2003年1月にインターネットへの接続回線をISDNから光ファイバに切り替えました。
このページは当サロンのIT担当によるFTTH導入記です。光ファイバによるブロードバンド化をご検討中の皆様のご参考になれば幸いです。

       1.ADSLにしても速度が出ない (T_T)
       2.Bフレッツ・ニューファミリータイプを申し込み
       3.Bフレッツについて予備調査
       4.開通までの工事など
       5.MTUとRWINを調整
       6.RAS PPPoEを導入
       7.ソケット・バッファ・サイズを調整
       8.常駐ソフトを解除してみたら
       9.費用はどのくらい?
      10.感想といろいろな体験記



1.ADSLにしても速度が出ない (T_T)
1997年2月にアナログからISDNに、2000年7月にフレッツISDNにと切り替えて以来、さほどの不満も無く過ごしていましたが、さすがにアナログ電話線を使ったブロードバンド接続である、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)の最近の普及と低価格化には看過できない勢いを感じ始めました。

そこで、今回のブロードバンド化計画を、自分の回線環境でADSLに切り替えた場合にどのくらいの速度が期待できるのかを調べるところからはじめました。


NTT東日本のページでは、電話番号を入力すると、電話局から自宅までの線路距離長と伝送損失の「机上計算値」が分かります。私の場合、以下の通りです。

線路距離長:2,560m
伝送損失:46dB


「伝送損失」について、NTTのページの解説を引用します。
フレッツ・ADSLは通常の電話回線(銅線)を使ってお客さま宅とNTT収容ビルを結んでいます。しかし、さまざまな要因によって電気信号は電話回線を伝わるうちにだんだん弱くなるのです。この時の電気信号の劣化度合いを表したものを伝送損失といいます。(単位はdB=デシベルを用います。)
一般的に線路距離が長くなるほど、伝送損失が大きくなってしまい、信号が届きにくくなる性質があります。逆に言えば、伝送損失が小さければ、やりとりできるデータ量は大きくなる傾向があります。


これらの数値をアッカという回線会社のページで入力すると、ADSLのおすすめのサービスと推定速度が分かります。私の場合、以下の通りです。

おすすめサービス:12Mまたは1.5M
推定速度 12Mサービス:2,240kbps〜512kbps 1.5Mサービス:992kbps〜416kbps


この結果をみて呆然としました。「ええっ、12Mサービスにしても2Mbpsしか出ないの!」
確かに従来の64kbpsと比べれば2Mbpsでも約30倍以上ですが、既に心はブロードバンド環境モードだったのであきらめきれません。
「こうなれば一気にFTTH(Fiber To The Home)だ!しょせんADSLなんて過渡的な技術さ。フン、くやしくなんて無いぞぉ。 (ToT)」
ブロードバンドにしたいボタンが入ってしまってんですねぇ。


ところで、このページの用語のリンク先は e-Words という情報・通信用語辞典です。
IT、パソコン関連、通信関連などで調べたい用語が出てきたときにお使いください。
    


    


2.Bフレッツ・ニューファミリータイプを申し込み
光ファイバを使った現在最高速のブロードバンド接続であるFTTHは以前から将来の候補として考えていましたので、有線ブロードネットワークス(以下、有線B)や東京電力(TEPCOひかり)にも注目していましたが、私の地域は提供予定時期がずれ込むばかりで、「どーせ、行政サービスでもいつも一番後回しさ」とすねていました。

ところが、天下のNTTのBフレッツ・ニューファミリータイプのサービス提供地域に入ったことが確認できたので、今回の導入に至ったわけです。

NTT東日本のページで電話番号を入力すると、利用可能なサービスが検索できます。

有線Bのページの「サービスエリア」から住所を選択していくと、サービス提供エリアの判定ができます。

東京電力のページで郵便番号を入力すると、サービス提供エリアの判定ができます。


「マンションの場合はニューファミリータイプじゃなくて、マンションタイプじゃないの?」という方もたくさんいらっしゃると思いますので、そこの説明を少々。

マンションタイプは、マンションまで光ケーブルを引き込み、そこから各戸へはLAN配線があればLAN(最大通信速度100Mbps)、無い場合は既存の電話回線を利用したVDSL(最大通信速度50Mbps)、あるいはPNA(最大通信速度10Mbps)で接続するもので、同一マンション内に8件以上の契約が見込まれる場合の月額利用料は3,500円(16件以上の場合の月額利用料は3,000円)、工事費は約20,000円となっています。

