-業界こいばな第6話-
最もデインジャラスな話


さて、今年に入ってからでしょうか、任○堂が某同人誌を「著作権侵害」の理由で
警察に通報し、発行者が逮捕された事件
がありましたね。
該当する同人誌は「某黄色電気鼠」をパロった内容でしたが、館主にもどのような
内容かは判りません。(大体察しは付きますが…)
当初任○堂からは、「当社のキャラクターのイメージを著しく損ねた」
とか言う声明も発表されておりましたが、こんな事件(マニアの逮捕劇)、
今までゲーム業界にはありませんでした。
実は館主、この事件を聞いた時にどうも引っ掛かるものが心中にありました。

…ついつい深読みしたくなる館主の事、色々と情報を取っている内に何となく
全貌が見えて来ましたので館主なりに考察させて頂きたいと思います。


さて、前振りはいい加減にして、早速本題に入りましょう。



−事件の概要−

これから書く事は一部に推測も交えておりますが、視点をちょっと変えてみると
以下に揚げたような今後の問題が発生し得ます事を皆様に伝えておきたいと思い
まして、敢えてUPしたいと思うものです。

もし外部から「もの言い」が付いてしまったら、即刻取り下げようと思っている
デインジャラスなコンテンツですので、皆様あまり口外しないで下さい。(^^;
なんせこの題材を取り上げていた某同人誌通販業者のHPが、最近になって
某クラッカーによる攻撃でホストの全データが壊滅している事実さえある程です。
(どこの策略でしょうね。館主が想像している事、流石にここでは書けませぬ。)

そう、結論から言ってしまえば今回の事件は、例の「黄色い電気鼠」のお陰で
救われた、昔は国民的ゲーム機を発売していたメーカー任○堂が、自社の利益を
保護する目的で起こした行動です。(別に言わなくても判りますか。(^^;)

「子供の夢を汚す行為が許されない」として全く損得抜きに行動を起こす義挟心
がある「慈善団体」的な企業だとは決して思えない、ひねくれた館主だったり
します。

しかしながら、あらかじめ言っておきますが、これは「企業」として見れば当然の
行為
で、法的に沿ったものである以上、何ら悪い事では無いでしょう。

それでも、以下数点の疑問等が浮かんで来ます。

1.何故いきなり「逮捕」なのでしょう?

 このような場合まず事前に警告と共に販売停止の呼び掛けがあるのが普通では
 ないでしょうか?
 まだ裁判は継続されているか館主には判りませんが、コ○ミが訴えを起こした
 某業者による「と○メモアダルトコミック」の件でさえ、逮捕劇は無かったはず
 です。
 ましてや、今回は営利目的の薄いコミケでの同人活動であって、非常に小さい
 サークルの活動
だったのです。
 問題の同人誌は900部程刷られていたそうですが、業者の宣伝を伴う数万部
 以上出版される、あくまで営利が目的の商業誌と同一視するのは少々無理が
 あると思います。

 多分にこれは、任○堂の「うちはもうピ○○ュウしか(国内での儲け口が)
 無いんどすえ、変なものでイメージを崩されて商売に影響する恐れのあるものは
 潰しておかないとあきまへんなあ。」と言った主訳が絡んでおりまして、
 自社利益保護の為に「おどし」を含ませて強行手段に出たものと推測できます。

 なにせ今食いぶちが「ピ○○ュウ」しか無いのです。
 新しくブレイクダウンさせるアイデアが他に無いのです。企業存続を掛けて
 もうかなり神経を尖らせている事情があるのではないでしょうか?

2.何故、九州の弱小同人サークルがターゲットだったの
 でしょう?

