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  永住外国人の地方参政権


 この回の授業では、日本で暮らす外国人の状況を解説した後、次の課題で生徒たちにレポートを書いてもらい、それをもとにクラスで在日外国人の地方参政権について討論しました。在日外国人の地方参政権について、生徒の反応は、選挙権では賛成が8割、被選挙権では賛否ほぼ半々という状況でした。



【課題】 2008年の法務省入局管理局の統計によると、日本には約200万人の外国籍の人たちが生活しています。そのうち、日本の永住資格や特別永住資格を持っている人は約90万人います。永住資格というのは、日本で十年以上にわたって定住し、日本で働いている人に認められる資格で、約50万人がこの永住資格を持って日本で暮らしています。中国・台湾とブラジル出身の人たちが多いのが特徴です。一方、特別永住者資格というのは、日本の旧植民地出身の人たちで、戦前に出かせぎや強制連行で日本へ来て、戦後は外国人として日本に住むことになった人やその子孫たちです。こちらの特別永住者は40万人くらいいます。そのほとんどが韓国・朝鮮国籍の人たちで、1%くらい台湾出身の人たちもいます。在日二世・三世の場合は日本で生まれ育った人たちですが、日本の国籍制度は「血統主義」というしくみを採用しており、日本で生まれ育った人でも両親ともに外国籍の場合はこどもに日本国籍は与えられないので、彼らは世代がかわっても「外国人」として暮らしています。
 特別永住資格を持つ人たちは、出かせぎで来日した外国人とちがって、労働の制限はありませんが、政策決定にたずさわるような公務員の管理職や行政職につくことができない、国政・地方ともに参政権がない、定期的に外国人登録をするために法務局へ出頭しなければならないといった制限があります。1980年代以前は、すべての公務員職につくことができず、国民健康保険や国民年金にも加入できませんでしたが、日本が1979年に国際人権規約、1982年に国連難民条約を批准したことをきっかけに、少しずつ彼らの権利は拡大されてきました。
 ここでは地方参政権に焦点をしぼって考えていきたいと思います。次のAとBの会話を読み、永住外国人の地方参政権を認めるべきかどうか、あなたの考えをすじみちだてて述べなさい。(1000字程度)


A 「そもそも参政権というのは、選挙や住民投票によって政治に参加し、国の舵取りをする権利だよね。言い換えると、国というワク組みをとおしてその国に所属している国民が政治に参加するしくみだといえる。だから、日本が独立国家であるからには、政治の舵取りをするのは日本国籍を持つ人でなければならないというのが原則だ。これは総理大臣や外交官に外国人がなっているところを想像するとわかりやすい。日本を代表して外国と交渉する立場なのにその人が日本人でないとしたら、それは植民地のようなもので独立国家とは言えないよね。日本政府はこのしくみを「当然の法理」と呼んでいて、総理大臣や外交官に限らず、政策決定にたずさわる公務員は日本国籍を持つものでなければならないという立場をとっている。参政権についても、政策決定に参加する権利だから同じことがあてはまる。もしも国籍に関係なく参政権が保障されたら、外国人が日本の政策決定に関わることになってしまって、日本の独立性をそこねてしまうし、国民主権の原則がくずれてしまうよ。外国人は日本という国家へ忠誠心を持たず、国民として日本に所属していない人たちなわけだから、そういう人たちが政治参加して、国の舵取りをするのはあまりにも無責任だよ。国籍と参政権はひとつのセットとして考えるべきだよ」

B 「ちょっと待って、国民主権というのは、近代政治の基本原理のひとつだけど、これは主権が「君主」ではなく「人々」にあるという意味で、国籍による排除を意味するものではないよ。たしかに、参政権というのは、その国に所属している人々が国というワク組みをとおして政治に参加するしくみだけど、その国に住んでいるというだけで十分その国の一員と見なすことができる。そもそも、在日の人たちをはじめとした永住外国人は、日本の社会の一員として長く暮らしている人たちだよね。日本で生まれ育った人も多い。地域の一員として暮らし、税金も納めている。こういう人たちに参政権がなく、社会の重要な決定に参加できないっていうのは現実を無視しているように見えるよ。日本の社会は日本国籍をもつ人だけのものではなく、そこに暮らすすべての人たちのものじゃないかな」

A 「それは理想論だよ。もちろん地域でともに暮らす外国人の人権や生活権を守り、互いに信頼関係を深めていくことは大事だよ。でも、こうした外国人の人権を守ることと参政権とはまったく性質が違う問題だ。それに税金を納めているというのは道路を利用したり警察や消防といった行政サービスを受ける対価であって、参政権の保障とは別だよ。参政権がないから税金を免除するなんていう国は世界中どこにもない。現代は国家が国民の利益を代表して国家間で互いに利害を調整している社会だよね。政治・経済・文化の様々な分野で国際問題が起きている。歴史的にも、この数百年間、国家というワク組みをめぐってくり返し戦争が起きてきた。現代でも戦争や紛争はなくならない。だから、国家というワク組みは、現在の世界でも特別な意味を持っているし、その人がどこの国に所属しているのかということは、非常に重要な問題だ。国連だって国籍のない人は職員として採用してくれない。そういう意味で、外国人に参政権を保障するっていうのは国家の独立性がゆらいでしまうし、現在の国際情勢の原則からはずれることにもなる」