一方、ニューファミリータイプは2002年6月1日から提供開始したサービスで、100Mbpsの光ファイバーをその地域の複数のユーザでシェアリングするものです。マンションの場合でも光ファイバーが直接各戸まで引かれるので契約見込件数の制約はありません。最大通信速度は100Mbps、月額利用料は5,800円、工事費は30,000円弱となっています。

私の場合は、小規模な分譲マンションなので8件以上の加入が見込めないことと、月額利用料は高くても(この地域では光ファイバを引いているお宅はまだ少なそうなので)最大通信速度が速い方がいいかなという判断です。

NTT東日本のフレッツのページにBフレッツのサービスの違いについて分かりやすく書いてあります。


その後、私がメインに利用しているプロバイダのページを見たところ、「Bフレッツ取次キャンペーン実施中」とのことで、取り次ぎ窓口経由でNTTの「Bフレッツ」を申し込むと、プロバイダのBフレッツオプション月額利用料が最高で4カ月割引になるではないですか(具体的にはファミリータイプで月額利用料4カ月間950円割引)。

さっそく2002年12月17日(火)に申し込みました。また、この時点で10営業日程度の余裕を見て実地調査日を指定する必要があったため、年末年始にかかることも勘案して2003年1月8日(水)を調査日に指定しました。


申し込み後、プロバイダからは「NTT付加サービス申込取次完了のお知らせ」というメールが来ました。実地調査日の確認のほか、今後のスケジュールの案内などが書いてありました。とりあえず安心しました。



3.Bフレッツについて予備調査
申し込んでから泥縄ですが、改めてブロードバンド、FTTH、Bフレッツなどについて調べました。
調べたのは、開通までどのくらいの期間がかかるのか、費用はどのくらいかかるのか、何を用意しておけばいいのか、回線やプロバイダの評判はどうか、どのくらいの速度が期待できるのか、といったことです。

手段はインターネット中心です。というのは、ADSL導入についての書籍はたくさん出版されているのですが、FTTHについてはまだインターネットや雑誌の特集などが中心媒体で、書籍やムックなどはあまり出版されていないからです。


まず、代表的なブロードバンドに関するポータルサイトです。

RBB TODAY (xDSL-FTTH-CATV-FWA ブロードバンド情報サイト) では、速度計測、掲示板、ニュース、用語辞典、ルータガイドなどが利用できます。メールマガジンも発行しています。

BroadLand ブロードバンド総合情報交換サイト では、速度計測、掲示板などが利用できます。

broadband-ana.com−FTTHユーザーコミュニティサイト− ではFTTHに絞って、掲示板、導入記、ハードレビューなどが利用できます。このページの導入記を元にしたムックも出版されています。
(非常に参考になるページでしたが、残念ながら現在はお休みしています)
光ファイバ100Mbps導入ガイド


以上のページのうち、特に「ブロードバンドの穴」の「Bフレッツおすすめ設定」のページは大変参考になりました。

ルータの選定については、以下の記事などを参考にさせていただきました。

WPC Arena
「2万円以下で買える!FTTH時代の高速ルーター・完全版(特集)」

DOS/V magazine
理論値100Mbpsに迫る高速ルーター10製品を比較する


機器の接続については、NTT東日本の機器接続イメージのページが分かりやすいです。


これらのページなどで調べた結果、私がその時点で抱いたイメージと、実際の結果は以下の通りです。

    開通までどのくらいの期間がかかるのか
    イメージ 約2ヶ月くらい。場合によってはもっとかかることも。
    実際 うれしい誤算。2002年12月17日申込で2003年1月25日開通なので1ヶ月強ですが、年末年始をはさんだり、私の環境固有の問題もあったので、実際には約1ヶ月というところでしょうか。当初の工事(開通)予定日は1月23日(水)でした。

