−業界こいばな第7話−
ゲーム業界のサポート状況

さてさて皆様、今回のお話も
くれぐれも内密な話
です!!
…こんな事ばかりUPしていれば、いつかきっと後ろから刺されてしまうような気がしてならない館主だったりします。(^^;;;;
折を見て「壊れ易い基板」として、「初めての方向け基板の遊び方」コーナーに幾種類かの基板の取り扱い方の注意点についてUPする予定ですが、それに絡んで
「故障等の基板の不具合に対するメーカーのサポート状況とその他」
について、ダークな、あまり為にならないお話を挙げさせて頂きます。



・運悪く基板が故障した時のメーカーのサポート状況。

さて、運悪く基板が故障した場合、(それよりも、先に壊さない為のノウハウの未紹介分をUPするのがスジと言う話が…、皆様勘弁して下さいね。)ゲームメーカーに修理をお願いする場合があります。
詳細については追って「初めての方向け〜」コーナーにUPしますが、ここでUPするのはそれに対するメーカー側の対応状況のお話です。
…前置きはいいですから、早速例を幾つか揚げてみましょう。

1.コナミ
コナミさんのような大手ともなりますと、きちんとサポート部門が独立しています。
きちんと故障を受け付けてくれて、修理状況や不具合原因等も修理表に書いてくれて安心です… … …。

… …いやいや、ここではダークな話に徹するべきですね。

実は昨年、サポート部門は「コナミサービス株式会社」に独立しまして、神田から新宿に移転しました。
これ(分社化)って「税金対策」が目的のような気もしますが、それはいいとして、基板の修理代が、従来の1万円前後から、一律2万円に値上げされました。(T_T)
昨年館主は「ツインビー」(初代)と「A−JAX」の2枚の基板の修理をお願いする機会がありましたが、修理表を見て愕然!!合計4万円!!
…いまだに2mm程飛び出した目が元に戻ってくれません、合計2万円と鯖読んでいた館主は、その月一月の間水だけで過ごすハメになりました。(大袈裟)

でも、この業界全体で言えば、しっかりしている部類に入りますので、それは知っていて下さいね。(コナミファンの館主のひいき目フォロー)
その昔、「グラディウス」等で知られる「バブルシステム基板」、良く故障したものですが、壊れ易い「バブルメモリー」を「ROMボード」に交換してくれたり、状況によっては修理を無償対応したり、とても良心的でした。
通常メーカーと言うものは自社の初期設計コンセプトの不具合は徹底して隠そうとするものなのですが、(認めたら最後、無償修理を余儀無くされ、企業として非常な損失が発生しますから当然です。有名な家電メーカー○芝を見れば判りますね。)コナミさんの取った当時の対応、館主高く評価しています!
(またフォロー)

ところで、壊れ難い「ROMボード」版グラディウスが欲しくて、上記コナミさんのサービスを逆手に取って、わざと「バブルメモリー」を壊した心無い人間も一部いたそうですが、…嫌な世の中です。
申し上げておきますが、現在は「バブルメモリー」の故障は修理不能で(バブルメモリーメーカーは数年前に消滅。さすがにこれでは対応不能になりますね。)「ROMボード」についても既に在庫はありませんから、「壊すだけ損」です…。(^^;

−2002/2/11補足−
単純に磁気を飛ばしてしまっただけの場合、修理できた頃があった
そうです。今は既にこの対応すら終わっているようですが…

2.タイトー
タイトーさん、勿論基板修理のサポートはしています。タイトー基板マニアの方は一安心ですね…。
…でも、必ず修理を依頼する際には先に見積もりを取ってからにして下さいね。
下手すると「5万円」は掛かりますからね!!
(ひょっとすると業界一高値?)
tks−610さんも「ウオリアーブレード、修理するよりも買った方が安い」とカキコでおっしゃってましたが、本当なんですよ!(^^;
実はこれ、タイトーさんばかりを責める訳にはまいりません。実際解析と修理を担当するのエンジニアの「技術料」は結構するもので、逆に上で述べたコナミの例は、あくまで「サービス」と言う考え方で利益を考えない事から2万円で済んでいる、と言う考え方もありかと思います。

