レビュー第11回

とべ!ポリスターズ
(CopyRight:Konami)

-とても心地良い空中浮遊感-

さてさて、前回UPしたこいばな第13話は館主の趣味まる出しでアレでしたので、
またいつもの路線に戻します。(^^;

このゲーム、1997年にお目見えした3Dポリゴンシューティングゲームです。
1997年と言えば前年のレイストームあたりからゲーセンのゲームもコンシュマー
宜しくいい加減ポリゴンポリゴンしまくってた時期でしょう。

麻雀ゲームまでこの波が押し寄せていて、ア○スinサイバー○ンドのラスボス以上
の悲惨でダメでカスなのたくるオブジェなポリゴンギャル
を見てしまった途端
館主生まれて始めてギャルゲーから目を背けてしまった、
あの○○−○システム基板の機種っていったい(以下略)

と言う事で、 このゲーム、実は館主が久々にその演出の巧みさに
思わず体が痺れたゲームでした。
ゲームとしては、普通な3Dシューティングで、雨後の筍の様に乱造されたポリゴン
ゲーの中に埋もれてしまった感はいなめませんが、1ゲームとして良く見てみれば
コナミの演出のセンスの良さが随所に光っている機種なのです。
もしまだどこかのゲーセンで稼動していたら、是非1コイン入れてやって下さい
ませ!コインの価値は充分にありますよ!!(^^)

                  館主基板推薦度:☆☆☆☆
              (どこででもお安く入手可能で、日本中どこの家庭の
               お茶の間にでもころがっていそうな基板です。)
   

CopyRight:Konami
コミカルで楽しいデモが入ります。ほのぼのしててベリーグー!!
「3Dおもちゃ箱シューティングゲーム」のコピーがまさにぴったり。



−シンプルで判り易いパワーアップシステム−

このゲームやはり今風のシューティング宜しくパワーアップなるものが存在します。
時々パワーアップアイテムを持ったキャラが出現して、それを倒せばアイテムが
出現します。
又、うっかりミスしても自機からこぼれ落ちたアイテムが即回収できるので
復活がとても容易です。(左下画象)

アイテムはショット系で「3WAY」「バルカン」「オートエイミング」の3種類
があり、アイテムを取る事により2段階までパワーアップできます。
(右下の画像は「3WAY」が2段階目にパワーアップしたものです。)
ミサイル系(地上攻撃)は取り続ける事により、5連射まで可能になります。
又ゲーム開始時に「SHOT&ミサイル」を2ボタンで別々に操作するか、1ボタン
だけで同時発射するか好みにより設定が可能で、とても親切設計です。

まあ、平たく言えば、「3D版パワーアップタイプのスクランブル」と言でもえば、
分かる方には分かるかも知れません。(^^;
とにかくシステムには複雑な所が無く、家庭用シューティングゲームとして直ぐに
でも通用しそうな位なシステムです。
…ハチャメチャファイターの判り易さには到底及びませんですが。(笑)

   

CopyRight:Konami(上の2画像)
パワーアップした時のショットはなかなか爽快です。


−各面ごとに変わる世界観の楽しさ−

さてこのゲーム、全7面で構成されておりますが、(1周でエンド)各面の世界観が
がらり変わって行く事もあって、ついつい次の面が見たくなる不思議な魅力があり
ます。
難易度はそう高く無く、敵弾も早く飛んで来ない事からボス戦以外は結構サクサク
進めまして、万一ゲームオーバーになってもコンティニューがありますので、
社会人ゲーマーであれば「マネーパワークリア」の実力行使も可能です。

また2人同時プレー(1P名「ポリィ」、2P名「スタン」)も可能ですので、ゲーム
仲間と一緒にトリップするのもまたオツかも知れません。(^^)

以下に各面を簡単に紹介させて頂きます。各面の雰囲気が変わって行き、
その意外性がなかなか粋である事を感じ取って頂ければ幸いです。

・1面,2面

左下が1面の画像です。1面はちょい地味目ですが、それでもカラフルな欧州の
下町風な町並みがお洒落でして、このゲームの方向性が直ぐに判ると言うもの
です。
右下が2面、1面では地上を這っていたミサイルが、2面では魚雷になって海中を
進んで行くのは芸が細かいところです。遠くに霞が掛かった様が良い雰囲気です。

   

CopyRight:Konami(上の2画像)

・3面,5面

左下は3面中盤、溶岩が吹き出る中を進むポリィです。ボコボコと吹き出す様を
動画でお見せできないのが残念です。
右下は5面、パステルでトロピカルな島々が界下に見えて、本当に高い所を
飛行している感じがします。
この世界観はツインビーな香りがとてもして、コナミの味が良く出ている面
と言って良いでしょう。