B 「たしかに国という単位が現代でも重要な意味を持っているというのはわかるよ。でも、そもそもなぜ近代社会に国があるのかということを考えれば、人々の基本的人権を保障するために社会契約として国は存在するわけだよね。まずはじめに人々の自然権があって、近代国家の存在意義はあくまで人々の人権を保障するための手段にすぎない。だから、まず国家ありきという発想は間違っているよ。それに、国のワク組というのは敵味方に二分されるようなものではない。現在の世界には、二重国籍、三重国籍という人だってたくさんいる。在日の人たちのように、日本の植民地支配にルーツを持ち、何世代にもわたって「外国人」として日本社会に暮らしてきた人たちは、国と国との間でどこの国からも十分な権利保障を受けられないという状況におちいってしまっている。こういう人たちについては、なんらかの救済措置が必要だよ。それをせずに、国家の利益だけで彼らの権利保障を切り捨てようとするのは、19世紀的な発想に見える。19世紀の帝国主義の時代では、国家同士が互いの利益をぶつけあい、力と力の関係の中で戦争や植民地支配をくり返してきたけど、もはやそういう時代ではない。どこの国でも外国人は大勢暮らしているし、国境を越えての人やモノの移動も活発だ。NGOのように国をこえての国際協力も行われるようになっている。だから、スウェーデン、ノルウェー、デンマークといった北欧諸国やニュージーランドでは3年くらいそこに暮らしている外国人には地方参政権を認められている。お隣の韓国でも、5年以上在住している外国人には地方参政権が保障されるようになった。そういう時代に日本は日本人だけのものだと主張するのは時代錯誤だよ」

A 「そうは言っても、第二次大戦後も国家間の紛争はあいかわらず絶えない。最近では湾岸戦争にイラク戦争、それにユーゴスラビア内戦、ルワンダの虐殺、アフガン紛争、ダルフール紛争など、数え上げたらきりがない。日本だって北朝鮮の拉致問題が表面化してから、北朝鮮との緊張関係が続いていし、領土問題では中国・ロシア・韓国とももめている。現代はけっして国を超えて世界中の人々が協力しあう時代になっているわけではないし、その発想はまるっきりおとぎ話だよ。それに、北欧をはじめとして永住外国人に地方参政権のある国は20数カ国あるけど、そういう国では、労働力確保のために外国人労働者を積極的に受け入れているっていう事情が背景にあるんだ」

B 「北欧諸国が外国人の地方参政権を認めているのは、たんに外国人労働者を呼び込むためでなく、住民参加の地方自治を重視しているからだよ。それに外国人参政権や二重国籍を認めている国々が外交交渉で不利になったり、ましてや他の国の言いなりになってるなんて話は聞いたことがない。第一、ここで話し合っているのは、外国人が総理大臣や外交官になれるかっていうことではなく、地方参政権についてだよね。地方行政のほとんどが住民サービスに関することだから、地方参政権の保障は日本国籍のあるなしに関係なく、住民としてそこに暮らしていることほうが重要だよ。高齢者の介護サービスをどうするか、駅前の駐輪場を拡張するのか、小学校で30人学級を実現するのか、地域にゴミ焼却場を受け入れるのか、そうした問題は国籍に関係なく地域に暮らしている人みんなの問題だ。そういう問題を決めるのに国籍を理由に外国人を排除するのはすじが通らないよ。だから、すでに住民投票では、外国人の投票できるよう条例を改正した自治体もふえてきている。日本全体で外国人の地方参政権を認めることで、ともに地域を支えているという意識は高まるはずだよ」

A 「地方参政権くらいならかまわないという考え方は無責任だよ。地方行政と国の行政とは密接につながっていて、一体のものとしてとらえるべきだよ。例えば、原発建設は地域住民の問題でもあるけど、同時に日本全体のエネルギー政策にも深く関わってくる。あるいは地域でアメリカ軍基地を受け入れるかどうかにしても、日本全体の安全保障を大きく左右する。そういう問題を決めるのに外国人が参加して、日本の将来が左右されてしまうというのは問題だよ。だから、外国籍の人たちが社会の一員として社会の重要な決定に参加したいのなら、まず、日本国籍を取得して、日本に帰化するべきだよ。参政権が国籍保有者に保障されるしくみというのは近代国家の原則だし、日本に帰化すれば、日本の一員としてともに社会を支えていこうという意思表示を示すことにもなる。社会参加という点ではそのほうが好ましいと思うよ」

