-業界こいばな第8話-
ゲームメーカーの権利主張


さて、皆様またまたご内密に。
しかしこんな事をUPしていて本当にこのHP大丈夫なんですかねえ…(^^;
まあ、所詮はこんな場末なHPでの便所の落書きにも似た話ですんで、
万一潰されてしまっても世の中には全然影響が無いですけれど。(笑)

以前より中古問題等で危ない話をUPしておりましたが、今回は、最近のゲーム
メーカーの権利の主張ぶりについて、今までの流れを総括して考察してみようと
思います。

思えば現在の殆どの大手老舗ゲームメーカーって、創業時は他社製品のコピーを
生業としてましたよね。
どうりで創業時のゲームについて触れられると皆口がシェルになる訳です。

アタリが「ポン」を出したら某社は「ポントロン」、タイトーがインベーダー出した
ら某社が「歌うインベーダー」。黄色鼠メーカーまで「○○堂インベーダー」を
出して「ソフトは公開し合うべきだ」なんて当時は正当性を主張していましたし。
いやあ、会社が出世すると共に主張も変わっていくあたり、ゲームメーカーは
出世魚に決して負けていませんね。(笑)

そう言えばジャンルは異なりますが、散々GUIのアイデアを猿真似コピーして
おいて「コピー撲滅」なんて立派な主張をされている企業もありましたかしらん…。
いやいや、商売は度胸なんでしょうとも。
勝手に個人情報をオンライン送信する仕様、アレをバグと言う度胸

には館主流石に恐れ入った次第でしたし。(横道に逸れてすみません)

さてさて、前振りはこの位にして、早速本題に入りましょう。



1.ユーザーに直接関係無いメーカーの権利主張

−コ○ミの例−
このメーカーの最近の動向、面白いですね。このメーカーを例に取って、
メーカーの権利の主張ぶりを紹介してみましょう。
と○メモのブレーク以降、同人系の牽制に終わらず、近年は競合他社にも鉾先を
向けているあたり、○○堂も顔負けです。
館主の記憶にあるのはざっとこんな具合かしら…実際にはもっとあるんで
しょうね。

 「アーケード音楽ゲーム、ジャ○○の○Jを特許侵害で訴える」
 「○Jを購入したナ○コ直営店も訴える」
 「ジャ○○から○Jの報復としてド○ミファグ○ン○リを訴えられる」
 「ナ○コのギ○ージ○ムを特許侵害で訴える」
 「ジャ○○のロッ○ント○ッドを特許侵害で訴える」

ちょっと勢い余っている感じがしますね。最近このメーカー、どうしちゃったの
でしょうか。
プロ野球ゲームに関する権利も独占したみたいだし、ソフト販売は問屋を通さずに
直接量販店に卸すようになってるし、大企業ともなるとお金持ちで力もありますね。

勢い余った件をちょい補足させて頂きますが、

「○Jは話し合いが付いたので申請を取り下げた」と言っていますが、実は
申請したのはジャ○○の○Jの生産と出荷が既に停止した後でのこと。
「製造、販売の停止を求める仮処分の申請」って何っだったんでしょう??(笑)
そして裁判に訴えるにはそれに基づく「証拠」が必要な訳なんですが、確固たる
証拠を提出できなくて、申請を取り下げざるを得なかったのもまた事実。
…いや、実は裁判所から申請を取り下げるように促されたのが本当のところ
だったのですけれども。(笑)

ナ○コの件に至っては、1オペレーターが普通に購入した筐体を所有している事を
いきなり訴えちゃったものだからナ○コから反訴されてこれ当然ですし。
さすれば「反訴するなら、お前のギ○ージ○ムがいけない」と鉾先を変えて
噛み付くし、ついでにジャ○○にも噛み付いて態の悪もカバーする
パフォーマンスぶり。

いや、なんせ企業には面子と言うものがありますから、一度申請したけれども
裁判所から取り下げを促されちゃったものだから何とも恰好がつかない。
続けてあちこちに噛み付いて面子を保とうとする気持ちは判らないでも
ありません。

それにしても、コ○ミが訴えた相手は何故ナ○コだったのかしらん??
何故同じ機種を購入した○ガを何故訴えなかったのかしらん。
きっと何か訴えられない臑傷がありそうなのですが…
これの真意は館主判りません。