    費用はどのくらいかかるのか
    イメージ 工事費と契約料で30,000円弱、ルータに約15,000円(100BASE-TXのEthernetインタフェース・ボードはパソコンに設置済)
    実際 ほぼ予定通り。ISDNを解約してアナログに戻したので、その工事手数料が3,000円かかりましたが、ルータは約10,000円ですみました(NECのAtermBR1500H)。
なお、これからEthernetインタフェース・ボードを導入される場合には、デスクトップ型のパソコンで自分でボードを設置できる方なら3,000円程度が追加になります。ノートパソコンでももう少し高いくらいでしょう。その他にLANケーブルも購入する場合は10mで1,000円くらいです。


    何を用意しておけばいいのか
    イメージ 電話配線盤の鍵(マンションの場合)
ルータ(必要と考えるなら)
100BASE-TXのEthernet(LAN)ケーブルまたは無線LANの機器

    実際 ほぼ予定通り。セキュリティの観点からルータを購入しました(今まではISDN用のDSU付TA)が、無線LANはまだまだ速度が遅くて機器が高いので見送りました。

    回線やプロバイダの評判はどうか
    イメージ 回線としては、提供地域の点を除けば、料金でも、速度でも、有線B > NTTというのが一般的な評判。有線Bはプロバイダ兼営なのでプロバイダの選択はできないがコンテンツに力を入れている。
    実際 ISDNの時とプロバイダを代えないというイージーな選択をしたので比較できませんが、速度計測サイトでは有線B圧勝のようです。

    どのくらいの速度が期待できるのか
    イメージ 同一地域に回線をシェアするユーザが少ない場合で、早朝で30〜40Mbpsの速度が出ればBフレッツ・ニューファミリータイプとしては速い方。
    実際 期待以上。事前の予想通り近くのクロージャから出ているのは現在も私への回線のみなので、MTUやRWINを調整した結果、早朝なら50Mbps以上出ています。



4.開通までの工事など
実地調査日の数日前に、NTTから日程や住所などの確認の電話がありました。また、その電話で電話配線盤の鍵と、管理組合の了解が必要との説明がありました。
電話配線盤の鍵を管理組合から借り、管理組合の了解については署名などは不要とのことでしたので、現在の組合の理事長さんに口頭で了解をいただきました。

さらに、実地調査日の前日にはNTT-MEから時間確認の電話がありました。


2003年1月8日(水) 実地調査日

時間通りに2名で来られました。

まず、どのように配線するかを確認。私の場合は電話の室内ローゼットと接続予定のパソコンが離れているので、以下の2つの配線方法があります。

(1)近くの電柱から、電話配線盤と電話線の配管を経由して室内まで光ファイバを配線し、ローゼットの近くにONU(Optical Network Unit)http://e-words.jp/?w=ONUを設置し、そこからLANケーブルでパソコンまで配線する。

(2)近くの電柱から、外壁とエアコンダクトなどを経由して室内まで光ファイバを配線し、パソコンの近くにONUを設置する。

LANケーブルは長くなっても伝送損失が少ないこと、外壁を経由する場合には共用部分を使用すること、光ファイバは曲げに弱いことなどから、工事の方の意見も参考に(1)の配線方法に決めました。

配線方法が決まったので、室内の電話のローゼットのパネルをはずし、外壁との回線の配線状況をチェックし、光ファイバを通すときのガイドとなるビニール紐を通しました。
次に電話配線盤の鍵を開け、電柱から電話配線盤と、電話配線盤から室内への配線のチェックをしました。
(工事の方の話では、開通時間までの時間短縮のため、最近は実地調査日にできるだけの配線工事をしてしまうそうです。)

ところが、1時間ほどして問題が発生。
電話配線盤は入り口の脇の倉庫の中にあり、そこから1階廊下床下の配管を通り、分岐しながら1階の各戸のドアの横にあるメーターボックスの前まで配線され、そこから今度は縦にメーターボックスの中を通って配線されています。
配線盤から光ファイバを挿入し分岐地点にあるボックスを通過させるためには、そのボックスを開ける必要があるのですが、1階廊下床下には小動物などの侵入を防ぐために金網が張られており、それが邪魔になるのです。
工事の方の話では、管理組合に金網をはずすか切断してもらうか、NTT-MEの方でそうした作業を行う許可を貰わないと、当日はこれ以上の工事はできないとのことでした。

仕方ないのでこの日はこれで終了し、金網をはずさなくては工事できない箇所を確認し、金網へのへの対応が決まった段階で次回工事日を打ち合わせすることになりました。

後日、金網をチェックしたところ、自力で十分に対応できそうでしたので、組合の理事長さんに口頭で了解をいただき、実地調査日に指定された箇所の金網をはずせるようにして、NTT-MEに電話しました。