 このサークルよりもっと大きく、大々的にグッズ等まで販売を扱っているサークル
 は都内等、いくらでもあります。そのようなサークルには触れる事無くいきなり
 地方の1弱小サークルをターゲットにしているのが今回の事件の特徴です。
 事件は、マスコミにも大きく取り上げられまして、かなりの数の他の大規模な
 サークルにも充分過ぎる衝撃を与える効果があったようで、これが任○堂の
 目論見だったのかも知れません。

 …いや、任○堂は、まさか「ここまで事態が大事になるとは想像していなかった」
 とする節も充分有りかとも思えます。
 (だとしたら、今回の処置はかなり軽率であったと言わざるを得ません。)
 何故ならばこの事件の後の任○堂からの正式コメントが何故かなかなか発表
 されず、歯切れが悪い上に内容も一部の事実を曲げてまで、かたくなに
 「著作件侵害」と「法」を盾にしているばかりで、それ以上の事は
 言わないのです…。

3.逮捕されたのはどのような人物なのでしょう。 

 今回逮捕されたのは九州の若い女性です。趣味が高じ同人誌に手を染める
 までに至った方のようです。
 当然、前科がある訳ではありません。ごく普通の方のようです。

4.逮捕された方から今回の事件を見たらどうでしょう。
(本人のコメントを少し崩し、かいつまんで流用させて頂きます。)

 ある日突然自分のマンションに警察が来て、「逮捕状」。
 何が何やら判らない内に手錠をはめられ、護送される事になりました。
 部屋の中のものは全て証拠物件として押収され、プライバシーもズタズタ
 です。
 拘留中、周囲は本当に恐い犯罪者ばかりで、その心細さと言ったらありま
 せんでした。
 約2週間の昼夜の取り調べが終わり、ヘトヘトになって自分のマンションに
 戻ってみると家主からは退去命令が出ており、当然ですが職も失う事に
 なりました。
 引っ越しや、未払いの諸費用等で、あれよあれよと言う間に蓄えは無くなり
 気が付いたら借金が100万円まで膨らんでおりました。

 もう、自分でもどうしていいのか判らず、現在では放心状態で、何も手に
 付きません。
 マスコミからは事実と異なる事を報道され、任○堂も事実と異なるを言って
 いるし、
一体どうしてこんな事になるのでしょうか?

 …本人の悲惨な状況、少しでも汲み取って頂ければ幸いです。

5.逮捕された女性は何が「事実と異なる」と言うので
 しょう?

 細かい部分は色々とあるようですが、一つ揚げれば、任○堂に対し某団体が
 今回の逮捕劇に付いてのコメントを再三要求し、やっと得られた答えは

 「通常、同人誌は、会場での『手渡し』による販売がメインであるが、
 今回の件は全国を対象にした通信販売のみの悪質なものである。
 当社は事実関係を確認した上で告知したもの。」

 と言うものでした。

 しかしながら、実際には、確かに通販分もありましたが、コミケ会場での
 手渡しによる販売が行われていたのもまた本当のようです
 他のサークルとの、あくまで比較論で言えば、決っして抜きん出て悪質と言う訳
 ではありません。逮捕された方を弁護するつもりなどはありませんが、
 逮捕された本人の言い分が本当であれば、任○堂の言っている事は
 「事実誤認」と言う事になるでしょう。
 
6.どのようにして任○堂は、問題の同人誌の存在を知ったの
 でしょうか?

 某一人の人物(マニア?不明。)から「おたくのゲームをこのように扱っている
 同人誌がある。」と任○堂にタレ込みが入った事がきっかけのようです。
 (こういう正義面ぶった人間の存在…嫌な世の中ですね。)
 連絡を受けた任○堂は事実を確かめる為、実際に同人誌を入手したようです。


−館主の、今回の事件に対する主観−

 ここではこれ以上の詳細をUPする事は避けますが、個人的には現在の
 任○堂の現在の心中は以下の通りなのでは?と推測しています。

 「たった一つ残った自社のドル箱キャラクターを守りたい為に、つい目先しか
 見ずに強行な策を取ったが、少し軽率であった。かなりに事件が大きな話題と
 なってしまい、却って『やり過ぎでは』とマスコミ等に叩かれるのは絶対にまずい
 のでひたすら口をつぐんで法を盾にしてほとぼりが冷めるまでやり過ごそう。」

 さて当たっているでしょうかね?館主の推測。(笑)

−メーカーの著作権主張による、今後のゲーム業界の危機−

大昔は「パックマン」事件なんてありましたね。「無断でキャラクターを使用する
のは違法
」と判決が出ていますが、しかしこれは「営利目的」に限った話です。
ここでは今回の事件がどう「業界の危機」と結び付くのか、「と○メモ」を例に
揚げてお話します。

