-家庭用テレビでのトラブル例-

さて、基板を始めるに当たってなかなか高価なのが業務用モニター。
中古で求めるとしても
5千円〜数万円の出費は痛い!
コントロールボックスさえ入手できればビデオ端子やS端子の出力が付いている
ので、取り敢えずはお家のテレビに繋ぐ事ができるのですが…
実は思わぬトラブルが起きる場合もたまにあるのです。

元々基板は業務用モニターに映ることを前提にして作られております。
例えば業務用モニターには「同期信号」「画面の幅」「画面の位置」「色合い」
等の様々な調整がボリューム等で可能になっています。
ところが最近の家庭用テレビは殆どが上記の設定を自動調整してしまう為に、
調整の許容幅を越えた仕様の信号が入って来ると対応し切れずに画面が正常に
映らなくなることがあります。
基板から出力されるビデオ信号は結構ゲームメーカーによってバラツキがあって
テレビ入力側も同様なのですから、もう相性の問題なのです。

それでは、トラブル例を紹介致します。尚、このトラブルが発生しても、折角
買った
基板やコントロールボックスが壊れるわけではありませんからご安心を!



その1.画面が横に映る。

 左の画面に示す通りの現象です。(既に基板
 を遊んでいる方は笑ってはいけません。)
 これは故障では無く、もともとモニターを
 縦にする仕様のゲームなのです。
 最近は家庭用ゲーム機への移植で
 「アーケードモード(縦画面モード)」
 の設定ができるものもありますね。
 しかあし!家庭用のテレビを本当に縦に
 するのは個人の自由として、
 テレビを壊す恐れがある
 ので館主はお薦めできません!!

   Copuright: TOAPLAN



その2.画面がひっくり返っている。

 左の画面に示す通りです。これは上で
 述べた現象と同じです。
 最近の基板は画面を反転させるスイッチ等
 が付いているので何も問題はありませんが
 昔のゲームでは一部反転ができないものも
 あるのです。(勿論業務用モニターでは
 モニター側での切り替えが可能です。)

   CopyRight: サンリツ電気



その3.画面が流れて止まらない。

 ゲームの画面が常時上から下に流れる
 ようにスクロールしまう現象です。
 点数表示も延々上から下に移動することを
 繰り返していますから、自分の得点を確認
 するのにも目が疲れますね。
 (だからゲームにならないって…)
 これは同期信号の相性の問題です。もし、
 同期信号がマニュアルで調整できるテレビ
 なら、問題は解決しますが…。

    CopyRight: CAPCOM



その4.画面が縞模様にしかならない。

 画面が縞模様になっている。これは同期
 信号の周波数が家庭用のテレビが15kHzで
 あるのに対し、24kHz仕様の基板であるが
 為に起こる事です。(もし24KHz対応の
 パソコンモニターをお持ちでしたら
 解決する可能性は高いです。)
 最近は31kHz仕様の基板も出ていますから
 基板購入の際にはきちんと仕様を確認しま
 しょう。(でも、99%の確率で基板は
 15kHz対応です。)
 ちなみに左の画面はSEGAクラックダウン
 を15KHzで映したものです。(笑)

    CopyRight: SEGA



その5.画面の一部が乱れる。

 画面の一部(左の例では画面上端)が
 乱れる現象です。これも基板が壊れている
 訳では無く基板のビデオ信号とテレビの
 相性が悪い場合に起こります。(SONY
 のテレビはいいけれど東芝のテレビはダメ
 とか、ほんと相性ですねえ…)
 間違えてもテレビを作っている家電メーカー
 にクレームを付けてはいけません!
 まさか信号の仕様がまちまちな業務用
 基板を接続することまで家電メーカーは
 考えていませんからね!

    CopyRight: I'MAX



その6.画面が白黒になる。

 画面に色が付きません。これは基板からの
 同期信号等が微妙に外れ、起きてしまう
 現象です。
 過去「メルヘンメイズが白黒になる」例を
 聞いたことがありますが、館主のように、
 わざわざゲーム画面をビデオテープで収録
 しようとして、映した画像を見たらこう
 なっていた情けない例もあります。(T_T)
 (実は、ビデオデッキの信号のズレに対する
 許容幅は、テレビ以上にシビアなのです。)

 

     CopyRight: NMK



その7.ビデオ信号とRGB信号の画質に付いて。(余談)

余談ですが、「RGB信号」って何?と言う方もいらっしゃいます。これは
「R」(赤)「G」(緑)「B」(青)の光の3原色を意味しているもので、
「RGB信号」と言えば、各々の色の信号線が独立していることを指します。
「家庭用テレビのビデオ端子は1本だぞ!」と言ったあなたは鋭い!
これは、実はRGBの3信号を回路で混合して1信号にしているものなのです。
ビデオ信号を受けたテレビ側では回路で各々RGBの3信号に分離させてから
ブラウン管に送っているのです。
「混合」「分離」を回路で行いますと、回路を通る分だけノイズ等が乗りますので
信号の形態によって画質に差が出てきます。

画質がきれいな順に信号の形態を並べると、

RGB端子入力>D端子入力>S端子入力>ビデオ端子入力>RF入力
          

となります。(左に行く程きれい)

*−2005年9月19日補足−
D端子入力は映像信号を輝度信号,2色度信号の計3つに独立分離させた
もので、形状は違えどAV機器の「コンポーネント端子」と同じ仕様です。
分離した映像3信号を「D」の文字の形状をした1端子にまとめたことから
この名が付いたと聞きます。
(D端子はアナログ信号仕様であり、「デジタル」の略ではありません)
画質は非常に良く、余程大画面のテレビでない限りRGB信号と殆ど見分けが
付かないでしょう。
蛇足ですが、S端子の「S」はセパレート(輝度と色の2信号に「分離」)を
意味しているそうです。


RGB信号はもともとブラウン管を直接制御する信号ですので、途中に回路が
入りませんから、ノイズの心配が無いのです。1ドットのにじみもありません。
しかし、RF入力に至っては、「画像」「音声」信号まで1信号にまとめられて
テレビのアンテナに接続するのですから、にじみ方は最悪です。

下にビデオ信号による画像と、RGB信号による画像を2つ、比較の為に並べて
みます。こんなに差があるのですねえ…。上がビデオ信号入力で、下がRGB信号
入力による画像です。

若干ハレーションが掛かってますが、当館の誇る高級デジカメ(35万画素)
の性能に因るものですのでご容赦下さいませ。
それにしても、ビデオ入力って、にじみますねえ。
勿論、
業務用モニターはRGB対応ですからどうりできれいははずです。



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