B 「でも、ほとんどの日本人はただこの国に生まれたというだけで国籍が保障され、参政権だって二十歳になれば自動的に保障される。それなのに外国人については日本への忠誠心を示さないと社会の一員として認めないというのは差別的だよ。国籍が違っても、長く日本で暮らしていれば、それだけですでに十分社会の一員のはずだよ」

A 「それは逆で、日本という国を支えていくために日本人の愛国心や国家への忠誠心を高め、人々の一体感を高めていく必要があるよ。そうでなければこの島に暮らしているというだけの烏合の衆になってしまう。人々がただそこに暮らしているというだけの寄せ集めになってしまったら、それこそ社会をともに支えていこうという意識も社会に対する責任感も失われてしまうよ。だから、アメリカでは、外国人に参政権を認めていないし、アメリカ生まれでないと大統領選挙にも出馬できない。ヨーロッパ諸国にしても、フランスやドイツといった大国では、EU圏外の外国人について参政権を認めていない。国際社会の主流はあくまで参政権と国籍はセットになっているという考え方だよ」

B 「アメリカやイギリスやフランスの場合、国籍のしくみが日本と違って生地主義だから、そこで生まれたこどもは親の国籍に関係なく国籍が保障されるよ。たとえ両親が不法入国者であったとしても、国内で生まれたこどもには国籍が保障されるしくみなんだ。だから、国内で生まれ育ったのに外国人というこどもは基本的に存在しない。日本で在日の人たちが二世・三世の世代になっても日本国籍が保障されないのとはまったく事情が違っているよ。それに、ベルギー、フランス、イギリス、ギリシャ、アイルランド、イタリア、オランダ、ポルトガルといった国では成人の二重国籍も認めていて、以前の国籍を抹消することなく、新たな国籍を取得できるようになっている。だからヨーロッパには二重国籍・三重国籍の人たちがたくさんいる。そういう事実を無視して、参政権と国籍はセットになっているのが国際社会の主流だとか、国籍は愛国心と忠誠心表明だなんていうのは時代錯誤の国家主義だよ。外国人はみんなスパイだとでも言いたいわけ?先進国の中で、日本みたいに国籍取得の申請が困難だったり、国内で生まれ育ったのに両親が外国籍だという理由で国籍を保障しないのはめずらしいよ」

A 「アメリカやオーストラリアや南米諸国は、移民の国だから生地主義の国籍制度を採用しているわけで、日本とはまったく歴史が違うよ。日本の場合、明治の文明開化以来、ずっと民族的一体感によってによって人々の連帯感を高めてきたわけだから、それが失われてしまったら、日本社会がバラバラになってしまう危険性がある。それぞれの国にそれぞれの歴史があるわけだから、なんでも欧米式のやり方をまねすればいいっていうのは間違っているよ。それにヨーロッパの場合は、EU統合によって国籍取得のしくみが簡素化されたわけで、EU圏外の人が国籍を取るのは依然としてきびしい。例えばドイツには、トルコから来た出かせぎ労働者やその家族が300万人弱くらしているけど、ドイツも日本といっしょで国籍制度が血統主義だから、ドイツ生まれの二世・三世もやはり「外国人」として暮らしている。アメリカもヒスパニック系の不法移民が増加して社会問題になっているから、最近ではアメリカ国籍を取るのはどんどん難しくなっている。すぐにでも地球市民になれる時代が来るかのように言うのは現実が見えていないよ」

B 「ドイツの帰化審査は日本よりもずっと簡素化されているし、ドイツで合法的に8年以上暮らしている両親の元で生まれてこどもについては、ドイツ国籍も保障されるよ。さらに現在では、トルコ系住民の二重国籍を認めるかどうかについてまで検討されている。これだけ国際化が進んで、大勢の人が国境を越えて暮らすようになれば、どこの国でも、外国人の権利保障は重要な課題になってるからね」

A 「でも、アジアのほとんどの国は日本同様に血統主義を採用していて、両親が外国人の場合、こどもには国籍が保障されない。帰化の審査だって、韓国や中国は日本以上にきびしいよ。日本に永住している外国人は圧倒的にアジアの人が多いわけだから、日本の国籍制度を国際状況の異なる欧米と比較するよりも、アジアの国々と比較するほうが妥当だよ」