…でも、ひねくれた館主が素直に「そうですか」と納得するはずは無く、これって実は企業の常套手段、
「お断りの見積もり」
なのでは無いか、とついつい邪推してしまいます。
いやなに、どこの企業でもする事なのですが、取りたくない仕事は高い見積もりを提出して、暗に他社に仕事を取らせようとするのです。
(はっきりと「うちは対応しません!」と言ったら最後、その後の注文が来ない事さえありますから、それは決して言わないのが企業のお約束。)

どうも修理って面倒臭くって割が合わないようですねえ。(修理よりもまず先に不具合箇所を特定する「解析作業」の方が遥かに大変なのは事実です。)
あ、これ、タイトーさんだけの話ではありません。

3.ジャ○○(何故か伏せ字!)
ええと、基板の修理についてはここ最近、
「対応できる者がいないので、できません」
とのことです。…サポートはありません。(爆)…?、それでいいのですか!?
館主も以前、「破○」と言う基板の「ヒューズROM」なる部品を入手する為に直接交渉しましたが、…いまだに送られて来ないのはどうしてかしらん?…既にあきらめて他のルートから入手してますけど…。
ここってこんな企業体質のようです。(なんか以前よりサービス方面で良い評判聞かないですし…。)

ここで笑い話があります。
「お薦めの基板屋さん」コーナーでも紹介しているXXXさん(ご迷惑をお掛けする可能性があり、名前はUPしません。)では、良く基板の修理を都内等からも受け付けていますが、とあるジャ○○基板の修理が手に負えなくて、メーカー修理を依頼したまでは良かったのですが、…1年経っても音沙汰無し…。
そんなある日、ジャ○○さんからXXXさんに基板の修理依頼が来ました。(ゲームメーカーからの修理依頼も対応しているのです。(^^))届いた基板は、なんと1年前にXXXさんがジャ○○さんに修理に出していたものだった、と言うオチでした。(^^;
まるで伝書鳩のような基板ですね!!(^O^)(いや、そうじゃ無くて…)

ジャ○○さんの今後の体質改善、期待してます!(^^)

…そう言えば例の漫画家さん、ジャ○○側との内輪揉めで「もう続編は絶対にやらない!」と数年前とても怒っていらっしゃったのに、最近どうしちゃったのかしらん?「3」が出ちゃうんですけど…?(小声で読むように)

4.カプコン
カプコンさんに修理を依頼した事はありませんので詳細は判りません。
ただ、「CP2」の「いぢわる電池切れ」が近い将来、館内で集団発生する事必至であり、大変心が重い館主です…。(^^;;;
電池費用交換費がなんか1万円程から2万円程に値上がりしたようですけど、カプコンさん、これってやっぱり割が合わなくてお断りな訳でしょうか?(^O^)
(CP2は捨てに掛かっているのでしょうねえ…)

CPS2について言いたい事も山程ありますが、ここでは1点「CP3」の仕様について、問題を提起させて頂きます。(…ひねくれた館主ですんで、今回も視点を変えてみたりします。)f(^^;
ただ、館主CP3を所有していませんので、当然基板のスペックも知りませんから、以下で述べるのは、あくまで幾つかの項目を仮定した上での話でありますこと、知っていて下さいね。もし真実をご存じの方がいらっしゃったら、是非教えて下さい!

さて、ここからが本題です。今回のコンテンツで最も言いたかった事で、今までのお話は、実は「長い前振り」でしかありません。

−CP3の問題点について−

結論
CP3は初期設計不良を持った欠陥商品である可能性が極めて強い。

「CP3」、御存じ「ストリートファイターポリゴン」とか言う機種が遊べる、最新のシステム基板ですよね。
(館主この基板が出てからストIIシリーズのコレクション化の野望をあっさり捨てましたんで、以降の機種名全然知らないのです。いわゆる諸事情と言うやつです。いえいえ決して3Dポリゴン格闘技ゲーの後発亜流化しているだとか、ポリゴンの見栄えが土星機並みで愕然としただとか、カクカクのクーニャンなんか見たくも無いだとか、そんな根も葉も無い事を申し上げている訳ではありませんからね。)f(^^;

この基板、CDをドライバーにセットし、基板上のフラッシュROM内(以下FROM)にデータをダウンロードする事によって、次々と新しいゲームを遊べるようになる優れたシステム基板です。(注:「優れた」はあくまで地球に優しいと言う意味でです。)今のゲームセンターで現役バリバリに活躍中のシステム基板だったりします。