相談の結果、工事日は2003年1月23日(木)になりました。

実地調査日から工事日までの間に、NTTから郵送で「Bフレッツ ご利用にあたって」や「フレッツ接続ツール セットアップガイド」が送られてきました。その中に開通予定日が2003年1月23日(木)とありました。


2003年1月23日(木) 工事日

今回もやはり2名で来られました。
配線方法は前回相談しているので今回はいきなり工事です。でも、雪の降った翌日なので外の工事はつらそうです。今日で開通するかなぁ。ワクワク p(^^)q

ところが1時間ほど作業をしたところでまたもや問題発生。金網をはずさなくては工事できない箇所が前回の予想と違っており、しかも次の工事の予定があるので今日はこれ以上工事が出来ないということです。
正直「それはないでしょう」と思いましたが、仕方ありません。

次の工事日は2003年1月25日(土)ということになりました。土日祝の工事は通常割増になるそうですが、今回は通常料金でやっていただけることになりました。


2003年1月25日(土) 工事日&開通 \(^o^)/

今回も2名で来られました。
金網は追加ではずせるようにしておいたので今回は順調です。後から高所作業車と工事の方が2名来て光ファイバを電柱からマンションに引き込む工事も始まりました。

工事には3時間くらいかかりました。部屋の中でローゼットからONUに繋ぐ工事をすぐそばで見ていました。かなり細かい作業なので、工事の方には邪魔だったかも知れません。でも、かっこいいなぁ。

工事が完了したのでNTT-MEの方が持参したノートパソコンで接続確認です。ルータを使用しない直接接続でフレッツスクエアの速度計測のページに繋いで数回測りました。
16時くらいで一番速いときで37Mbpsくらいでした。パソコンの性能にもよるので、もう少し速くなるのではとの工事の方の感想でした。



5.MTUとRWINを調整
まずはルータを使用しないでONUとパソコンのLANボードを直接LANケーブルで繋いで、フレッツスクエアで計測しました。19時くらいで43.52Mbpsでした。
次にONUとパソコンの間にルータを入れて同じくフレッツスクエアで計測です。20時くらいで42.83Mbpsでした。


さぁ、ここからが楽しいところです。
速度向上を目指してMTUとRWINを調整してみました。MTUとRWINについて、既におなじみの e-Words から引用します。

MTU (Maximum Transmission Unit)
通信ネットワークにおいて、1回の転送で送信できるデータの最大値を示す値。送信する側が接続ごとに値を設定できる。送信側ホストが受信側ホストより大きいMTUを持っていた場合は、送信側が受信側のMTUに従ってデータを再分割して送信する。エラーデータの再送信はMTUに指定されたサイズを単位として行われるため、劣悪な通信環境ではMTUを小さい値に設定した方が転送速度が速くなり、逆に安定した通信環境では制御信号が少なくなる分MTUの大きい方が転送速度が速くなる。MTUの単位はバイトで、Ethernetでは1500程度、電話回線によるダイヤルアップ接続では576程度が最適とされる。

RWIN (Receive Window)
TCP/IP経由でデータを受信しているコンピュータが、受信確認を送信側に送る間隔を示す値。TCP/IPでは一定量のデータを受信するたびに受信確認を送るという方式をとっているため、RWINの単位は「バイト」になる。
WINの性質上、最適なRWINの値は回線の通信速度や通信エラーの発生確率に大きく依存し、一概にどの程度のRWINが最適であると断言することは難しい。ただし、経験上、Windows 95/98のデフォルトのRWINの値はADSL回線を使う場合には小さすぎるといわれており、手動でRWINの値を書き換えるツールなどを使用して通信速度をアップさせる方法が様々なWebサイトで紹介されている。


調整にあたって参考にさせていただいたページは、上記の「ブロードバンドの穴」の「Bフレッツおすすめ設定」のページ以外には次の通りです。

MTU- RWINなどの簡単調整(EditMTU)

Speed Giude Connection Diagnostics


また、調整後の速度計測に利用したのはRBB TODAYの速度計測ページです。
なぜこのページなのか、それは当時簡便な計測サイトはここしか知らなかったのと、再計測が簡単だからです。 ヾ(^^;)