B 「植民地にされた歴史を持つアジアの国々と侵略した側である日本とを同列に論じるのは間違っているよ。アジア各地での植民地支配から人々が立ち上がって外国の侵略に対抗するためには、ナショナリズムは有効だし、その後の国づくりもナショナリズムを拠り所にするっていうのもある程度仕方ないと思う。でも、日本の場合は、逆に極端なナショナリズムによってアジアを侵略した歴史を持っている。そういう日本が戦後もナショナリズムを社会の求心力にしているっていうのはまずいよ。韓国は植民地支配からの自立ということでナショナリズムを強調して国づくりをしてきたけど、外国人の増加と国際化による政策の転換によって2005年には公職選挙法が改正されて永住外国人の投票も可能になった。一方で、侵略した側である日本がいまだにナショナリズムを社会の求心力にしているっていうのは、過去の侵略の歴史からなにも学んでいないように見えるよ。ナショナリズムによる連帯感は「同じ」であることを人々に求める。そういう社会では、マイノリティや立場の異なる人を差別・排除しようとする傾向がどうしても強まってしまう。ナチスによるユダヤ人のホロコーストはその典型だよね。日本では、そういう同質性がアイヌの人たちや沖縄の人たちや在日の人たちへの差別につながっていった。確かにナショナリズムは強い団結力を生みだすから、19世紀の帝国主義の時代には外国の侵略に対抗するという意味では効果があった。でも、現代は国連を中心とした国際協調の時代になっている。日本にも大勢の外国人が暮らしている。そういう時代にナショナリズムを強調するのは、むしろマイノリティへの差別や国家間の緊張をあおるという点でマイナス面のほうが大きいよ」

A 「それははじめに言ったように、現代もけっして国家間の緊張がなくなったわけではないってことだよ。ナショナリズムをどう評価するかは、その人が現代の世界をどういうふうにとらえているかによってまったく違ってくるわけだから、この問題をこれ以上議論しても意味がないと思う」

B 「じゃあ話を在日の人たちにしぼって考えよう。在日韓国・朝鮮、あるいは台湾の人たちの場合、日本で暮らすようになった背景は、日本の植民地支配にあるわけだよね。戦前・戦中の植民地支配によって一方的に彼らを「日本人」にした。そういう中で彼らは日本へ出かせぎに来たり、強制連行によって日本につれてこられて奴隷労働をさせられたりしてきた。ところが、日本が戦争に負けて植民地を失ったとたん、今度は日本国内に植民地出身者が大勢いるのは混乱のもとになるって一方的に国籍をはく奪した。そういう歴史的事情のある人たちに、「日本で権利が保障されたいなら日本国籍を取れ」と言うのは、あまりにもごう慢な発想だし、歴史的な理解に欠けているんじゃないかな」

A 「彼らの日本国籍が失われたのは、日本が戦争に負けて朝鮮半島が植民地から独立したためだから、それは仕方のないことじゃないかな。たしかに植民地支配や強制連行そのものは正当化できないけど、日本の敗戦によって彼らが日本国籍を失ったことにまで日本の責任はないと思うよ。それに彼らは戦後、朝鮮半島に帰るか日本に残るのかを選択できる立場にいた。実際、大戦末期には約200万人の朝鮮出身者が日本にいたけど、戦後の5年間でその半数以上が朝鮮半島に帰国している。とくに強制連行で日本につれてこられた人たちは、日本ではつらい思いしかしていないわけだから、ほとんどの人が朝鮮半島に帰国していった。だから日本に残った人たちは、自分の意志で日本に残ることを選択した人たちだといえる。そういう人たちが日本に定住して、社会の一員として生活していくためには、日本国籍を取得して立場をはっきりさせたほうが良いと思うよ。「特別永住者」というあいまいな立場のまま、参政権まで保障したら、現在のあいまいな状況がこの先もずっと続くことになってしまうよ」

B 「戦後に祖国へ帰るか残るか選択できる立場にいたという認識はまちがっているよ。日本政府は、200万人の植民地出身者が戦後も国内にいるのは混乱のもとになるという立場から、彼らに朝鮮半島へはやく帰るようにうながしていた。北朝鮮があたかも地上の楽園であるかのような宣伝まで行われた。植民地出身者の国籍はく奪も、帰国をうながす政策の一環として行われたものだ。ドイツの場合、戦争中にオーストリアを併合したけど、戦後はオーストリア人の国籍選択権を保障して、本人が意思表示すればドイツ国籍にもどせるようにした。一方、日本の場合、いっさい国籍選択権を認めず、もし日本国籍がほしければあらためて帰化申請をしろという対応をした。日本の帰化審査は非常にきびしい。手続きに何年もかかるし、くり返し法務局へ呼び出されて仕事や収入を調べられる。帰化の際には名前まで日本ふうに改めるよう指導される。これではとっとと日本から出て行けと言っているのとかわらない。こうした政策の中で、在日の人たちは1965年までは永住権すら認められず、いつ国外追放になるかわからない不安定な立場におかれた。そこには日本の国益のことしか頭になく、在日の人たちの人権保障はまったく考慮されていない」