勢いの余りついでにコ○ミは

 「ジャ○○、ナ○コ、セ○との取引きを停止」
 「JAMMAからの脱退」
 (JAMMA役員にはジャ○○もいましたし、今回の件、JAMMAで解決する
  のは難しかったでしょうとも。SESAで言えばSCEあたりがもめ事を起こす
  ようなもの。)

こうなるともう、後には引けませんですね。攻撃相手を失った闘犬がいつまでも
遠吠えで威嚇しているような印象さえ受けてしまいます。
こんな面白い権利の主張ぶりもあったものです。

−権利主張の裏事情とメーカーの弁護−
さて、この項目の話は上記の話と違って、館主の主観です。
コ○ミを例に取りましたが、実際ゲームメーカー、特にアーケードを扱っている
メーカーはアーケードが氷河期に入ってますんで、皆生き残りに必死です。
昨年夏、2期連続赤字決算で1000人リストラした○ガなんかも大変でしょうね。

で、コ○ミが一番恐れているのは、やはり「コン○イル」の二の舞いじゃないかと
推測してます。(コン○イル、会社更生法の摘要で企業の立て直しを図っている
ところですね。無事復帰されますよう…DE○Oもしかり。今年はS○○の番との
噂もありますが、これは当然の報いですね。)
で、
どんなに大きな企業であっても潰れる時には簡単に潰れます。
大きくなった企業を維持するにはそれなりの売り上げと収益が必要です。
新規アイデアを失って数年の売り上げ不調から失脚したコン○イルが良い例
でしょう。
その昔はゲームと言えば次々と新しいアイデアが生まれてそれが新規ユーザーの
開拓に貢献してきたのですけれども、最近はもうネタはマンネリ化していて
どのメーカーも食い扶持が無くなりつつあります。
ユーザーも「モニターを見ながらコンパネを操作する」遊び自体に飽きつつある事
も事態を悪化させてますね。
ゲーム自体もすっかりマニアックになってしまってトンチキなオペレーターはロケテ
の稼働率データのみで基板購入するんで、メーカーはそれに合わせた機種を
作らないと売れないし。これでは増々一般客のゲーセン離れが起きて、
その結果潰れてしまうのは当たり前ですよね。
(余談ですが、すっかりマニアック化したB○の新ROMが元取れないような短い
サイクルで出てしまって今までの儲けが全てチャラになっただなんて、
…まあ、いつまでもメーカーの言う事を真に受けて音楽もので
?匹目のドジョウを狙っているのも考えものです。
インベーダーの頃からオペレーターの気質って進歩がありませんですね。

以上の事情から、コ○ミを代表にしたゲームメーカーを弁護させて頂きますが、
彼等は今生き残りを掛けて必死なのであって、既にきれいごとなんて言って
いられないのです。
特に小回りの効かない大企業ほど、今後これが顕著になる傾向があるのでは
無いでしょうか。
企業は慈善団体ではありません、営利を目的としているものです。
法に触れない限りに於いては何をしても文句は言われません。
最近は「モラル」さえかなぐり捨ててしまいまして、なり振り構っていられない
状態なのです。
まあ、自分で自分の首締めていた部分もありましたけれど…。(笑)

次の話に移る前に「法には反しないけれどもモラルには反する某社の例を
1つだけ挙げておきましょう。こう言う○○○な話もあったと言う事で…。

セ○
昔の話です。某ポリゴン格闘技2が出た時にはどこのオペレーターでもこの
$箱筐体を欲しがっていました。
さて、一銭でも多く利益を得ようとするのが企業と言うもの。
プレミア価格がおいしい、他社オペレーターへの卸しを営業が優先したばかりに
自社直営店に回す筐体が無くなった、なんて笑い話も聞きましたが、
(真偽の程は定かではありません。)この筐体をディストリビューターに
販売する段階になって、

「只今バー○ャフ○イ○ー2は非常に好評に付き品薄でしてバー○ャ○ップ
の筐体を購入して頂くお客様に優先して出荷しております。」

と言う説明がディストリビューターからの問い合わせの際にはありました。

さてさて、困ったのはディストリビューター。
オペレーターからは
「なんで2が欲しいだけなのに、そんな元が取れるはずもない大型筐体を
70万も出して購入せなあかんのか!!」
なんて怒りの鉾先を向けられるし、さぞかし事情の説明には苦労された事
でしょう。

