イチロー「審判が退場すべき」 スーパースターにあるまじき発言《ヒルマニア》 スポーツ報知 2008年5月25日 ◆ヤンキース13―2マリナーズ(23日・ニューヨーク) マリナーズのイチロー外野手(34)が、敵地でのヤンキース戦で4打数無安打。2回、2打席連続での見逃し三振の判定に激怒、ディミュロ球審に猛抗議し、同じくクレームをつけたマクラーレン監督が退場となった。試合後、イチローは「審判が退場すべきですね」とメジャーではタブーの審判批判発言。今後、波紋を呼びそうだ。試合は4番に復帰した松井秀喜外野手(33)が3安打2打点をマークするなどヤ軍が圧勝した。 第1打席、左腕ペティットの内角低めのスライダーを「ストライク」と判定された時、ディミュロ球審を横目でにらんだだけだったイチロー。1点を先行した2回、2死一、二塁。フルカウントからの内角スライダーを再び「ストライク」とコールされると、猛然と食い下がった。三塁ベンチからはマクラーレン監督も飛び出して抗議。退場となった。 試合後、「(元中日の)大豊さんが怒った気持ちがよく分かる。きょうは審判が退場すべき」とイチローは吐き捨てるように言った。ディミュロ球審が97年、セ・リーグで審判を務めていた際、判定を巡って大豊とトラブルになった事例を出し、皮肉った。昨年も審判には厳しい発言を繰り返していたが、米大リーグでタブーとされる“審判批判”は、今後、物議を醸しそうだ。 テレビで見る限り、第1打席と同じような軌道のボール。追加点のチャンスだっただけに、バットコントロールが自慢のイチローならカットできたのではないか。 今年のイチローは走者得点圏で34打数5安打、打率1割4分7厘とさっぱりだ。デビューした01年の4割4分5厘を筆頭に、昨年まで得点圏通算打率が3割5分1厘と勝負強さが持ち味だっただけに、首をひねる成績。好機での三振も、この試合を含めて7個と安打数を上回っている。“安打製造機”で1番打者のイチローが適時打を放てば大量点に結びつくが、三振ではチームのムードに水を差すことになる。 過去7年、5月23日時点ではすべて3割をキープ(最低は03年の3割1分4厘)していた。1試合で1人の投手に2度見逃し三振は03年T・ハドソンに次いで2度目の屈辱。この日の抗議も、一向に復調しない自らの調子、そして、予想していた配球とは違う攻めをされたふがいなさへの怒りだったのか…。いずれにしても「審判が退場すべき」というコメントが本音なら、スーパースターにあるまじき発言、と言わざるを得ない。=随時掲載= ◆ディミュロと日本 父親もメジャーの審判員だったディミュロ審判員は3A時代の1997年、技術向上を目的とした日米審判交流の一環で来日。セ・リーグでジャッジした。6月5日の中日・横浜戦で球審を担当した際、中日・大豊泰昭選手がストライクの判定に猛抗議。退場処分を言い渡した時に胸を突かれ、「身の危険を感じた」と辞任してしまった。米国のストライクゾーンで判定していたことで、以前にもトラブルがあり、わずか3か月での帰国となった。 → スポーツ報知「イチロー「審判が退場すべき」 スーパースターにあるまじき発言」