コミケと言えばマニア同士の交流の場で、却って自社のゲーム等をマニア間で
広めて貰えると言うゲームメーカーに取っては実に都合のよいものであった
はずです。

コ○ミも昔はコミケ会場で、「と○メモ」を扱ったサークルを回って「うちのゲーム
を取り上げて頂き、ありがとうございました
」と丁寧にお礼を言って歩いたそうです
が、今では任○堂同様、おいしい食いぶちが「と○メモ」しか無くいつまでも
「茹で蛙状態」が続いており、自社ドル箱を守る為に態度を180度転換した
ようですね。

現在のコミケ参りの目的は全くの別ものになっており、「と○メモ」が無断使用
されていないか目を光らるようになったと聞きます。

茹で蛙」は、水に付けたままの蛙を鍋ごと火にくべると、蛙はお湯の中が
心地良いらしく、いつまでもずるずると漬かり続け体がピンク色になるまで漬かり
気が付くとすっかりお湯が沸いていて体が言う事を利かなくなっておりそのまま
茹で上がって死んでしまう、なんとも愚かな習性の事ですが、
「と○メモ」にいつまでもすがり付いてそこから脱し切れなくなっているけれども
周囲のマニアは冷め続けている状態に気付かない事コ○ミがこれに例えられます
でしょう。

流石に一般マニアを巻き込んで逮捕劇まで起こす程軽率なメーカーでは
ありませんが、やはりかなり食いぶちである「と○メモ」には神経を尖らせて
いるようです。
(最近音楽ものが人気を拍し、もう1本一時的な柱ができたと思っていたら、
先日のあのジャ○コ問題になりましたね。以前のカプコンとDECOみたいに
うまく収まってくれます事をお祈り申し上げておきましょう。)

しかしながら「と○メモ」って、元々はマニアからブレイクダウンしたものです。
この名前を知らないマニアはいないかと思いますが、実際に一般大衆的に見れば
まだまだ社会的に認知されたものではありません。
(そう思わない方は、既にマニアであるご自分に気付かれていないだけです。大体
こんな場末の小HPにまで訪れる位の方なのです…。(^^;)
と○メモはネット上でもNIFTY特設会議室までできた程のマニアの盛り上がり
ぶりで、如何に会議室を盛り上げ続けるか、どうすればと○メモの素晴しさを理解
してもらえるか、先人達の苦労がかなりあったとも聞きます。

ご存じの通り、「と○メモ」は一般大衆老若男女全てを対象にしたゲームでは
ありません、あくまでマニア層を中心に大成功を収めたゲームだと思います。

ここで問題となるのは今後のコ○ミです。
自社利益柱「と○メモ」関係を厳しく規制した事が却って仇となってくるのです。
なんでもコ○ミがコミケに持ち込んだ純正イラスト集でしょうか、目の肥えた
マニアには全く見向きもされず全然売れなかった事もあったそうですが、
あまりに締め付けを厳しくしたおかげでコ○ミは

「コミケ」及び「インターネット」と言う、2大メディア
でのマニアによるコ○ミブランドのゲームのブレイクダウンの機会を
今後失ってしまったのです。

マニアが大切なお客様だったはずが、自社の保護の為にそのお客様をすっかり
敵に回している、なんとも皮肉な話です。

例えば話を変えて、「と○メモ」の流れを汲む「み○めてナイト」、館主が今更
言うまでもありませんが、「傑作」の部類に入る素晴しいゲームです。
しかしながら、なぜか殆どブレイクダウンしませんでした。

市場はすっかり雨後のタケノコの様に「ギャルゲー」が粗製乱造されて荒れ切って
いるとは言え、それを引き算してもパッとしません。
試しにネット上を検索してみると「み○K」を扱っているHPが殆ど無ありません。
勿論ゲームに触れてたくなる気を起こすようなキャラ萌えCGなども一切ありま
せん。コミケの方は館主判りませんが、やはり同様にお寒い状態だったのでは
ないでしょうか。
これはコ○ミの皮肉な企業努力の表れで、マニア達も今ではすっかり警戒心を
持つようになった、と言う事なのでしょう。