ええと、法的に言えば「抱合せ販売」は立派な違法行為です。
セ○も重々承知です。
が、実は上の話は違法では無く、スレスレセーフなのです。これは
あくまで品薄なので、贔屓にして下さるお客様に優先して筐体を販売している
事情を説明しているだけなのです。
(と言いつつも、2の筐体が最終的には結構在庫が余った話を聞きますが、一体
どこが「品薄」だったんでしょうね?(笑))
この頃バー○ャ2の脇に随分と某ガンシューティング筐体があったのはこう言った
事情があったからなのです。

まあ、当時の栄華を極めた企業ならではの見事な横車の押しっぷりでしたね。
万一クレームつければ「じゃ、おたくには卸さない」でチョンですし。
そう言えば最近、致命的なバグがあるのにも関わらず、決して表沙汰に
できなかったディストリビューターの苦悩なんて、…ああ、これ、
ヤバ過ぎました…。
(既に他のHPでおおっぴらに公開されている某大手のお話ですが、ここでは
触れません。)

最後にもう一つ弁護しておけば、これ位の事は訴訟好きなアメリカでは
日常茶飯事でしょう。
却って今までの日本企業は傷口を舐め合う体質で、甘さがあったと言える
のかも知れません。
皆様、ゲームメーカーばかりを一方的に批判してはいけません。


2.ユーザーに直接関係あるメーカーの権利主張

さて、今度は皆様に直接関係してくるお話を致しましょう。
ここでは今騒がれている「中古問題」を再度取り上げて見たいと思います。

何か昨年は東で「中古販売は合法」と言えば西で「中古販売は違法」と正反対な
判決が下りましたね。
判決の論拠も正反対で、

東京地裁「ゲームの映像は映画に非ず」
大阪地裁「ゲームの映像は映画と同様に著作物である」

こりゃまた混乱致しますね。
まだまだこれから先、最高裁まで行き着くのに恐らく10年近くは掛かりますで
しょうから館主は高見の見物と洒落込む事にしています。
簡単に言えば「映画=ゲーム」なんて、六法全書のどこをひっくり返しても出て
来やしませんから、こんなんなっちゃうんですけれど。(笑)
こんな楽しい泥沼でゲームメーカーと販売店がどんどん体力を使って、パワーの
掛けどころをひょっとして間違ってはいやしないかしらんとついつい老婆心を出して
みたくもなる館主です。

それよりも国が法を整備する方が早いような気もしますが、まあ、2000円札
なんて間抜けなものにパワー割いているような首相
では望み薄でしょう。
「アメリカでは20ドル札が良く流通している」なんてトンチキ言ってますけど、
偽札の国アメリカでは100$紙幣で買い物をしようとすれば、殆ど店員に透かして
見られたりして、結局は受け取りを拒否されるのがオチで、結果論として一番信用
されて大きな額の紙幣と言えば20$だった…なんて事情を知っているのかしら?
(あくまで海外出張に出掛けたうちの町工場の同僚が体験してきた話が
元なんですが…(^^; )

話を戻しますが、某有名RPG1本しか売りが無いゲームメーカーが端を発して、
「ゲームの映像は映画と同じ」と訴訟を起こしたゲームメーカーは異口同音に
言ってますけど、これは実は以下の事情があるからです…。

−何故「ゲーム」の映像を「映画」と同じと言うのか?−
現在まだ法の整備が行われていませんが、日本も先進国に習い「頒布権」を
導入する流れがあるようです。
「頒布権」は以前にも紹介してように、著作物を保護する目的の法ですが、これは

「正規なルートで販売するものが正規に顧客に販売されるまで、販売するソフトは
著作権が保護される」
ものであって、まあ、ひらたく裏を返せば、

一旦お金を払って購入したものは、消費者(ユーザー)がどう扱おうと勝手。

と言うことと同義語です。まあ、常識的に考えれば、当たり前の事ですよね。

勿論この「頒布権」なるものが法施行されたら当然「中古ソフト」は合法になって
しまうと思われがちですが、…実は日本特有の事情がありまして、
「映画」に限ってはしっかりと「頒布権」で保護されているのです。
興業元からフィルムを購入したからと言っても、それを勝手に販売・譲渡しては
いけないのです。
放映が終わったフィルムは宅配便で興業元に返却されて、鋏で分断処理される
ものなのです。
これではなんか「購入した事」にはなりませんね。(笑)
… …
疑問を持つ方もいらっしゃるかと思います。
先の話からすれば「頒布権」は購入した段階で消滅するのでは?
と思われるのは当然でしょうが、
実はアメリカで見れば、「頒布権」と言っても、映画、本、音楽等様々な
シツエーションに合わせた法の整備が個別にされているのであって、
対象と内容がそれぞれ違うものなのです。
日本にはそれらに対応する適当な語彙は「頒布権」しか無いので、単にまとめて
同じ言葉で訳されていただけだったりするのです。(^^;
日本語では同じ「頒布権」と言う言葉で訳されていますが、「頒布権」は「頒布権」
でも「頒布権」が違う
のです。
あああ、混乱させてしまいましてごめんなさい!(笑)