A 「じゃあ、日本の植民地支配に背景のある在日の人たちについては、地方参政権だけでなく、申請すればすぐに日本国籍が取得できるようにするべきだと思うの?」

B 「うん、日本生まれの二世・三世だけでなく、在日一世についても、国籍を保障するべきだと思う。彼らについては、地方参政権なんて限定的な権利ではなく、二重国籍を認めるべきだと思うよ。心の祖国としての朝鮮半島や台湾とのきずなを残したいっていう人も多いだろうし、たとえ成人でも、祖国の国籍を失うことなく日本国籍を保障するのが、植民地支配に対する日本の責任じゃないの。イギリスにしてもフランスにしても、やはり植民地出身者の国籍取得については便宜がはかられている。祖国とのきずなっていうのは、その人にとってのアイデンティティだからね。そういう歴史的事情のある人たちに、権利が保障されたければ帰化しろ、日本だけに忠誠を誓え、名前も日本ふうに改めろなんて要求するのは、あまりにも非人道的だと思うよ」

A 「う〜ん、帰化審査の簡素化は良いと思うけど、二重国籍については反対だ。日本と韓国や北朝鮮との関係はうまくいっているわけではないから、どちらの国に帰属するのかあいまいになってしまう状況はけっして好ましくない。国籍っていうのは、くれるならもらっておくなんていい加減なものではなく、あくまで、日本の一員になるっていう思いを込めて、自分の意志で帰化してほしい。姓名を日本ふうに改めることについても、日本人として日本の社会を支えていく意思表示をしてもらおうっていうことで法務局は指導しているわけだから、けっして悪いことではないと思うよ」

B 「本人が名前を変えたいって望んでいるならそれで良いんだけど、役所が半強制的に指導するのはまずいでしょ。名前も変えて、祖国とのきずなも断って、日本に骨をうずめる覚悟を示さないと国籍をやらないなんて、ほとんど民族浄化だよ。在日の人たちが日本に帰化しない理由はひとりひとり事情がある。祖先や親族とのきずなを残しておきたいっていう人もいるだろうし、民族的出自にこだわりを持ってる人もいるだろう。あるいは、同じでなければ仲間と見なさない日本社会の同質性に反発してる人もいるだろう。「差別されたくなければ差別する側に来い」っていう考え方は納得できないって。あるいは、年配の人には、戦前に日本人にさせられて戦後に国籍をはく奪されて今度は帰化するのに何年も調べられるなんてまっぴらだと怒っている人もいるだろう。そういうひとりひとりの心情を無視して、「権利を保障されたければ、まず日本に帰化するべきだ」と言うのは無神経だし、問題の本質にふたをする発想だよ」

A 「この問題の本質ってなんだと思うの?」

B 「もちろんナショナリズムと戦争責任と差別の問題。だから、この外国人参政権の問題は、権利保障についての法律解釈を越えて、賛成する人も反対する人も心情的な部分で熱くなるんじゃないの。在日の人たちの地方参政権っていうのは、そうした大きな問題のほんの氷山の一角をとりあげているにすぎない。はっきり言って枝葉の問題だよ。彼らには、参政権だけでなく、軍人恩給も障害者年金も被爆者手帳も受け取る権利がある。戦後、日本政府は植民地出身者をはやく国外に追い出そうとして、一方的に国籍をはく奪して、そうした様々な権利保障から閉め出してきた。1980年代以前は、国民年金や国民健康保険にすら加入できなかった。そのやり方はあまりにも強引だし、ドイツのように国籍の回復を保障するか、当分の間、二重国籍を認めてその間に本人が選択できるようにするべきだった。その政策の誤りをいまから是正するには、二重国籍を認めるしかないと思う。逆にそうして立場の異なる人たちを社会の一員として受け入れていかないかぎり、差別はなくならないと思うよ」

A 「でもさ、日本社会が外国人に対して閉鎖的で、在日の人たちに差別的だって言うけど、むしろ在日の人たちのコミュニティのほうがずっと閉鎖的で排他的に見えるよ。在日の人と結婚した日本人は、むこうの親戚からあれこれ言われてすごく大変っていう話をよく聞くしね。とくに北朝鮮系の人たちについては、民族教育を受けていて祖国とのつながりも強い。そういう日本社会に敵対心を持っている人たちに地方参政権や国籍を保障するっていうのは、リスクが大きすぎるよ」

B 「ちょっと待って、朝鮮人学校に通っている生徒やその家族全員が熱烈なキム・イルソン信奉者っていうのは、あきらかに間違った認識だよ。大半の親はハングルの読み書きや朝鮮の生活慣習をこどもに身につけさせたいっていう理由で通わせてる。だから、韓国国籍の生徒も多い。それに在日の人たちのコミュニティが閉鎖的だっていうのは、長い間、日本で差別的な扱いを受けてきたからだよ。誰だってそういう目にあっていれば、仲間同士で結束して日本人に警戒心を持つようになる。関東大震災のときには、朝鮮人が井戸に毒を入れたっていうデマが流れて、千人くらいの人たちがリンチされて殺されているし、いまでも在日の人たちを見下している日本人は少なくない。ネットの掲示板には「朝鮮人はとっとと朝鮮に帰れ」なんて差別意識まるだしの書き込みを見かけることもある。在日であることを理由にいじめられたり、就職で理不尽な扱いを受けた人も多い。最近は露骨な差別はだんだん減ってきたけど、それでも在日の若者がクラスの友達とオープンに国籍について話せるほど、寛容な社会になったわけではない。それに、そもそも民主主義っていうのは、異なる考えに耳を傾け、社会への批判精神を持って発言していくものだよね。それなのに、「日本に文句があるなら日本から出て行け」「日本に批判的な者は社会参加させない」という考え方は、民主主義の精神をまったく理解していないものだよ。考えてみなよ、もしアメリカでアラブ系の人たちが政府に批判的だからって彼らの参政権をはく奪したら、それはナチスがユダヤ人にやったこといっしょじゃないか」