勿論法的にはコ○ミは何も悪い事などしておりませんが、ただ、
「目先の利益にこだわり、自分の首をジワジワと締め続けている事に気付いて
いない。」とだけは館主言わせて頂きます。

しかし、館主敢えて突っ込ませて頂ければ、「パロディ」ものまで含めて
「著作権」を振りかざしきれるのでしょうか…?いささか疑問です。
そう言えばその昔、
「歌うインベーダー」作ったのはどこのメーカーでしたっけ?(笑)

−まとめ−

私の大好きな某ゲームメーカーの社長が昔おっしゃっていた事をUP致します。

「遊び方にパテントは無い!そんな考えは捨てて明日のゲーム
 業界を考えてソフトは互いに公開し合うべきである!」
(文章はかなり圧縮してます。(^^;)

なんて素晴しい意見でしょう!館主、この自社のみの利益にこだわらな、業界の
明日を真剣に考えるそのカリスマ的な志し高い姿勢、いまだに尊敬しております。
(どこのメーカーの社長だったかは館主忘れてしまいました。)
どなたかご存じの方は教えて頂けませんでしょうか?
今回上で取り上げた任○堂様にも聞かせてあげたいものです。

… …嫌味が過ぎましたね。(笑)

そうそう、つい「イソップ物語」の一節を思い出してしまいました。
以下のお話を持ちまして今回の業界こいばなのまとめにしたいと思います。

ある日、砂漠の炎天下を延々と歩き続けて、暑さで死にかけている男がいました。
ふと男が向こうを見ると大きな樹が生えています、早速そこに飛び込んで、
なんとか男は命拾いをする事ができました。
暫くして男の汗も落ち着いた頃、男はふと樹を見ながらこう言いました。
「この樹の枝葉は随分伸び過ぎて邪魔だから、切らないといけないなあ。」
…すると、それを聞いていた樹はこう言いました。
「ふん、恩知らず。汗が引いたとたんに私を邪魔者扱いする。自分の命を助けて
貰った事をすっかり忘れて!!」

これを読んだN社やK社は一体どう感じるものでしょうかね。


−編集後記−

ええと、今回はかなりの辛口でしたが、皆様ご存じかと思いますが、
上記の任○堂、コ○ミに付いては館主今でも大好きな「ゲーム」メーカーです。
(今までの企業方針に対する意見とは別にしてです。)

最近、いつまでも1本の柱にすがり付いて、それを守るのにかなりのパワーを
割いてしまっている、そんな姿勢に危機を感じ、敢えて苦言させて頂きました。
それだけのパワーがあるなら、それをもっと新アイデア方面に掛けて行くべき
ではないでしょうかと思ってみたりもします。

得にコ○ミさん、と○メモグッズで「セーラー服」や「体操着」は無いでしょう!
館主、グッズまみれな一と○メモフリークとしても、あのブルセラショップの真似事
だけはどうにも我慢できません!!(怒)

それから、今後館主がこのHPで任○堂のゲームを紹介する事はありません。
やはり、いきなりの逮捕は困ります。
「!?、営利目的の無い、こんな弱小HPでの好意的なゲームレビューが逮捕に
繋がるものか?」と首を傾げて笑われる方もいるでしょう。
ですが、もう一度言いますが、

現段階での任○堂は、本来問題とするはずであった「キャラクターのイメージを
損なわれ、自社の利益を損なう恐れがあった」事を既に全く論点にしておらず、
あくまで「自社の著作物を無断で使用した行為が違法」と主張しているのです。

「キャラクターのイメージ」を論拠が既に二次的になっている以上、任○堂のキャラ
クターを無断で扱った場合「これはパロディである。」と主張できる知恵を持たない
場合、今回できてしまった「嫌な前例」から「いきなり逮捕」が再発する可能性が
充分に考えられるのです。(ましてや実際の画像だなんて恐くて使えません。)
皆様も再考されますよう。

「パロディ」か「著作権侵害」か、なかなかこれの線引きが難しいものがありますが
そう言えば最近あちこちの肌色CG系HPでも次々と「か○み」のCGが消えて
ますね。
CG系なHPオーナーは皆他人事では無くなってきていると感じているのでは
ないでしょうか。

いやはや皆様、大変な長文でごめんなさい!m(_ _)m

                             文責:館主



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