そんな事から、「ゲームソフトは映画と同じ頒布権がある」と言うゲームメーカーの
主張がおかしい事に、皆様お気付きになりますでしょうか?

そう、彼等の「ゲーム=映画」と言う主張は彼等の本音ではなく、あくまで現在日本
で映画に認められた「頒布権」の権利がおいしい事から、これにゲームをうまく
結び付けたいのが本音なのです。言葉が同じであっても意味が違うのですから
絶対に騙されてはいけませんね。

訴えを起こしたゲームメーカーが異常に「映画」に固執している訳、ご理解頂け
ましたでしょか?
そもそも日本でゲームソフトに対応する「頒布権」なんて、まだ法律上具体化なんか
しておりませんからね!

−万一映画の頒布権がゲームソフトに摘要された場合−
さて、どうなるでしょう。
まずは、消費者が購入したからと言ってメーカーの権利は延々ずっと付いて
回りますから、もし売却したいとなったらメーカーの許諾を得ないと
いけません。
廃棄するにもメーカーの許諾が必要になるかも知れません。(売る事ができないと
なったらこれしか選択肢は無いですけど…。全く地球に優しくありませんね。)
勝手に人に売却すれば、それはもう立派な犯罪行為になります。
そう、館主などは過去クズゲー「セーラー○ーン」やら「ウル○ラマン2」
やら怒りまくって購入翌日には売りに出しましたが、これだけでも
前科○犯です。(笑)
一度でもゲームを中古ショップに売却した覚えのある方は全て犯罪者です。
日本国は犯罪者で蔓延するのです。

−映画の頒布権利がゲームに摘要された際のメリット−
いや皆様、意外やこれ、メリットはあるのです。
上の話だけでは片手落ちですから、ゲームメーカーの意見も尊重して紹介して
おきましょう。

1.適正な費用回収が可能であり、メーカーがよりよいソフトをユーザーに
  お届けできる環境が整います。従いまして、最終的には消費者の利益に
  繋がります。
2.環境が整う事により、より有能なクリエーターが育ちます。業界の発展
  には絶対に頒布件は必要です。

なる程!!これは凄いメリットですね!!!
皆様、ゲームファンならこれからは「惑星ウッドストック」に38円もの値付けで
暴利をむさぼるご近所の中古ソフトショップよりも、こんなにも志し高いゲーム
メーカーの方を応援しましょうとも!(^O^)
この世から中古が無くなれば、決して期待を裏切らない「一生ものソフト」の供給を
恒久的に続ける事、メーカーは保証しようとしているのです。
(あくまで「環境が整う」だなんて控えめに言うところが嫌虚いや謙虚ですけど…)
相応の報酬の支払いにより、安賃金でソフトハウスが虐められる事も無くなるので
しょう。

「FIST」を定価で掴まされた悪夢を2度と見なくても良いのですから、個人的
にはこの主張には大賛成です。


−編集後記−

ええと、今回もまたまた辛口でした。(^^;
「より素晴らしいゲームを供給したい」と願う志し高いゲームメーカーの姿勢、
皆様高く評価してあげましょうとも。
ついでにクリエーターやプログラマーの質も向上して、きっと「納期遅延」なんて
不具合も無くなるんでしょうね。
「あい○くて」でエンディングを迎えられないキャラがいただなんて、
2年以上も発売を遅延させておいて、今頃そんな間抜けなバグをHPで
茶化して公表している某社様に聞かせてあげたいものです。

ゲームメーカーは自社のみ真っ当な利益を上げられるようになったと同時にきっと
虚言癖
も完治するのでしょうね。(^O^)
私の期待を絶対に裏切らないで下さいね、
訴訟を起こしたゲームメーカー各位殿。(^^)

いやはや皆様、毎度な長文でごめんなさい!m(_ _)m

                             文責:館主



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