MTU:1454、RWIN:31108
下り 上り
1回目 39.60Mbps 6.42Mbps
2回目 34.16 6.32
3回目 34.64 6.77
4回目 38.00 6.76
5回目 39.31 6.58
平均 37.14 6.57

MTU:1500、RWIN:363540
下り 上り
1回目 47.36Mbps 14.68Mbps
2回目 40.43 14.71
3回目 44.72 14.27
4回目 44.03 15.00
5回目 42.47 14.73
平均 43.80 14.68

MTU:1454、RWIN:363536
下り 上り
1回目 45.40Mbps 12.82Mbps
2回目 39.68 10.62
3回目 34.93 11.45
4回目 44.09 13.94
5回目 43.59 13.27
平均 41.54 12.42

MTU:1454、RWIN:260176
下り 上り
1回目 40.61Mbps 13.71Mbps
2回目 43.98 14.51
3回目 44.20 14.36
4回目 35.62 14.50
5回目 47.37 13.56
平均 42.36 14.13


Bフレッツの場合はPPPoEなので、MTU最適値は1454ってNTTのページに書いてあったにもかかわらず、やっぱり試してみましたMTU1500。結果は上記のとおりです。
平均ではMTU1500、RWIN363540が一番速かったのですが、安心感をとってMTU1454、RWIN260176に設定しました。

NTT東日本のFAQのページにMTU1454がお薦めって書いてあります。引用します。
フレッツ接続ツール以外でPPPoEクライアント機能を使用するとき、MTUを1454Byte以下(MSSを1414Byte以下)に設定していただく必要があります。MTU、MSSを上記の値以上に設定すると閲覧できないHP等がございます。


ここで、またもや e-Words さんの登場です。PPPoEを解説していただきましょう。

PPPoE (PPP over Ethernet)
PPPの機能をEthernetを通して利用するためのプロトコル。
PPPはもともと、電話回線やISDN回線など、発呼を要する通信回線を介してネットワークに接続するために開発されたが、これをLANなどの「つなぎっぱなし」の環境でも利用できるようにしたものがPPPoEである。
PPPoEを利用すると、LAN上からもユーザ認証やIPアドレスの割り当てなどが可能になる。これを利用すれば、ADSLやCATV、光ファイバーなどによる常時接続サービスにおいて、接続するプロバイダを簡単に切り替えられるようになる。


この後もいろいろな時間帯でいろいろな計測サイトで計ってみたところ、速いときで50Mbps強くらいです。

Radish Netspeed Testing
下り回線 速度 50.94Mbps (6.367MByte/sec) 測定品質 99.5
上り回線 速度 40.12Mbps (5.015MByte/sec) 測定品質 99.1

ブロードバンドスピードテスト
回線種類/線路長 FTTH/-
キャリア/ISP NTT Bフレッツ ニューファミリー/xxxxx-net
ホスト1 WebArena(NTTPC) 51Mbps(13459kB,2.3秒)
ホスト2 AT-LINK(C&W IDC) NaNMbps(539kB,.2秒)
推定最大スループット 51Mbps(6351kB/s)
コメント NTT Bフレッツ ニューファミリーとしてはかなり速いです!おめでとうございます。(1/5)
※通信速度の単位は"bps"です。"MB"ではありません。間違えやすいのでご注意ください。



6.RAS PPPoEを導入
Ras PPPoEとは、Robert Schlabbach 氏が独自に開発したPPPoE(5をご参照ください)プロトコルです。
フリーでありながら、処理が軽く、高速で安定しているとの評判なので、導入してみました。

導入は、コントロールパネルの「ネットワーク接続」からプロトコルを追加することになります。
以下のページに導入方法などが分かりやすく書いてあります。

broadband-ana.com XPへのRASPPPoE導入手順

i-VAIO RasPPPoE


RAS PPPoE 導入の前後での速度を計測してみました。
変更前の速度は5のMTUとRWINの調整後(MTU:1454、RWIN:260176)をご参照ください。

結果は…速度向上の効果ありと言って良いと思います。


RAS PPPoE導入後

RBB TODAY
下り 上り
1回目 48.92Mbps 13.57Mbps
2回目 45.34 12.54
3回目 48.46 13.05
4回目 48.67 13.42
5回目 46.88 12.32
平均 47.65 12.98