A 「でも、植民地政策にルーツのある在日の人たちは、1991年に特別永住者制度が導入されて、日本人と同等の社会保障を受けられるようになっている。現在では、国民健康保険にも加入できるし、国民年金にも加入できる。もちろん、出かせぎの外国人とちがって労働の制限もない。それなのにこれ以上、外国人というあいまいな立場のまま、権利ばかりを拡大させる必要はないと思うよ」

B 「特別永住者がまるで日本人同等の権利が保障されているっていうのは事実ではないよ。現在の日本の制度では、特別永住は「資格」であって「権利」ではない。この差は大きい。「資格」ということは、政府の判断でいつでも取り消せる事を意味している。彼らが海外に出国するときには事前に再入国許可申請をしなければ、特別永住資格を取り消されてしまう可能性もある。だから、彼らは依然として日本社会の中で不安定な立場にあるし、1998年には、国連の人権委員会から是正を求められたこともある。そもそも日本政府による外国人への差別的な対応は世界的にもよく知られている。国際空港の外国人窓口には「foreigner」じゃなくて「alien」って書いてあるし、長期滞在する場合は指紋まで採取される。アパートの部屋を借りるときだって、外国人っていうだけで断られることも多い。「外国人お断り」の温泉をめぐっては、裁判になったこともある。そのため、外国人留学生の8割が日本を嫌いになって帰国しているっていうデーターもある。欧米では人種差別撤廃条約を批准したのを機に、1970年代に国籍や人種による差別を処罰する法律がつくられたけど、日本ではいっこうに法制化される気配がない。日本の社会はけっして外国籍の人たちに寛大な社会というわけではないよ」

A 「もちろん、差別的な部分については改善していく必要があると思うよ。でも、それと参政権を認めるかどうかとは性質のちがう話だよ。だって、国籍によって参政権を制限するのは差別というわけじゃないからね。たしかに参政権は基本的人権のひとつだけど、本人の判断能力や社会的立場によってある程度制限されるものだ。だから未成年に参政権がないのも、外国人に参政権がないのも、差別というわけではない。日本は外国人に差別的だから参政権を保障していないという発想は短絡的だ。外国人差別の問題と外国人参政権の問題とは分けて考えるべきだよ。ここではひとまず、日本で十年以上暮らして永住資格や特別永住資格を持っている外国人について、地方参政権を付与するべきかどうかにしぼって話をしよう」

B 「1990年代の日系外国人についての労働規制緩和で、最近では大勢の日系ブラジル人や日系ペルー人が出かせぎに来るようになったよね。在日の人たちのように日本の植民地支配に背景がある人たちの数は横ばいで推移してるけど、こうした日系の出稼ぎ外国人はこの20年で急増している。自動車の組み立て工場をはじめとして、彼らの労働力がないと成り立たない職場も多い。そうして彼らを受け入れたのなら、たんに「使い捨ての安い労働力」として扱うのではなく、権利保障やサポートもしていく必要があるはずだよ。「使い捨ての安い労働力」として扱われることは、彼らにとっても不幸だし、そのことで彼らが不満や怒りをつのらせれば、それは将来、日本社会に跳ね返ってくることにもなる。だから、一定期間合法的に日本で暮らして、永住資格を持っている人たちについては、地方参政権を保障して、地域の一員として積極的に受け入れていくべきだと思うよ。日系ブラジル人や日系ペルー人の多い地域では、すでに彼らに自治会へ参加してもらって一緒に活動しているところもある。こういう取り組みはすごく良いと思うんだ。一緒にお祭りの準備をしたり、ゴミ出しのルールを決めたりすれば、偏見や不信感も消えていくからね。地方自治というのは、本来そういう活動の延長線上にあるはずだよ。自分たちの住む地域を自分たちの手で良くしていこうというのが地方自治の本質なんだから。やる気があって人望があるなら、ブラジル人の自治会長さんも大いに結構だし、市議会議員になっても良いと思うよ」

