これほどまでに休日がさっさと終わればいい、と思ったのは生まれて初めてだろう。 今の僕の胸の中は90%くらいマーガレットで占められている。 僕が想像するマーガレットはこんな感じの女性だ。きっと、いや、絶対そうに違いない。 彼女は料理上手で得意料理は当然フレンチ。コルドン・ブルーの料理学校にも通った経験があって腕前はプロ並みだろう。 絶品なのはブイヤベースと肉じゃが。もちろんお菓子作りも上手で、僕が好きなチーズケーキも上手に焼いてくれるはずだ。 でもたまに失敗することもあって、そのときは少し気まずそうな顔をしておずおずと差し出す。 そういうとき僕は笑顔で「いいんだ、愛情がこもってればOKだよ。それに充分おいしそうじゃないか」、と。 するとマーガレットは照れ隠しに抱きついてくるんだ。 彼女は普通の家だけど愛情いっぱいに育てられてて少しわがままなところもあったりする。 例えば、やたらと記念日を作ったりしてその日は必ず外でちゃんとしたデート。 しかも毎回場所とか遊び方を変えて、モンパルナスタワーの最上階のレストランだったり、セーヌ河の遊覧船のレストランだったり、あるいは3ツ星のレストランだったり。 もちろん子供っぽいところもあって、ユーロディズニーがお気に入りの場所だ。 今のマーケティングの仕事をする前はポリテクニク(日本でいう東大)でファイナンスの勉強をしていてとても優秀。その一方で、ジョークをいったりいわれたりするのも得意で、ボケとツッコミの両方を担当できる。 僕: 「なあ、インド人のおでこについてるアレって、なんなんだ? 大豆?」 マーガレット: 「なんや、知らんのん? あれは『仙豆』や。一粒で満腹になる上に体力も回復させてくれるというカリン様の栽培する豆で、インド人はみんなあれで生活してんねん ・・・っておまえはヤジロベーか!!」 みたいな。 気が強いところがある一方で寂しがりやな部分もあったりして、 マーガレット: 「ねえ、今日は早く帰ってこれへん? 5時半? 6時?」 僕: 「そんなに早くはムリだよ」 マーガレット: 「もし7時越えたら、殺す♪」 とか。 こんな妄想ばかりしている僕は一度死んだほうがいいですか? (つづく) |