ブロードバンドスピードテスト
ホスト1 WebArena(NTTPC) 46.7Mbps(13459kB,2.3秒)
ホスト2 SAKURA NaNMbps(539kB,.2秒)
推定最大スループット 46.7Mbps(5841kB/s)

Radish Netspeed Testing
下り回線 速度 52.88Mbps (6.609MByte/sec) 測定品質 93.3
上り回線 速度 40.59Mbps (5.074MByte/sec) 測定品質 98.9



7.ソケット・バッファ・サイズを調整
速度向上策として、ソケット・バッファ・サイズを調整してみました。

ソケット(socket)とは、通信を行なうアプリケーションソフトがTCP/IPを扱うための仮想的なインターフェースと説明されています。なんのこっちゃ?

broadband-ana.com Bフレッツ改革編から分かりやすい解説を引用させていただきますと、
MTU、RWINはPCのTCP/IPと相手先サーバ間の一度に送信できるデータの最大値等の設定になりますが、ソケットバッファはTCP/IPとアプリケーション(ブラウザ等)間の設定が出来るようです。

イメージとしてはこんな感じでしょうか
相手先サーバ―(MTU、RWIN設定)―TCP/IP―(ソケットバッファ設定)―アプリケーション


以下のページに調整方法などが分かりやすく書いてあります。

X68K.NET NTT東日本 B Flet's (FTTH)接続導入記

broadband-ana.com Bフレッツ改革編


ソケット・バッファ・サイズ変更の前後での速度を計測してみました。
変更前の速度は6の RAS PPPoE 導入後をご参照ください。

結果は…わぁお!っていう感じです。特に上りの速度向上が顕著です。


ソケット・バッファ・サイズ変更後

RBB TODAY
下り 上り
1回目 48.02Mbps 44.25Mbps
2回目 43.88 44.46
3回目 49.96 43.23
4回目 49.16 37.99
5回目 49.89 44.79
平均 48.48 42.94

ブロードバンドスピードテスト
ホスト1 WebArena(NTTPC) 55Mbps(13459kB,2.0秒)
ホスト2 SAKURA NaNMbps(539kB,.2秒)
推定最大スループット 55Mbps(6891kB/s)

Radish Netspeed Testing
下り回線 速度 53.83Mbps (6.728MByte/sec) 測定品質 93.8
上り回線 速度 41.23Mbps (5.154MByte/sec) 測定品質 98.5



8.常駐ソフトを解除してみたら
ファイアウォールなどの常駐ソフトが速度を低下させるというというのは既に有名な話ですが、その点を確認するのを忘れていました。

私は、ファイアウォールとして Windows XP に搭載されているファイアウォール機能と、Zone Alarm というフリーソフトを利用しています。また、ウィルス対策ソフトとして AVG というフリーソフトを利用しています。両方とも常駐型です。


Zone Alarm と AVG の常駐を解除して速度を計測してみました。もちろん、セキュリティの観点から危険な速度向上策ですので、計測後は常駐に戻しています。
変更前の速度は7のソケット・バッファ・サイズの調整後をご参照ください。

結果は…ええっ、こんなにぃ〜っていう感じです。


Zone Alarm と AVG の常駐解除後

RBB TODAY
下り 上り
1回目 69.65Mbps 56.31Mbps
2回目 72.27 65.47
3回目 71.21 65.04
4回目 67.86 62.32
5回目 71.06 61.07
平均 70.41 62.04

ブロードバンドスピードテスト
ホスト1 WebArena(NTTPC) 66Mbps(13459kB,1.8秒)
ホスト2 SAKURA NaNMbps(539kB,.2秒)
推定最大スループット 66Mbps(8226kB/s)

Radish Netspeed Testing
下り回線 速度 66.11Mbps (8.264MByte/sec) 測定品質 98.4
上り回線 速度 43.00Mbps (5.375MByte/sec) 測定品質 99.4



9.費用はどのくらい?
当初の工事費が約3万円
毎月の支払いはNTTへ5,600円と、プロバイダはそれぞれ違いますが1,400円〜2,000円くらいでしょうか。
ルータなどを購入すればその分がプラスになります。