ところで、今までのゲームを消去して新しいゲームを入れるダウンロード作業の最中、または最悪電源を入れただけでシステムがイッちゃう不具合が良く報告されるようです。
(書き込みに数10分掛かるらしいですね。まあ要はCD-ROMからのシリアルデータをFROMへ転送していますので、こんなもんなのです。マニアにとっては面倒臭いだけですが…。)

この基板、NIFTYに行かれている方ならご存じでしょうが、「電源電圧が高いとシステムが死ぬ恐れがある。」と言う事で、なんでも5.4V以上の電圧でチップが破損すると言われているものです。(5.4Vって、もともと一般的な定格から外れてますんで常識的ではありませんね。どんな基板にもあてはまってしまう事なのですが…??)
オペレーターの苦労もさる事ながら、マニアも通電時にはなるべく駆動電圧を下げて立ち上げる工夫をして、事故を回避しているようです。
それでもシステムが死ぬ時には死ぬようで、「トラブルの可能性を低めている」と言った方が正解ですね。

とにかくシステムが死んだら最後、メーカー修理を依頼するしか手がありません。

なんでもFROM内にはコピー防止の為のセキュリティーデータも書かれているらしくて、これが書き換わってしまうとお終いのようです。(あくまで推測の域を出ません。)

これってオペレーターやマニアの間で、もう
かなり深刻なトラブル
として受け止められているようです。

ここで館主、以下2点の疑問が浮かびます。

1.システムがイッた時、本当に全ての場合で5.4V以上の高い電圧を掛けていたのでしょうか?
返ってその可能性は極めて低いと考えた方が自然ではないのでしょうか?

2.全ての場合マニュアルと異なったイレギュラーな手順を行った事によって発生しているトラブルなのでしょうか?
なんでも「レバーを入力したまま立ち上げると故障する」との報告もありますが、これってマニュアルにきちんと載っているのかしらん?
少なくとも私はこれはイレギュラーな部類には入らないと思います。そんな基板、今までに聞いた事がありません。

さて、以下の項目を大前提とした上で、館主なりの持論を申し上げたいと思います。
1.マニュアルには駆動電圧のスペックが明記されている。(5V±0.25V)
2.「なるべくぎりぎりに低い駆動電圧で立ち上げる事」とマニュアル中には注意書きが無いこと。
3.ダウンロードを含む、一連の手順をマニアがきちんと守っている事。

以上3点を前提として、それでもシステムの破損が発生したと仮定すると、以下の事が言えます。


1.マニュアル通りの手順、スペックを遵守している限りにおいて、ユーザーには
全く責任は無い。

2.電源立ち上げの際のレバー入力等の、あらゆるシツエーションを開発時にきちんと確認しておらず、信頼性評価が不十分であった、
カプコンに落ち度がある。

本来ハードウエアの設計は、あらゆる可能性を想定して、それによる不具合が発生しないような設計をするのが当たり前です。どうもゲーム業界はこの意識が全く無いようですね。

皆様考えて見て下さい、自家用車に搭載されているエアーバッグシステム、これの回路がいざと言う時に誤作動したらどうなりますでしょうか?
エアーバッグ回りのシステムって、機構的にも電気的にも何重にもトラブルを回避するよう、ありとあらゆる事を想定して徹底して動作確認が行われ、信頼性評価も十二分に行われているものです。
車用の電気回路はゲーム機のような「常に絶対的に安定した電源電圧が印加される」事を前提にしません。バッテリーとジェネレーターによる極めて不安定な電源供給を是として回路構築がされておりまして、外部情報を記憶するROMがノイズ等により絶対に誤書き込みされないよう、何重にも厳重なセキュリティーが構築されているのです。
最悪誤書き込みが発生しても(可能性はゼロではありません)それを検知してCPU内部のROMデータを外部ROMに再ロードして急場を凌ぐシステムもあったりします。
勿論、
「ユーザーがイレギュラーな車の使い方をしたから誤作動を起こした」
なんて、口が割けたって言えません。不具合が発生したら最後、カーメーカーの負けなのです。
車ではリコール騒ぎが良くあって、既に市場に出回った車について部品の交換が無償で行われる事は皆様ご存じですよね。

あくまでユーザーサービスを徹底して追求し、構築する回路のセキュリティシステムを考えるカーメーカー。
一方あくまで自社の利益のみ追求した、コピー防止に対するセキュリティシステムを考えるあまり、ユーザーが使ってどうなのかを全く考慮しなかったカプコン(ゲーム業界)。

