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【令和3年度の主な税制改正(企業編)】

1.経営資源集約化税制の創設

(1)   概要

 M&Aに関する経営力向上計画経営資源集約化措置が記載されたものに限る)の認定を受けた青色申告書を提出する中小企業者が、改正中小企業等経営強化法の施行日から令和6年3月31日までの間に、他の中小企業者の株式取得した後に、簿外債務の発覚等による損失リスクに備えるため、準備金を積み立てたときは、一定額の損金算入を認める特例が創設されました。さらに、所定の経営資源集約化設備について中小企業経営強化税制の適用を可能とし、所得拡大促進税制の上乗せ要件に必要な計画の認定も不要とされます。

(2) 準備金の積立 

 認定を受けた経営力向上計画に従って他の法人の株式等を購入により取得し、これを取得日を含む事業年度終了の日まで引き続き有している場合(株式等の取得価額が10億円を超える場合を除く)において、その株式等の取得価額の70以下の金額を中小企業事業再編投資損失準備金として積み立てたときは、その積み立てた金額は、その事業年度において損金算入できます。

(3) 準備金の取崩 

 積み立てた準備金は、その株式等の全部又は一部を有しなくなった場合、その株式等の帳簿価額を減額した場合等に取り崩すほか、措置期間5年間)終了後、5年間で準備金残高の均等額を取り崩して益金算入することとなります。

 

2.DX投資促進税制の創設  

 デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制が創設され、青色申告法人で改正産業競争力強化法の事業適応計画について認定を受けた者が、同法の施行日から令和5年3月31日までの間に、同計画に従って実施される事業適応の用に供するためにソフトウエアの新設・増設、又はそのソフトウエアと供に取得する機械装置及び器具備品あるいはそのソフトウェアの利用に係る費用(繰延資産)を支出(300億円が限度)し、国内にある事業の用に供した場合に、取得価額の30特別償却と取得価額の3%(グループ外の事業者とデータ連携をする場合は5%)税額控除との選択適用ができる特例が創設されました。

 なお、税額控除における控除税額の上限は、カーボンニュートラル投資促進税制の税額控除制度による控除税額との合計で当期の法人税額の20%とされます。

 

3.カーボンニュートラル投資促進税制の創設

 カーボンニュートラル投資促進税制を創設し、青色申告法人で改正産業競争力強化法の中長期環境適応計画について認定を受けたものが、同法の施行日から令和6年3月31日までの間に、同計画に記載された中長期環境適応生産性向上設備又は中長期環境適応需要開拓製品生産設備の取得等(500億円が限度)をして、国内にある事業の用に供した場合に、その取得価額の50特別償却とその取得価額の5(温室効果ガスの削減に著しく資するものは10)税額控除との選択適用ができる特例が創設されました。

 

4.中小企業投資促進税制の延長

 一定の設備投資をした場合に30%特別償却又は7%税額控除が適用できる中小企業投資促進税制について、所定の見直しがなされた上で、適用期限が令和5年年3月31日まで2年延長されました。

 

5.中小企業の所得拡大促進税制の改正

 中小企業の所得拡大促進税制について、適用要件を継続雇用者給与等支給額が1.5%以上増加という要件から、雇用者給与等支給額1.5以上増加という要件に見直すなどした上で、適用期限が令和5年3月31日までの間に開始する事業年度まで2年延長されました。 

 

6.賃上げ投資促進税制の改正

 大企業の賃上げ投資促進税制を見直し、青色申告法人が、令和3年4月1日から同5年3月31日までの間に開始する各事業年度において国内新規雇用者に対して給与等を支給する場合において、新規雇用者給与等支給額の新規雇用者比較給与等支給額に対する増加割合2以上である等一定の要件を満たすときは、控除対象新規雇用者給与等支給額15税額控除ができるようになりました。

 教育訓練費の額が20%以上増加した場合、控除率を5%上乗せし、控除対象新規雇用者給与等支給額の20%の税額控除ができるようになります(控除税額の上限は当期の法人税額の20%)。

 

7.繰越欠損金の控除上限の見直し

 大企業繰越欠損金控除上限について、最大5年間DXやカーボンニュートラル等、事業再構築・再編に係る投資に応じた範囲において、最大100までの控除を可能とする特例が創設されました。

 

8.消費税の課税売上割合に準ずる割合の改正

 消費税の仕入控除税額の計算について課税売上割合に準ずる割合を用いようとする課税期間の末日までに承認申請書を提出し、同日の翌日以後1月を経過する日までに税務署長の承認を受けた場合には、当該承認申請書を提出した日の属する課税期間から課税売上割合に準ずる割合を用いることができるようになりました。

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