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【平成30年以降の税務の動向】

1.大企業所得拡大税制の改組

 大企業を対象に、所得拡大税制を改組し、適用要件が、@平均給与等支給額が前年比3%以上、A国内設備投資額が減価償却費の9割以上とされ、税額控除率が現行12%から15%(一定の教育訓練費の増加を要件に20%)にされ、控除限度額が20%(現行10%)とされる予定です。

 

2.情報連携投資促進税制の創設

 データの高度利用による生産性向上の実現のために所定の認定を受けたソフトウェアおよび付随して取得する器具備品・機械装置に合計5,000万円以上投資した場合に、30%の特別償却または3%(3%賃金アップの場合5%)の税額控除の適用を受けることができる制度が創設される予定です。

 

3.措置法適用要件の見直し

 大企業を対象に、@平均給与等支給額が前年以下、かつ、A国内設備投資額が減価償却費の10%以下の場合に、試験開発税制、情報連携投資促進税制等の適用が受けられなくなる予定です。

 

4.中小企業所得拡大税制の改正

 中小企業を対象に、所得拡大税制を改正し、平均給与等支給額が前年比1.5%以上で、税額控除率15、平均給与等支給額が前年比2.5%以上で、税額控除率が20(控除限度額20%)とされる予定です。

 

5.適用時期

 上記1.から4.の規定は、平成30年4月1日(2.にあっては「生産性向上の実現のための臨時措置法」の施行日)から平成33年3月31日までの間に開始する各事業年において適用されます。

 

6.一般社団法人を利用した節税規制

 非営利型以外一般社団法人よび一般財団法人について、同族関係者役員過半数を占める場合には、その役員死亡により法人の純資産を対象とした相続税がその法人に課税されることになる予定です。

 平成30年4月1日(既存法人の場合、平成33年4月1日)以後の役員の死亡より適用されます。

 

7.事業承継税制の拡充

 事業承継税制について、@対象株式を経営者が保有する全株式(現行は総株式の3分の2)とする、A猶予割合100に引き上げる(現行は80%)、改正が行われる予定です。また対象会社を譲渡・解散した場合、猶予税額を全額納税する必要がありますが、株式価値減少に対応して納税額が軽減される措置が新設さる予定です。

 平成30年1月1日から平成39年12月31日までの贈与および相続に適用されます。

 

8.相続税の小規模宅地特例の要件の見直し

 相続税の小規模宅地特例について、次の見直しがされる予定です。

(1) 持ち家に居住していない者の特定居住用宅地の対象範囲から、@相続開始前3年以内3親等親族(特殊関係法人を含む)が所有する国内家屋居住したことがある者、A相続開始時に居住していた家屋過去所有していた者が除外されます。

(2) 貸付事業用宅地の範囲から、相続開始前3年以内貸付事業供用された宅地が除外されます。

 平成30年4月1日以後の相続または遺贈に適用されます。

 

9.給与所得控除の改正

 給与所得控除一律10万円引き下げられた上、上限額も給与収入850万円超に対し195万円とされる予定です。

 

10年金控除の改正

 公的年金控除額一律10万円引き下げられた上、公的年金収入1,000万円超に対し195万5千円上限が設けられる予定です。さらに、公的年金以外の合計所得が1,000万円超2,000万円以下の場合一律10万円、2,000万円超の場合一律20万円控除額が引き下げられます。

 

11基礎控除の改正

 基礎控除一律10万円引き上げられる一方、合計所得2,400万円を超える場合、控除額が逓減し、2,500万円超で控除額が0円となる予定です。

 

12青色申告特別控除の改正

 青色申告特別控除額が現行65万円から55万円引き下げられる(所定の電子帳簿保存を行っている場合は65万円)予定です。

 

13適用時期

 上記9.から12.の規定は、平成32年分以後の所得税において適用されます。

 

14出国税の創設

 平成31年1月7日以後の出国1回につき1,000出国税が創設される予定です。

 

15配偶者控除の見直し

 平成30年分以後の所得税について、配偶者控除の対象となる配偶者合計所得が現行38万円(給与収入103万円)から85万円(給与収入150万円)に引き上げられる一方、合計所得金額が1,000万円超の納税者については適用できなくなります。

 

16配偶者特別控除の見直し 

 平成30年分以後の所得税について、配偶者特別控除の対象となる配偶者合計所得金額が現行38万円超76万円未満(給与収入103万円超141万円未満)から38万円超123万円以下(給与収入103万円超201万円未満)に引き上げられる一方、合計所得金額が1,000万円超の納税者については,配偶者控除と同様に適用できなくなります。

 

17積立NISAの創設

 積立NISAの制度が平成30年より実施され、年間40万円、20年間(合計800万円)の非課税投資枠が設けられます。

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