麗しのマーガレット〜金曜日




 
金曜日、マーケティング部門の人たちとランチをした。同部門の部門長を含めた3人と、である。

現在僕はここでプロダクトスペシャリストなるチームに配属されている。

その仕事自体比較的新しく、従来はファンドマネージャー個人が片手間に行っていたものだ。

しかし今は独立した一つの機能として認識され、マーケティング・セールス部門と連絡を密にすることが要求されている。

ランチを食べながら、

僕: 「・・・だからビザが1年半の理由なんですよ。ほんとはもっとパリに滞在したいんですが」

部長: 「キミは独身かね?」

僕: 「はあ。目下独身ですが」

部長: 「それならばフランス人と結婚したまえ。そうすればここでの永久的な滞在許可証も労働許可証もたやすく手に入る」

僕: 「同じことを日本でも部長から言われましたよ(笑)」

部長: 「ところでキミはレイシストかね?

レイシストとは、人種・民族的な差別主義者を指す。特に白人優位主義を意味することが多い。

僕: 「まさか、とんでもない」

すると部門長は、部下二人に目配せをして、

部長: 「マーガレットがいいか?」

部下A: 「そうですね、マーガレットがいいかも」

この意味深な会話の展開はなんだ?

レイシストでは問題があるとすると・・・、マーガレットは黒人か?

ジェシカ・アルバなら大歓迎だが、フランスの場合歴史上セネガルとかモロッコという可能性もある。その場合は肌の色は褐色というより漆黒に近い。

部長: 「なんだ? 心配そうな顔をしているな。でも心配するな、マーガレットはアフリカ系ではない。ところでもし結婚式を挙げるとすればいつがいいかね? 日本では6月が多いと聞くが」



もう結婚式の話ですか?

僕の基本的人権〜選択の自由〜とかは無視ですか?



僕: 「もう、いつでもいいです・・・」

部長: 「じゃあ月曜日にランチをセッティングしよう。マーガレットと」


マーガレット! 僕はキミに会うためにこれまで生きてきたんだよ、きっと!!
(まだ会ってないけど)


僕はその日、スキップで帰宅した。


(つづく)












麗しのマーガレット〜土曜日

英国居酒屋

2007 サブプライムっておいしいの?