HOME PROFILE GALLARY HOW TO MAKE WHAT'S KIRIE? LINK


How To Make It 
切り絵のできるまで



 ひとつの作品がどのように仕上がっていくのか、1つの作品を例にあげてご紹介します。
切り絵そのものの詳細な作り方については入門書や専門書がありますから、そちらをご覧ください。

 【 モチーフになる写真など 】


 左はロッドの79年日本公演パンフに小さく載っていた写真をA4紙300%程度に大きく引き伸ばしコピーしたものです。元がモノクロなので切り絵の仕上がりがイメージしやすいですね。
 【 下 絵 】 

 これの上にトレーシングペーパーなどを敷いて、絵を上からなぞって下絵を描いていきます。切り絵はその性質上あまり細かなディティールは表現できません。下絵デッサンの段階で、モチーフから適当に黒く輪郭として残す線、捨てる線、黒く残す面、切り抜く面も頭に入れながら描きます。また、切った時にひとつひとつがバラバラにならないようにつなげておくことも必要です。
 下絵が完成したら、それを裏返してコピーします。黒い紙の裏面に貼り付けて切っていくので、本来の絵とは左右反転の状態です。トレーシングペーパーに描いていれば裏返しにしてもコピーには差し支えありません。
 また、コピーする段階で仕上がりサイズを決めます。
 【 切り始め 】 

 コピーした下絵を黒い紙の裏にスプレー糊で貼り付け、いよいよカッターで切っていきます。どこから切ってもいいのですが、僕の場合は大きなパーツから切っていきます。長い線を切ることで、手にカッターがなじみやすくなって調子が出る気がするんですね。腕とマフラーを切ってみました。
 【 途中で確認 】 

 もうロッドの体はほぼ出てきました。ここまで来ると仕上がりが想像できてきます。切りまちがいがないかどうか、確認しながら進めていきます。
 【 修正 】 

 とりあえずの完成。裏に白い紙を置いてみて、デッサン通りのイメージになったか確認します。背景のラインが少しうるさく感じるのと、髪が黒くで重そうです。ともに少し間引いてあげます。
 【 下絵の完成 】 

 すっきりしました。これで切り絵としては完成としてもよいです。黒い紙の裏から厚手の白い紙を張ればOK。でももしさらに色を付ければより見栄えが良くなると感じれば着色作業をしていきます。
 【 着色 】 

 着色には色々な方法があります。色紙を使う方法が簡単でよいですが、ここでは水彩絵の具を使って色を作っていきます。
 色をおおまかに区分すると、肌色、マフラー、パンツ、髪、そして背景色です。それぞれの部分のパーツを別に作ってそれを彩色し、黒い紙の裏に張っていくことになります。まずは肌色を作ってブラシで吹き付けます。もちろん筆で塗ってもかまいません。ムラにならなければ。
 【 着色2 】 

 マフラー、パンツ、髪のパーツをひとまとめに作りました。これは筆でちゃちゃっと塗ってしまいます。ムラになっても黒い紙を上に載せれば目立ちませんからね。
 【 着色3 】 

 背景にも白いラインを流れるように出したいので、これまた別パーツでラインだけの切り絵を作って、下に白い背景紙を置いて、上から色をブラシで着色しました。左中央には誤って絵の具が付いてしまいました。ブラシ作業は手間も時間もかかりますが、これですべてパーツは完成です。
 【 完成 】 

 すべてのパーツを重ね合わせて糊付けします。下から、背景紙、肌色紙、マフラーなど部分、そして黒い紙。絵の具こぼれは見えないように隠しました。周囲の黒い縁と絵本体とのバランスを考えて縁をトリミングカットしてもいいですね。
 そして完成です!最後に日付とサインをいれましょう。作例では右下にスタンプを押しています。