−基板の取扱いでの失敗談−

さてさて、久々の更新です。できればまめに更新していきたいのですが、仕事の
事情でなかなかそうも行かない時もあります。(T_T)
皆様どうかご勘弁下さいましたら。

今回のUPは館主が実際に経験した、

「あんな事で基板を壊した」
「こんな事で基板が立ち上がらなかった」

そんな失敗談を紹介致します。
本来は「こいばな」コーナーにUPするような内容なのですが、うっかり人様の参考
になってしまう可能性があり「何よりも為にならない事」のモットーに反してしまい
ますのでこちらで紹介する事と致します。(^^;

皆様が私のような失敗をされません事を願いまして早速紹介に入らせて頂き
ます。



−あんな事で基板を壊した−

-失敗その1「ヨットマン」
今から7年程前、常○ハワ○アンセンター改装の際に廃棄物としてタダでもらった
「ヨットマン」。早速ハーネスを作成し、動作確認をすることに。
無事立ち上がりはしたけれども音が出ません。
当時経験の浅かった館主、何とか自分で解決を試みてはみたのですが…。
色々と試しているうちに突然立ち上がらなくなってしまいました。
「おかしい… …??」
なんとか復帰して欲しくてシグマの
コントロールボックスの電源スイッチをしつこく何度もバチバチとON/
OFFを繰り返していました
が、
今度は画面が完全に真っ暗になってしまいました。
… …
ふと気付くとハーネスの根元でコードのリード先が一本だけ半田漏れしていて、
なんと5Vと-5Vが接触していました。こんな状態で何度も電源のオンオフを繰り
返していたのですからひとたまりもありません。
電源ON時は電圧立ち上がりの「過渡期」ですので不安定です。どんな電圧の立ち
上がり方をするのか分かったものではありませんから、無闇にこんな事をしては
いけません。
ゲーム用の基板って電源に対する保護回路が殆ど無いので本当に壊れる事が
あります。
その昔ゲーメストに、何かのゲームの「電源パターン」を調べようとしてオンオフを
繰り返していたら基板が壊れた、なんて話も載ってましたね…。
… …
みごとヨットマンはジャンクになり果てて、後にもの好きな某基板屋さんの知り合い
に貰われて行きました…。
ハーネスは芯線の残りが無いように半田付けしないといけないこともこの時に悟り
ました。
何とか修復できないものかとトライさんに問い合わせてみたら、
「あっくんサン、5Vと-5Vを間違えたらお終いですよ…。」
(本当)
とありがたいアドバイスまで頂きまして、とても良い勉強になりました。(T_T)

皆様、ハーネス作成の際にはくれぐれも電源ラインの配線には細心の注意
して下さいね。

-失敗その2「ツインビー」
弁当箱のようなバブルメモリーカセットが付いたこの基板、なんだかエアクッション
に包まれたままだと熱を帯びて冷却ファンモーターが回り出してうるさいので、
いつも遊ぶ時には基板を剥き出しにしていました。
たまたま当館にNightStrikerさんが遊びにきていましたが、リクエストに応じて
基板を立ち上げたところ程なくして、ツインビー機の残像が残ったまま暴走。
再度立ち上げ直したら画面に沢山の縞模様が現れるようになりました。
…どうやら冬場にセーターがパチパチ言う状態で直接基板を触っていたので、
静電気で壊してしまったようです。

後にコナミさんの修理票を見たら「RAM交換」とあり、その位置はどうも私が
触れた覚えのある箇所でした。静電気の恐ろしさを認識することとあいなりました。
(NightStrikerさんの前の訪問時にはMacがクラッシュしていましたので、暫くの
間、館主から厄病神の汚名を着せられておりました。
…わはは、昔の事ですよね、心の広いNightStrikerさん!(^^;)

-失敗その3「1943他」
「1943」「マッドギア」、もう1枚は忘れましたが、遊んでいるうちにだんだん
調子がおかしくなってきました。
キャラクターが化けたりして、日を追うごとに症状が進行しているようでした。
ICをソケットに挿し直しても駄目。
(結局ICが壊れたようで、後に壊れた3枚は全部買い直すハメになりました…。)
そんなある日、ふとある事に気付きました。

「これって全部テレビの脇にくっつけている基板ばかりじゃない!!!…」

偶然にしては出来過ぎです。
どうもテレビの静電気が基板に伝わっていたようです。
(狭い部屋、置き場所に困ってテレビとステレオの隙間に基板を4枚程差し込んで
いたのです。無事だった1枚の基板は一番テレビの画面から遠いところに挟めて
いたものと判りました。)
テレビは29インチですから静電気の量も多いようで、毎日
「ボガ!(スイッチを入れた音)パチパチ… ボガ!パチパチ…」
…これを繰り返していたのですからたまりませんね。(^^;

静電気の恐さを改めて思い知らされた館主なのでありました。
早速置き場所を変更した事は言うまでもありません。(T_T)