…そんな事が極論として言えるのかもしれません。

ところで、もし本職のQA(品質管理職)の人間が実際にCP3を入手し、同様なトラブルが発生したと仮定すると、修理の際、以下のような送り状を故障基板に添付するはずです。
CP3を持たれている皆様で、もしトラブルが発生してしまったお気の毒な方に参考にして頂けましたら幸いです。

−送り状−(あくまで一例です。)
貴社マニュアルに従い、電源電圧を5.0Vである事を確認した上でダウンロード作業を実施しましたが、ダウンロード中不具合が発生し、2度と起動しなくなりました。
基板とCD−ROMドライバー等の外部機器とのコネクト状態は全て良好で、作業中振動等のイレギュラーな衝撃を与えたりもしませんでした。
CDにも読み込みを阻害するような異物の付着は認められませんでした。
また、オシロスコープにより電源電圧をダウンロード作業の20分間、モニタリングしておりましたが(添付プリントアウトデータ参照願います。)ノイズ等のイレギュラーな外乱は認められませんでした。
また、室内は25℃60%RHであり、静電気を逃がす為のアース線もGNDと約20Ωで接続されている事を確認しており、静電チェッカーによる確認でも作業場は最大数100V以下の帯電である事が判り、周囲の環境にも問題はありませんでした。
以上の事より、今回発生した不具合については弊社での取り扱いの不備は無い事を確認しております。
不具合について修理を依頼しますが、不具合は何が原因で発生していたのかコメントを返却時に頂けましたら幸いです。万一弊社側の落ち度による不具合が認められた場合、不具合再発防止の為の情報を頂きたい趣旨のものであり、宜しくお願い申し上げます。
尚、お手数ではありますが、修理完了後、貴社スペックである60℃高温での連続動作確認を6時間、念の為恒温槽にて実施して頂きたく、宜しくお願い申し上げます。

QC屋なら、こんな送り状を添付します、と言うことで…。

でも、もしこれに対して得られたのが
「セキュリティデータ破損に付き再ダウンロード、修理費用2万円也」
(全然回答になっていない…)
なんて書かれた修理表だけだったとしたら、皆様、更に「何故?何故?」と突っ込んでいきましょうね!!!
「なぜセキュリティーデータは破損したのですか?こちらの手順のどこに不手際があったのですか?」とどんどん騒ぎましょうね!(^O^)
そこから得られた答えに対してももっと「なぜなぜ」と問い正していきましょうね!
きっとカプコンも従来のように見て見ぬ振りはできなくなってくるかとは思うのですが。

カプコンさん、こういうのってコナミさんの「バブルシステム」の事例のように何らかの措置を早急に取るべきではありませんか?しかも無償は当たり前!!
漠然とユーザーから費用を取り続け、全ての責任をユーザーに押し付け続けているのはおかしくありませんか?


−あとがき−
さて今回は随分と辛口になってしまいましたね。(^^;
ただ、知って頂きたいのは、CP3にまつわるトラブルで、たくさんのオペレーターやマニアな方々が大変苦労されているのがなんともお気の毒で、ついつい言いたくなってしまったものであること、ご理解頂ければ幸いです。
皆様、「CP3だからトラブルは起きるもので仕方無い」では無いのです!!皆様に全く非が無い場合だってあるのです!!黙って修理費用を取られる必要など無いのです!!是非今度、上の送り状の例文を参考に、言うだけ言ってみてはいかがでしょうか。なに、言ってみるのはタダですって!!(^O^)
その昔、コナミさんは詳細を説明したら、無償対応してくれた事がありましたよ!

最後に、自分の落ち度で基板を破損させてしまった場合、それを隠してこんな送り状を出してはいけません。例えば本当に過電圧を掛けて壊してしまった場合、破損したIC等の電気部品を開封すれば、しっかりとスパーク痕等の証拠は残っていて直ぐにバレますからね!!(本当)
ユーザーサイドに責任があると判れば、メーカーは堂々と費用を請求してきますからね。
そんなあこぎな方はいらっしゃらないとは思いますが、一応念の為。(^^;

とにかく館主、CPS3については「市場ユースに耐えない不安定な基板で初期設計コンセプトにミスがあったのが原因」と思っています。
勿論、売って下さった基板屋さんのせいでもありません!!
カプコンさん、是非私に真実を教えて下さいませ。
                                文責:館主



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