   

CopyRight:Konami(上の2画像)

・6面,7面

左下が6面、今度は暗い洞窟ばりな遺跡の世界です。ポリィのグリーンのライトが
点灯している様がなかなかきれいで、このように自機の演出をさりげなく味付け
されているのが細かくて憎いところでしょう。
右下は最終面の7面。雲の切れ目から見える遥か界下に広がる町並み、空中に
浮かぶ都市、…ついついトリップしてしまいます。
この面は最終面とは言いながらエイミングを取ってしまえば勝ち!」な面で
難易度も低い事から、高い所を飛んでいる爽快感を充分に満喫できます。

   

             CopyRight:Konami(上の2画像)


・各面のボスに付いて

各面の最後に控えているボスキャラは、結構攻撃がトリッキーで意地悪かも
知れません。(パターン性が強いので覚えてしまえばそれ程でもありません。)
ボスは非常にでかい図体で画面内いっぱいをグリグリ動きまくるので、
結構緊張感があって面白いですよ。(^^)
左下は2面ボス。足を振り上げて攻撃して来るのでちょっとビビります。(^^;
右下は最終面、ラス前のボス。竜巻きの中から現れて、…
…なんかこの演出、某
「飛行石なアニメ」
の終盤にとってもとっても良く似ているような気もするのですが…、
…いやいやきっとまたいつもの気のせいですよね。(^^;

   

             Copiright:Konami(上の2画像)


・館主が痺れたゲームの演出!

お気付きかと思いますが、上での面紹介で4面だけを紹介していませんでした。
実は4面こそ、このゲームの真骨頂なのです。

左下の画像は4面中盤のものですが、中盤
某ダブルクレイドルなゲームの地上破壊ステージのパクリ
が一部あるのは完全に目をつむる事として、とにかく狭い渓谷の間を右に左に
飛び回り、急に視界が開けて来たりするのが何とも素晴らしい演出で、
館主ひたすら感激しまくりでした。本当に飛んでいる様子をお伝えできないのが
残念です。
(IIになってダブルクレイドルは無くなったのでしたっけ?)
↑いや、実際あったそうです。(2002/2/11追記)

右下の画像は4面ボスに辿り着く直前、突然ふわっと浮き上がって渓谷を渡る
場面ですが、この演出の旨さに脱帽。館主、久々に痺れさせて頂きました。
霞が掛かっている渓谷から抜け出し隣の渓谷に移動する瞬間の、浮遊感の何とも
快感なこと!普通でしたらこんな意味の無い演出など止め、トラップの一つでも
組んで1コイン余計にむしり取ってやろうかと企画でもしそうなものですが、
まるでコンシュマー向けの移植を前提に作ったかのようです。

   

CopyRight:Konami(上の2画像)



−あとがき(館主談)−

このゲームの基板、実はROMメディアとしてCDを使用しています。
面の変わり目、簡単なビジュアルCGが表示されている間にCD−ROMドライバー
がデータの裏読みをしておりまして、いくらボタンを押してもビジュアルがスキップ
できなかったりてイライラします。(^^;

メディアにCDを使い、まるでコンシュマー向けなゲームの作り…
ははは、皆様も読めましたね。
新しいコンシュマーゲーム機が発表されると意欲的に参入を表明するコナミの
企業姿勢、そして1997年の発売時期。
…そして何よりも決定的なのは、この基板の立ち上げ時にモニターに映し出される
「OS:MATUSHITA KOTOBUKI」
の文字。

…どうやらこの基板、M2アクセラレータ互換基板であったようです。
もし松下電機から発表されていたこの「M2アクセラレータ」(「3DOリアルと
言う、今ではすっかり絶滅したマルチメディアマシーン」の後継機種に相当。)が
世に出ていたら、誰でもがこのゲームをお茶の間でプレーできたのですね…。
トヨタの車を購入すれば、車内でも遊べるはずだったのですね…。
松下さん、諦めずに再参入しないかしらん。某社となんか手を組まずに、ね。

マルチメディアマシーン」と言う用語を敢えて使用したのは、あくまで松下さん
自身が使われていた言葉をそのままお伝えしたい趣旨のものであって、全く悪意
はございません。皆さん、決して「ゲーム機」だなどと言ってはいけません。
松下さんに対し、大変失礼ですからね! 事実、ゲームではないソフトが沢山出て
いましたからね!


 … … と言うことで … …
                                 by:館主



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