Business Forum Kobe 21
トップページ >税務 >【平成29年以降の税務の動向】

【平成29年以降の税務の動向】

1.役員給与の範囲の改正

 損金に算入できる定期同額給与の範囲に、税及び社会保険料の源泉徴収等の後の金額が同額である定期給与が追加される予定です。

 

2.試験研究費税制の改正

試験研究費の範囲

 試験研究費の範囲に、ビッグデータを活用する一定の新サービスの開発のための費用が追加される予定です。

(2) 税額控除率等の見直し

 増加型が廃止された上で、総額型について下表のとおり、試験研究費の増減割合に応じた税額控除率に改組される予定です(現行、試験研究費割合に応じ8〜10%)。

区 分

税額控除率

5%<増減割合

9%+(増減割合−5%)×0.3 

−25%≦増減割合≦5%

9%−(5%−増減割合)×0.1 

増減割合<−25%

6% 

 総額型の税額控除率の上限は、原則試験研究費の10(中小企業は12%)ですが、2年間の時限措置として、14(中小企業は17)に引き上げられる予定です。

 

3.中小企業投資促進税制の改正

 中小企業投資促進税制上乗せ措置生産性向上設備等に係る即時償却等)について、次の中小企業経営強化税制として改組し、全ての器具備品及び建物附属設備を対象とする予定です。

 青色申告書を提出する中小企業で中小企業等経営強化法の経営力向上計画認定を受けたものが、平成29年4月1日から平成31年3月31日までの間に、生産等設備を構成する機械装置、工具、器具備品、建物附属設備及びソフトウエアで所定のものの取得等をして指定事業の用に供した場合には、即時償却または取得価額の7%(中小企業は10)(法人税額の20%を上限)の税額控除との選択適用ができることとされる予定です。

 なお、既存制度の中小企業投資促進税制については、対象資産から器具備品を除外した上で、適用期限が2年延長される予定です。

 

4.所得拡大税制の改正

 所得拡大税制について、既存制度の税額控除額に所定の計算により控除額を上乗せする措置が講じられる予定です。

 

5.市販薬購入費用の所得控除制度の開始

 健康維持・疾病予防のための定期検診等の取り組みをしている個人が、自己や生計を一にする親族のための一定の市販薬を購入した場合に、その購入費用(10万円を限度)のうち12,000を超える部分の金額を所得控除できる制度が平成29年から開始されます。

 現行の医療費控除とは併用できませんので、選択適用となります。

 

6.配偶者控除の見直し

 平成30年分以後の所得税について配偶者控除の対象となる配偶者合計所得85万円(現行38万円)に引き上げられる一方、合計所得金額が1,000万円超の納税者については適用できなくなる予定です。控除額は次のとおりです。

 

納税者の合計所得金額

配偶者控除額

老人配偶者控除額

950万円超1,000万円以下

13万円

16万円 

900万円超 950万円以下

26万円

32万円 

900万円以下

38万円

48万円 

 

7.配偶者特別控除の見直し 

 平成30年分以後の所得税について、配偶者特別控除の対象となる配偶者合計所得金額38万円超123万円以下(現行38万円超76万円未満)に引き上げられる一方、合計所得金額が1,000万円超の納税者については,配偶者控除と同様に適用できなくなる予定です。控除額は次のとおりです。

 

 納税者の合計所得金額

 配偶者の合計所得金額

950万円超

1,000万円以下

900万円超

950万円以下

900万円以下

120万円超123万円以下

1万円

2万円

3万円 

115万円超120万円以下

2万円

4万円

6万円 

110万円超115万円以下

4万円

8万円

11万円 

105万円超110万円以下

6万円

11万円

16万円 

100万円超105万円以下

7万円

14万円

21万円 

95万円超100万円以下

9万円

18万円

26万円 

90万円超 95万円以下

11万円

21万円

31万円 

85万円超 90万円以下

12万円

24万円

36万円 

38万円超 85万円以下

13万円

26万円

38万円 

 

8.積立NISA

   積立NISAの制度が創設され、現行のNISAとの選択制になる予定です。

 

現行のNISA

積立NISA

投資可能期間

平成26年〜35年

平成30年〜49年 

年間投資上限

120万円

40万円 

非課税保有期間

5年間

20年間 

非課税枠

600万円(120万円×5年)

800万円(40万円×20年)

 

9.広大地評価方法の見直し

 面積が1,000u(三大都市圏では500u)以上の「広大地」については、現行では面積に比例して評価額が減額されますが、各土地の形状や面積に基づき評価する方法に見直される予定です。

 

10相続税又は贈与税の納税義務の見直し

  国内に住所を有せず日本国籍を有する相続人等の相続税納税義務について、国外財産課税対象外とされる要件「被相続人等及び相続人等が相続開始前5年以内に国内住所を有したことがないこと」の5年を10に見直される予定です。

 

11タワーマンション固定資産税評価の見直し 

 高さ60mタワーマンションについては、一棟全体の固定資産税額を各区分所有者に按分する際に、階層に応じて専有部分の床面積が補正される予定です。この場合の階層別専有床面積補正率は、1階を100とし、1上がるごとに10/39を加えた数値となります。例えば、40階だと補正率は110(100+10/39×39)となります。

税務のトップページへ
トップページへ
Copyright (c) 2006 Business Forum Kobe21 All Rights Reserved.