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【令和2年度の主な税制改正(企業編)】

1.オープンイノベーション税制の創設

(1) 概要

 青色申告書を提出する法人で特定事業活動を行うものが一定のベンチャー企業株式(特定株式)を取得した場合に、その特定株式の取得価額25所得控除ができる制度が創設されます。

 1億円(中小企業の場合は1,000万円)以上の増資払込をし、5年間保有することが要件となります。

(2) 特定事業活動を行うもの

 特定事業活動を行うものとは、自らの経営資源以外の経営資源を活用し、高い生産性が見込まれる事業を行うこと、又は、新たな事業の開拓を行うことを目指す株式会社等をいいます。

(3) 特定株式

 特定株式とは、経済産業大臣証明を受けた、所定の基準を満たす新規性・成長性のある設立後10年未満の一定の未上場ベンチャー企業の株式をいいます。

(4) 適用期限

 令和2年4月1日から令和4年3月31日までの間に、特定株式を取得し、取得した事業年度末まで所有する場合に適用されます。

 

2.少額減価償却資産の特例の改正

 青色申告法人である中小企業者等が30万円未満少額減価償却資産の取得をした場合、300万円を限度として即時償却を認める特例について、対象法人から連結法人を除外し、従業員数の要件を現行1,000人から500人以下に引下げた上で、適用期限が令和4年3月31日までの取得分まで、2年延長されます。

 

3.居住用賃貸建物の取得に係る消費税の仕入税額控除制度の改正

 1,000万円以上の高額特定資産に該当する居住用賃貸建物の取得に係る仕入税額控除について、次の見直しがされます。

(1) 居住用賃貸建物の課税仕入れについては、仕入税額控除制度の適用がされません

(2) 上記(1)により仕入税額控除制度の適用されないこととされた居住用賃貸建物について、その仕入をした課税期間から3年目の課税期間の末日までの間に住宅の貸付以外の貸付の用に供した場合又は譲渡した場合には、一定の金額をを仕入控除税額加算して調整されます。 

 令和2年10月1日以後の居住用賃貸建物の仕入から適用されます。ただし、同年3月31日までに締結した契約に基づき同年10月1日以後に居住用賃貸建物の仕入れを行った場合には適用されません。

 

4.住宅の貸付に係る消費税の非課税制度の改正

 住宅の貸付に係る契約において貸付に係る用途が明らかにされていない場合でも、その貸付の用に供する建物の状況等から人の居住の用に供することが明らかな貸付は、消費税非課税とされます。

 令和2年4月1日以後に行われる貸付から適用されます。

 

5.消費税申告期限延長特例の創設

 法人税の申告期限を延長することができる企業について、消費税申告期限1ヶ月延長する特例が創設されます。

 令和3年3月31日以後に終了する事業年度の末日の属する課税期間から適用されます。

 

6.企業版ふるさと納税の拡充

 青色申告法人である法人が企業版ふるさと納税を行った場合の控除税額が、法人事業税は寄附金の額の20(現行10%)法人住民税40(現行20%)に引き上げられ、適用期限が5年延長されます。

 令和2年4月1日から令和7年3月31日までの間に支出した寄附金について適用されます。

 

7.電気供給業法人事業税の課税方式の改正

 発電事業及び小売電気事業に係る法人事業税について、資本金(出資金)の額が1億円超の普通法人は収入割額、付加価値割額、資本割額の合計額によって、資本金1億円以下の普通法人等は収入割額所得割額の合算額でそれぞれ課税することとされます。標準税率は以下のとおりです(特別法人事業税額は、基準法人収入割額に40%の税率を乗じて得た金額とする)。

(1) 資本金1億円超の普通法人

 収入割 0.75%、付加価値割  0.37%、資本割 0.15% 

(2) 資本金1億円以下の普通法人等  

 収入割 0.75%、所得割 1.85% 

 令和2年4月1日以後開始事業年度から適用されます。

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