にも爆睡モードに入って
 しまった前日。
 だが、お陰で当日朝はすこぶる体調が良い。
 
 朝10時、TG氏とTH氏の二人を拾い、石巻に出発。
 
 道中車の中、
 TG:「いや、岡○劇場と言うのは、実は川の中洲にある映画館でして…」
 (本当)
 館主、一瞬自分の耳を疑ったが、嘘を言うオタいや研究生では無い。にわかに
 不安になった館主ではあったが、研究に対する熱意がそれに打ち勝っていた。
 もう後には引けない。
 
 11時半、映画館に到着。
 入り口に立つと、…おおお!!本当に「カードキャプターさくら」のポスターが
 貼ってある!!
 何やら看板に書いてあり、読んで見ると、
 「先着50名様にポスタープレゼント」
 とある…。 !!
 
 にわかに研究心がもたげた館主、三人の先頭を切って、そそくさと入り口に
 向った。
 ポスターと言う貴重な研究資料が入手できなくなってしまうのはとても痛い!!
 密かに心の中で焦り出した館主なのであった…。
 ふと館内を覗くと、子供達の姿が目に付く…。
 
 カウンターの前、券を買う順番を待つ漢3人。
 
 売:「大人一枚ですか?」
 (「大人一枚!!」と言おうと思ったよりも先に売り場のお姉さんに言われて
 しまって、ちょっぴり悔しがる館主。)
 
 売:「…大人、ですか… … ??」
 TG:「あ、はい。」
 (いいえ、子供です、と言えば、あるいは子供料金になっていたかもと、後でしきり
 に悔しがったTG氏。)
 
 売:「… … … …」
 (三人目のTH氏。既に何も言わなくなったお姉さん)
 
 中に入り回りを見てみると、大勢の母親が連れた小さな女の子達と、一目で判る
 館主一派とは違うオタクが少しだけいる。
 「…ふん、お前達に『さくら』の本当の価値が判ってたまるものか」
 などと思ってみたりもした館主であったが、何より気になったのはポスター。
 周囲を見渡したが、ポスターを配っている気配は無い…。
 …どうやら第1派の連中に配られてしまったもよう。(T_T)
 
 だが、壁を見てみるとポスターが貼ってあり、「200円」と表示されていることに
 気が付いた! …運は我々を見放さなかった。
 
 館「ポスター下さい!ええと、これ以外のポスターも何種類か
 あるのですか!???」
 (あくまで研究の為、全種類サンプリングしたい館主)
 
 売「… …すみません、1種類だけです…。」
 
 館主、結局買ったのは同じものを3本。抜け駆けして2本購入したTG氏に
 対抗してのこと  では無くて、あくまでHit記念品として、余分に購入。
 
 館内に入り、後方中央の席に鎮座する漢三人。
 
 …ふと気が付くと、前に座っていた女の子連れの母親共が、こちらを一瞥するなり
 何やら落ち着かない様子になり、急に席を立ったと思ったら、別な席に移動して
 いく…。
 そしていつの間にか、三人を中心に波紋が広がるように空席が出来上がって
 しまったのであった…。
 どうやら三人の研究熱心な漢気なオーラを感じ取ってしまったらしい。
 
 「!?…えー、すみませーん、僕達は人畜無害ですよお〜!… …」
 …心の中で呟いた館主ではあったが、無駄と気付き、直ぐに気を取り直すことに
 した。
 
 場内を見渡すと…、おお、左前方にいるやつ…、
 「あれ、きっと俺達と違って、オタクだよな!きっと!」
 (^O^)
 内心ほくそ笑み、自分達はヤツとは違う事を再認識する館主。
 
 ややあって、短編アニメの後、いよいよ「さくら」が始まった。
 
 「おおおお!!…きゃ、きゃわいい… …」(*′_ヽ*)
 
 なんてかわいらしいんでしょう!
 気が付くと、連れの漢二人の顔もだらしなく恍惚としてすっかりとヤニ下がって
 いる。
 ふと自分も同じ顔をしていはしまいか一瞬気掛かりになったが、いつもの気のせい
 であると思い込む事にした。
 
 終盤ストーリーも佳境に入り、感情移入しまくりな館主、目頭が熱くなって …
 … … ふと隣のTH氏も、手をさり気なく目に持っていっているのに気が付いた。
 
 「あああ、彼の研究熱心ぶりにも頭が下がるなあ…」としばし感慨深げな館主。
 
 大勢のクソいやお子様達の五月蝿さなぞすっかり忘れてしまっている漢三人。
 そんなこんなで映画も終わり、無事館にご帰還。
 
 興奮の覚めやらぬ中、漢二人のご来館客と共に延々とさくらのこいばな話に花が
 咲く。
 
 館:「えええ?DVDが出るの?9月25日?…しかも全巻購入者の特典と
 して特製ビデオがもらえる!? … …」
 
 情報の主はTG氏。毎度頭の中が真っ白になる館主。
 
 館:「ほ、ほっしいいいい!頼む、俺の分も買っておいてくれえええ!!」
 
 DVDを持っていない館主、赤貧なくせに何のためらいも無く急きょPS2購入を
 決心してしまった事に些かの後悔も感じていない。
 
 そんなこんなで延々夜までこいばなが続いた研究熱心な漢供の、なんとも
 のどかで平和な一日が過ぎていったのであった…。
 by館主
 
 
 
館主コメント
 ふと「人間失格」と言う四文字が頭をよぎりましたが、いやいや、これもまた
 いつもの気のせいと言うものでございます。
 冒頭のポスターの1本は、本当にHit記念の粗品にする、かどうかは、館主にも
 知る由もありませぬが、ただただ自分の、あくまでゲームの為の研究熱心さに
 改めて感服させられた次第な館主なのでありました。
 
 
 
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