-失敗その4「ゼクセクス」
どうした事でしょう!ある日立ち上がらなくなりました。画面が緑色一色です。
フラットパッケージでカスタムの多い基板、到底自分での修理は無理と判断、
コナミさんに修理に出す事になりました。
送って数日して基板が送り返されてきましたが、あまりの修理の早さに
「ひょっとして修理不能だったのかも…」
と一瞬不安になりましたが、無事立ち上がりました。
ふと修理票を見てみると

「IC××の端子に半田クズが付着した事によるショート」

と書かれてありました…。
ICはコネクター側から見て左前に付いているでかいやつでエアパッキンから
顔を覗かせているものでした。
… … … …どうやらハーネスを作成していて発生した半田クズが飛んで
くっついていたようです。
(^^;;;;;

「そう言えば、ゼクセクスの基板を方付けないまま脇で半田付けしてたよなあ…」
と、思い当たる節があって、ついつい納得してしまいました。

しっかりと送料と技術料を合わせて8000円を取られ、(どこのメーカーでも
そうですからね!)
しばし呆然となった館主なのでありました…。(T_T)

「きちんと基板を片付けておけば良かった… …いや、送る前に一度良く
見ておくんだった… …」


後悔先に立たず、これまた高い授業料を払ってしまった館主なのでありました。

-失敗その5「A-JAX」
さてこの基板、コナミ初のフラットパッケージ化基板(従来のDIPタイプと異なり
半田面側にICの足が飛び出しておらず、ICは部品面にのみ面実装されるタイプ)
と聞いております。なにせ初めての仕様なもので信頼性が充分でないようで、
市場では良く「突然暴走して壊れる」なんて事故が少なく無かったようです。
…実はLSI(高密度IC)って、半田不良で電源ラインの足が浮いたりすると、
内部の電圧の回り込みで壊れてしまう場合があるのです。
(ハイテク部品と言っても所詮はダイオードの固まりですからね。)

そんな予備知識があったある日、とうとう館の基板も暴走して壊れてしまいました。
コナミさんに修理を依頼し、帰ってくる度に動作確認して程なくクラッシュし、再度
修理を依頼する状態が続きました。
コナミさんの修理票には
「高電圧の印加により、相当数(注:10数個です。)のICが破損しています。」
と書いてありました。

ふと、初回に壊れた際、静電気で壊れた可能性を考えてエアーパッキンに液状の
「静電気防止剤」をたっぷり塗っていた事を思い出しました。

基板の半田面を見てみると、べったりと静電気防止剤がくっついていました。
ついでにエアーパッキンの方も見てみると、もうギラギラに光ってました。(^^;

壊れたICは面実装のものでは無くてDIPタイプのものばかりである事は修理票で
判りまして、(実は、全てのICがフラットパッケージと言う訳ではありません。)
静電防止剤ってようは「静電気を逃がす導電性のもの」のようですから、デリケート
なこの基板、どうも防止剤のせいで微妙に他のICに電圧が回り込んでいた事が
原因で故障していた可能性が高い事が判りました。

取り敢えずエアーパッキンを交換したところ、それ以降ピタリと故障はしなくなり
まして、結局推測できたのは、

「初めの故障は初期半田不具合」
「後の故障は静電防止剤で基板とエアーパッキンをビショビショにした
自分のせい」


と、言う事でした。(T_T)

尚、静電防止剤のボトルには以下のように書いてありました。
「OA機器、FA機器、ブラウン管、計測器のメーターなどの静電気防止。」
「…特にゲームセンターや自動車のシート及びカーペットなどに効果があります。」
「用途以外に使用しないで下さい。」
… … … … これダメじゃない … …

皆様、説明は使う前に良く読んで下さいね。エアーパッキン自体、静電防止加工
されたものを使用すれば特にこんな余計な事しなくても良いですからね。(T_T)

そうそう、蛇足ですが、ジョイントで2階建て(3階建て?)になったフルDIP
バージョンのA-JAXもあるようですので、そちらを入手された方はラッキー
だったかもしれません。
もしフラットパッケージ仕様の基板を入手された方は、基板にストレスを掛けて
半田の剥離を起こしたりしないよう、どうかくれぐれも保管には注意して
下さいね。
  

−こんな事で基板が立ち上がらなかった−

-失敗その6「スペースチェイサー」
フーガさんから入手したこの基板、(このお店、オールドでレアな基板が良くお目
見えするのです。)見るからにインベーダーのハーネスがぴったり合いそうです。
配線表を見ずに即接続。すると…モニターに青い縞模様が出る異常が発生。
全然立ち上がりません。

よくよく配線表を調べると、なんとこれが微妙に電源ラインの配線が違う!!
もう駄目かもと思いつつもハーネスを作成し、繋いでみましたが…
…既に死んでいる状態でした。今度は画面におかしな模様が出たままピクリとも
しません。
同じ世代の同じオールド基板でも、配線は事なることがあるものですね。(T_T)
一応ダメモトでフーガさんに修理の依頼はしてみましが、フーガさんで確認した
結果…
「どこも壊れていませんですよ??」
との答え…?? ??
送り返してもらい再度確認しても症状は変わらず、相変わらず立ち上がりません。
そこで、
…配線表をもう一度良く調べてみましたら… …
「ああ!RESETと言う端子がある!!」
… … …そう、RESET端子をGNDに落としてあげないとこの基板は立ち
上がらない仕様なのでした。(^^;;;

