レビュー第8回

悪魔城ドラキュラ
(CopyRight:Konami)

伝説が再び血で染まる。
     

さて、前回はちょいとアレでしたので、今回は厳粛に行きたいと思います。(^^;
このゲーム、ゲームセンターにお目見えしたのはもう10年以上も前、1988年の
事です。何故タイトルが「再び」なのでしょうか?それはゲームセンターにお目見え
する2年前、1986年にファミコンのディスクシステムで既に同名のゲームが出て
いたからです。初代ディスクシステム版は重厚な世界感と実に良く練られたゲーム
性、FM音源で奏でられるコナミお家芸のVGM等々から、いまだプレーして面白さ
が色褪せない、文句無し「傑作アクションゲーム」に殿堂入りしているゲームです。
しかしアーケード版だって負けてはいません、重厚な世界感が更にパワーアップ
しているこのゲームに付いて、早速紹介して参りましょう!!

                       館主基板推薦度:☆☆
                      (超レア、入手は諦めた方が…)

-1999年 5月13日注釈追加-
NightStrikerさんより「1996年にMSX版が出ている」と情報を
頂きました!うっかりしていて申し訳ありません!!サブタイトルは「再び」なの
ですが、厳密には「3たび」ですね。MSXファンの方々ごめんなさい!!
  

   

CopyRight:Konami
ゲームスタートするといきなり結婚式の最中、ドラキュラに
フィアンセがさらわれてしまうビジュアルが流れ出します。
    



−ゲームストーリー−

 フィアンセをさらわれたクリストファー・
 ベルモンド、ドラキュラ城に乗り込み彼女を
 救うべく道中(城内)の怪物共を倒し、最終
 ボスドラキュラを討ち取りに出掛ける事に。
 目的は勿論フィアンセの奪回。
 人間の邪悪な祈りにより、魔王ドラキュラは
 百年に一度、キリストの力が弱まる頃に復活
 すると言う…。暗黒の雲で覆われてしまった
 世界を救うのだ、英雄ベルモンド!

     CopyRight:Konami


−ゲームシステム−

 ゲームの内容はライフ性の横スクロールタイプ
 アクションゲームです。操作は4方向レバーに
 2ボタンで、武器とジャンプで敵を倒しながら
 前に進みます。特定のキャラを倒せば出現
 する特殊アイテムは上方向レバー+1ボタンで
 使います。敵の中にはハートのアイテムを持つ
 ものもおり、特殊武器の使用回数や次の面に
 行く際のライフ復活に当てられる事から、
 クリアには欠かせない貴重なものもあります。 

     CopyRight:Konami


−パワーアップアイテム− 

 武器は、初期は「鞭」、そして敵を倒して得る
 事ができる「鉄球」「剣」があり、後のもの程
 攻撃力が増します。
 特殊アイテムは「タイマツ」「ダイナマイト」
 「ブーメラン」「タイマー」「十字架」があり
 特に「タイマー」の効果は抜群で、これを得ら
 れれば各面のボスキャラでさえ動きを止め、左
 の画像のように「でくの棒」化させる事が可能
 で、クリアがとても楽になります。 

     CopyRight:Konami


−ゲーム世界感− 

 世界感は実に重厚です。全面共通して漂う暗い
 雰囲気は絶品で魔王ドラキュラの影がひしひし
 と伝わって来ます。
 左の画面は2面冒頭のものですが、朧げに遠く
 に見えるドラキュラ城、いやがおうにも陰鬱で
 救い難い雰囲気が伝わってきますね。
 VGMも又実に良くマッチしておりプレイヤー
 の心臓の鼓動を早めるのに一役買っています。

     CopyRight:Konami


−美しいCG−

 重厚で暗い雰囲気から、一見すると地味なCG
 ばかりと受け取られますが、所々はっと
 するようなCGも存在します。左の画面、実際
 の美しさはご覧になって頂かないと判りづらい
 かと思いますが、背景の色が変化して行く様は
 ついつい見とれてしまう程です。
 CPUにZ80を使用している様ですが、FM
 音源を制御する為のものかも知れず、よく判り
 ませんでした、申し訳ありません。(T_T)

     CopyRight:Konami 


-素晴しい演出-

 左の画像は3面途中のものですが、館の壁
 には色々と絵画が飾られています。その中で
 一層大きな女性の顔の絵から、するすると
 血の涙が流れ落ちて来るのです。
 どきどきするようなゲーム世界感の中、この
 演出の素晴しさには体が痺れてしまいます。
 その他城中に入る時に城壁から掛かる桟橋の
 演出等随所に凝った演出もあり、どっぷりと
 ゲームの世界観にはまり込ませられます。

     CopyRight:Konami


−あとがき−

下の画像は館主が最も好きなラスボス、ドラキュラの本間に行く途中の石橋の
シーンです。
長い石橋が刻一刻と後から崩れ落ちてきて、早く歩かないと自分も落ちてしまうの
ですが、前からは実に微妙な高さでコウモリが飛んで来て、そう簡単に事は運びま
せん。こんなうまい演出があって見事にゲームとして消化させているところにコナミ
の底力を感じてしまいます。
それにしてもこの面のVGM、実にかっこ良過ぎです。もしCDを見つけたら、入手
しても決して損する事はありません。館主超お気に入りの1曲です!
 

CopyRight:Konami
   

このゲーム、実はクリアまで20分程のゲームで、難易度もさほど難しくはありま
せん。パターンを覚えてしまえば楽に1コインクリアが可能です。(「タイマー」を
取ったら勝ち!のゲームです。)
実は2周目も存在するゲームなのですが、2周目からはコウモリの飛び方が非常
に大きい高低差が付いている等、随分と難易度もあがります。
(何故か途中から強い武器が剥奪されてパワーダウンしますし…。)
下の画像はラスボスドラキュラとの対決シーンですが、倒した瞬間燃え出す様は
迫力満点ですね。

CopyRight:Konami
燃え出すドラキュラ伯。しかし…。     
その後の結末、館主教える訳には参りません。
    

それにしてもドラキュラシリーズ、人気があり随分とコンシュマーに出ていますね。
「ぼくどらきゅらくん」(ファミコン)もシリーズものに加えてPCエンジン版
では10作目の意味で「悪魔城ドラキュラX」になったことも知られています。
しかしながらアーケード版はこれ1機種のみ!続編、ゲームセンターにお目見え
しないでしょうかねえ…。

最後にPCエンジン版での面途中、ビジュアルシーンでの主人公リヒターとマリアの
会話の一節をUPして締めくくらせて頂きます。

 マリア :「私も退治に行くぅ!!」
 リヒター:「はっはっは、悪者退治は、このおにいちゃんに任せておきな!」
 マリア :「ぶうー!」…
 (ふくれっつらの12才の女の娘、当時のエンジンユーザー受け間違い無しの…)

 … … … 寒いです、コナミさん。(^^; …まあドラキュラの世界感を
 ぶち壊して欲しくないなあと敢えてファンとして苦言させて頂きますね。
 
                                 by館主  



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