導入時にNTTに支払う工事費等

Bフレッツ契約料 800円
Bフレッツ工事料 27,100円

なお、この機会に電話回線をISDNからアナログに戻しましたので、その工事料金(工事は電話局内のみ)もかかりました。
フレッツISDN解約工事料金 3,000円


今後毎月NTTへ支払う料金等

【ニューファミリータイプ】
月額利用料 1契約者回線ごとに 4,500円 (2003年4月1日より値下げ)
屋内配線利用料 200円
回線終端装置利用料 1装置ごとに 900円
計 5,600円/月


今後毎月プロバイダへ支払う料金等(ASAHIネット)

基本プランM 450円
Bフレッツオプション 950円
計 1,400円/月


新たに購入した機器等

ルータ(NECのAtermBR1500H) 約 10,000円
LANケーブル(カテゴリー5) 約 1,000円



10.感想といろいろな体験記
今までがISDNの64Kbpsだったので、もう信じられないくらい速いですぅ。
┌(^.^)┘ ♪ └(^.^)┐ ♪ ┌(^.^)┘ ♪

窓の杜などでソフトをダウンロードするときも、以前はサイズの大きなファイルはIrvineなどの分割ダウンロード・ソフトを使っていましたが、今は3MBくらいまでのファイルのダウンロードなら1秒かかりません。1MBくらいまでならダウンロードのボタンをクリックした瞬間に完了します。

また、ストリーミング動画の再生も、以前のようにカクカクしたり、バッファを延々と待ったりということが全く無くなり、テレビと違和感がありません。さらに実用に耐えなかったインターネット・ラジオもメールチェックの友となりました。

費用や手間はそれなりにかかりますが、この快適さには代えられません。


速度については、これまで、MTUとRWINの調整、RAS PPPoeの導入、ソケット・バッファ・サイズ調整、常駐ソフトの常駐解除といろいろな速度向上策を試してきました。
いずれもうれしい効果がありました。37Mbpsから70Mbpsですからね。 d=(^o^)=b

現時点でさらに試せる速度向上策としては、
(1)Windows XP のファイアウォール機能を停止する
(2)ルータをはずして、ONUとパソコンを直結する
というのがありますが、一時的にはともかく、セキュリティの観点から常時接続でいつでも出来る速度向上策では無いので試していません。
ノーガードのレイ・セフォーみたいに勇気無いもんね。

これ以上の恒常的な速度向上には、
(3)WindowsXPやルータのドライバが改良される
(4)ルータをintelなどの速いチップを使ったものに変える
(5)(これは効果がないかも知れませんが)プロバイダを変える
ということになりそうです。

今後も新しい速度向上策を試したときには、人柱としてのご報告をこのページに更新させていただきます。


なお、お約束なので書かせていただきますが、このページの情報を利用してのいかなる被害、損害等についても当方は一切責任を負えませんので、自己責任によりご利用いただくようお願いいたします。

特に5〜7はWindowsのレジストリを書き換えますので、バックアップをとってから行うなど十分注意してください。障害が起こった場合に自力で回復できる方にしかお薦めいたしません。
また、8は常時行うにはセキュリティの観点から問題がありますので、あくまでも試みとしてお読みください。


インターネットには私のこのつたない導入記よりずっと役に立つFTTH導入記がたくさんあります。私が導入時に参考にさせていただいたものは以下のとおりです。

WPC Arena
「Bフレッツ導入体験記! 実効速度は40Mbps(特集)」

ZDNet
「わが家のブロードバンド化計画 FTTB/VDSL編」

All About Japan
光ファイバー導入工事完全レポート(通信費節約)

Broadband Watch スタパ齋藤の「スタパバンド」  ←この人のコラム、かなり好きです。
きた来たキたんだよアニキ!! Bフレッツ開通!!
プロバイダー乗り換えで下り速度が倍ッ!!

MYCOM PC WEB - Column Square
「ハイテクウォーカー 第62回 Bフレッツ導入してみました(1)」


長い間お付き合いいただき、ありがとうございます。



追記

2003年9月に奈良への引越に伴い、Bフレッツ・ニューファミリータイプにサヨナラしました。ただし、今回苦労したので、光ファイバの配線(電話配線盤と電話線の配管を経由して室内まで)はそのままです。
その後、2006年2月に仙川に戻り、今度はハイパー・ファミリータイプです。工事の期間は短く2週間弱でした。



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