RESET端子をGNDと接続してみたら、あっけなく正常に動作するように
なりました…。
それにしても、ハーネスを間違えて基板が無事だったのは、なんとも運が良かった
ものでしたね。(^^;

皆様、ハーネスの結線確認の際は、トンチキな館主のように判ったふりしないで、
くれぐれも一回一回、きちんと事前に確認して下さいね。
それから、「RESET」のような機能が付いた基板は他に「インベーダー」や
「QIX」等、オールドものには結構あるようですので知っていて下さいね。

その7「メタルクラッシュ」
これまた常○ハワ○アンセンター改装の際にタダでもらった基板。
配線表が付いていたので早速ハーネスを作成し、電源を入れてみたけれど…
立ち上がりません…。
ハーネスの配線も確認しましたが、どうも間違えている様子はありません。
まあ、貰った基板はあらかた壊れているみたいだし、またこれもかしらん…??
と思い念の為テスターで電源電圧を調べたところ、数10mVしか掛かって
いません。…何か変です。

よくよく調べてみると、コントローラー側から電圧が出ていません。
いや待て待て、… …右端の端子にテスターを当てるときちんと電圧が出ます…。
… … …

程なくして判ったのは、当時ストII’を遊びたくてコントローラーを「AV-999」
から「AV2001」に買い直していた為、従来は右端2端子がGNDラインだった
ものが、「強パンチ」ボタンのポートを追加でGND端子が外側1本のみに
コントローラーの仕様が変更されていた
事でした。
GNDが浮いてしまっては基板が立ち上がるはずはありません。

配線を直して無事基板は立ち上がりました…。(^^;

皆様、新しいコントロールボックスを購入された場合、まずきちんと説明書を良く
読むようにして下さいね。思わぬトラブルが発生する可能性がありますからね!
(館主だけかも…)

-その8「スクランブル」
トライさんにお邪魔した際に見つけてしまった基板。諸事情により「スクランブル」
と名の付く基板を購入するのはこれで4度目。(^^; (そのうち「こいばな」か
「改善提案」コーナー当たりでこのネタをUPするかも…。)
お店での動作も確認し、早速館で立ち上げようとしたら、
…クロスハッチ(画面の位置を調整する際、確認用に現れる碁盤の目のような
格子模様を指して言います。)で止まってしまい、立ち上がりません…。

テスターで電源電圧を調べてみると、5Vラインの電圧が「4.6V」しか
ありません…
… …そう、昔の基板って結構W数食いますから、AV2001のレギュレーター
(5V7A定電圧電源)では供給し切れない場合があるのです。
(尚、シグマのコントローラーは次機種よりこれを改善している模様です。)

ちょい電圧調整してみたら無事立ち上がりました。
(どこを調節したかですって?…事故の原因となる恐れがあり、ここではあまり
お薦めできる処置ではありませんから敢えて伏せさせて頂きます。
シグマさんも出荷時に調整した電圧が変えられるのを好まないと思いますし。)

皆様、配線が間違えていない事を確認したら、このような場合は電圧チェック
ですからね!!

その他、電圧の降下で起きた不具合は、
「グラディウス」…オプションに穴が空く。
「マッドギア」…高速スクロールになると画面にチラツキが発生する。

等々、V−RAM系にまず異常が発生するようですね。

その9「ときメモ対戦ぱずる玉他」(こいばな風)
J/S君、館主が入学祝いにあげたGXサブボード「ときメモ対戦ぱずるだま」
を「ツインビーヤッホー」のサブと交換したら立ち上がりません。
突然鳴り出す館の旧型ダイアル式黒電話。

J:「あの〜RAMROMチェックでBAD表示されて、立ち上がらないんです。」
館:「??… … ねえ、きちんとイニシャライズした?」
J:「え…??なんすかそれ!?」(すっかり忘れているJ/S君。)

サブを交換した最初の立ち上げの際にはリセットボタンを押したまま電源を入れる
事を伝えたところ、程なくして思い出したお茶目なJ/S君。
その後無事基板が立ち上がったのは言うまでもありません。(^^;

J/S君、CP2の「ストII某」を購入して立ち上げてみたら不具合が発生。
館の電話が鳴り響く…
F:「あの〜、画面に縦筋の模様が入るんですけど…」
館:「マザーとサブの間のコネクターの接触不具合かもしれないので、
  もう一度ゴミとかピン折れとか確認して挿し直してみたら…?」

…10分後、推測通りで無事直っ旨た電話があり、無事一件落着。

皆様、決して笑ってはいけません!!失敗の連続って勉強なのですから。



−まとめ−

以上、今回はちょい趣向が変わりましたが、失敗もまた勉強のうちです。
どうかここに挙げたような失敗を皆様がされませんよう心からお祈り申し上げ
ます。
トラブッたからと言って不用意に慌てず、まず状況を一通り確認する事から
しましょうね。

 … 基板道、3枚飛ばせば一人前。 …

                 …おそまつ                              
                                 by 館主



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