A 「出かせぎで日本に来た人たちはどうしても特定の地域に固まって暮らすようになるよね。たしかに地域に暮らす日本人と交流があったうえで社会参加していくなら、互いに良い関係が築いていけるけど、彼らが地域の日本人から孤立したままそこに「ブラジル村」や「ペルー村」をつくって、政治の主導権をにぎったら、地域社会が崩壊してしまう危険性があるよ。現在、日本で暮らしている日系ブラジル人と日系ブラジル人は、あわせて40万人弱だけど、このまま増加したら、今後、日本の中に小さな外国ができてしまうことも考えられるよ」

B 「それをふせぐためにも、彼らの参政権を保障して、積極的な社会参加や地域の日本人と交流を持つことは意味があるんじゃないかな。彼らは日本で非常に不安定な立場で働いている。日本へ呼び寄せたこどもたちも言葉の壁から学校でいじめられるケースも多い。そういう彼らの状況を改善するためにも、地方参政権の保障は必要だと思うよ」

A 「でも、フランスでは、アラブ系移民が集まっている地域の治安の悪化が深刻な問題になっていて、他のフランス人にとって近寄りがたい雰囲気になってしまっている。2005年には、アラブ系の若者による大規模な暴動までおきた。フランスの場合、国籍制度は生地主義だから、フランス生まれのアラブ系市民にはフランス国籍があるし、社会保障だって日本よりもずっと充実している。それにもかかわらず各地に「アラブ人村」ができてしまい、そこに暮らす若者たちはフランス社会への不満をつのらせている。自分たちは肌の色や宗教のせいで差別されているって。だから、こうした問題はたんに参政権を保障したり、社会保障を手厚くするだけでは解決しない。それよりも、住民同士の交流を活発にしていくことが重要だと思うよ。それをしないで権利だけ保障しても、今度はさらに国政の参政権と要求がエスカレートするだけだよ」

B 「たしかに住民同士の交流は大事だね。まずそれが一番重要だと思う。ただ、この問題は、たんに地域の治安の問題というだけでなく、外国から出稼ぎに来た人たちをどう支援し、どう社会参加をうながすかという問題でもある。彼らは生活の保障のないままきわめて不安定な立場で働いているし、こどもたちの学校でもポルトガル語やスペイン語を話せる先生はいないから授業もよくわからない。彼らに参政権を保障することで、こうした問題を積極的に改善しようというきっかけになるはずだよ。参政権も社会保障もない現在の日本の状況では、彼らはまるっきり使い捨ての労働力あつかいだからね」

A 「ただ、彼らの地方参政権を認めた場合、はじめに言ったようにその決定が国政にも影響をおよぼすという問題が生じる。原発やアメリカ軍基地の受け入れといった問題はその典型で、日本全体の舵取りにも大きな影響をおよぼすよね。そういう日本の重要な決定に外国人が関わるっていうのは、いくら十年以上日本で生活して永住資格があってもまずいと思うよ。実際、最高裁判決でも、外国籍の者が政策決定に関わることは認められないっていう判決が出ている。東京都に保健師として勤める在日韓国人の鄭香均(チョン・ヒャンギュン)さんが、外国籍だからといって公務員管理職試験を受けられないのは、法の下の平等に違反するとして東京都を訴えたんだけど、2005年に最高裁は、公務員の管理職は公権力を行使する立場にあるから、国籍による制限には合理性があると判断している。公権力の行使という点では、地方公務員の管理職になることも地方参政権を持つこともいっしょだよね。とくに地方自治体の議員や首長は公権力を直接行使する立場だから、外国人がなるのは問題だよ。だから、被選挙権についてはとくに強く反対だな」

B 「2005年の鄭香均さんの最高裁判決は、管理職試験の国籍による制限はあくまで自治体の裁量権の範囲内というものだよ。それは、管理職として採用するのもしないのも自治体の判断にまかせるっていうことで、採用を禁止するっていうことではない。もちろん鄭香均さんは記者会見でこの判決に激怒していたし、行政の裁量権を大きくとらえる判決は、三権のチェック・アンド・バランスを欠いて行政権の肥大化を招くから、良い判決だとは思わない。たしかに、日本国籍を持たない人が総理大臣や外交官のような日本を代表する立場につくのは問題があると思うけど、都の保健師を「公権力を行使する立場」って解釈するのは現実にそぐわないよ。それに鄭香均さんは在日二世で、日本で生まれ育った人だ。生地主義の国なら国籍自体が保障されている。そういう人までひとくくりに「外国人」として排除してしまうのは、あまりにも形式主義的なやり方だと思うよ。北欧諸国やニュージーランドでは、3年くらいその国で合法的に暮らしていれば被選挙権もふくめて地方参政権が保障されるのに、日本では何世代にもわたって暮らしている在日の人たちに参政権もなければ、公務員の管理職にもなれないなんてね、ちょっとあんまりじゃないの」

A 「この判決は、国の舵取りをする責任はそれだけ重たいってことを意味しているんだよ。だから感情論で流されるべきではない。そもそも、日本国憲法15条では、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」とはっきり規定している。「国民固有の権利」というのは、参政権と国籍とは一体のものだと解釈できるよ」

B 「それはちがうよ。国民主権というのは、はじめに言ったように政治の最高決定権は君主でなく人々にあるという原則のことだから、国籍による排除を意味していない。たとえば憲法11条には、「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない」とあるけど、もし「国民=日本国籍保有者」ならば、外国人には基本的人権がないことになってしまう。こんなバカげたことはない。それに憲法14条の「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」という規定だって、「国民=国籍保有者」だとしたら、外国人は差別してもかまわないということになってしまう。「基本的人権は人類普遍の原理」というのが近代政治の理念だし、日本国憲法の根幹でもあるわけだから、国籍の有無で基本的人権が制限されるという考え方は、明らかに憲法の理念から外れるものだ。憲法15条にしても、君主が政治家や官僚を勝手に任命してはいけないっていうイギリス名誉革命以来の近代政治の原則をなぞっているだけだよ。つまり、政治家や官僚を任免するのは、天皇ではなく、民の権利だと。そういう憲法15条をたてに、国籍による排除を持ち出すのは見当違いだよ」

A 「でも、在日韓国の人たちが地方参政権の保障を求めておこした裁判では、最高裁に棄却されている。この1995年の最高裁判決では、「憲法上、国籍のない外国人の参政権は保障していない」という判断を示している」

B 「この1995年の最高裁判決は、地方参政権の請求を棄却する一方で、「法律で永住外国人に、自治体の長、議員の選挙権を付与することは、憲法上、禁止されていない」とも付け加えている。つまり、この最高裁判決は、外国人の参政権は具体的に憲法で保障されてるわけじゃないけど、同時に憲法で禁止されているわけでもないから、選挙法の改正は国会の判断にまかせるよって言っているものだよ。だから、この裁判の原告だった在日韓国の人たちは、この最高裁判決を自分のたちの主張を後押ししてくれるものとして歓迎しているんだ」

A 「それは拡大解釈じゃないかな。1995年の最高裁判決は、「憲法上、国籍のない外国人の参政権は保障していない」が本論で、「法律で永住外国人に、自治体の長、議員の選挙権を付与することは、憲法上、禁止されていない」の部分はつけ足しにすぎない。このふたつの判決文はまったく逆のことを言っているわけだから、どちらが最高裁の判断としてメインかと言えば、在日韓国人の訴えを棄却しているはじめのほうということになる」

B 「でも、憲法93条2項では、地方参政権についてこう規定されている。「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する」ここでは「国民」でも「国民固有」でもなく、「住民」と記されている。つまり、地方参政権については、国籍に関係なくその地域の住民が選挙するということになる。今回のテーマは地方参政権についてなんだから、憲法にはっきりと住民と記されていることを重視するべきだよ」

(2004-2011)



「外国人地方参政権」賛成59%・反対31% 〜毎日新聞世論調査
毎日新聞 2009.11.24
◇賛成59%、反対31% 民主、公明層で高い支持−−本社世論調査
 永住外国人に地方参政権を与えることについて、毎日新聞が21、22日実施した全国世論調査で賛否を尋ねたところ、59%が賛成と答え、反対の31%の倍近くに上った。鳩山内閣を支持する層では64%、支持しない層でも54%が賛成だった。
 民主党や公明党は永住外国人に地方参政権を与える法案の国会提出を検討しており、調査では民主党支持層の61%、公明党支持層の84%が賛成と回答した。公明党は政府・与党が法案を出せば協力する構えを見せており、民主党政権の誕生によって法制化の機運は高まっている。
 ただ、野党第1党の自民党内には外国人参政権への反対が強く、自民党支持層は賛成49%、反対42%と回答が二分した。民主党支持層も33%が反対と答え、こうした意見が同党内の根強い慎重論につながっているようだ。
 年代別にみると、30〜50代の6割以上が賛成する一方、70代以上では賛成が46%と半数を割り、世代間の温度差も示した。



外国人参政権に賛成60%、反対29% 朝日世論調査
朝日新聞 2010年1月19日0時3分
 永住外国人に地方選挙で投票する権利を与えることに賛成する人が60%にのぼることが、16、17日に朝日新聞が実施した全国世論調査(電話)の結果わかった。「反対」との意見は29%だった。
 政府と民主党は、地方選挙権付与法案を今国会に提出することで合意している。民主支持層では賛成が70%とさらに多く、反対は23%にとどまる。内閣支持層でも賛成70%、反対23%だった。
 自民支持層では賛成と反対がともに45%で並んだ。自民党内では反対意見が優勢だが、支持者の意識とは必ずしも一致していないようだ。
 世代別では、30、40代で賛成が7割台なのに対し、60代では54%、70歳以上では37%にとどまる。



 → 法務省報道発表資料「平成20年末現在における外国人登録者統計について」

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