クロ箱 index   このサイトは?   演習授業 index   サイトの制作者   メール送信



  沖縄のアメリカ軍基地


 この回の授業では、アメリカ軍基地の問題を中心として、沖縄の戦後史を考えました。とくに、1996年当時、連日テレビや新聞で報道された少女のレイプ事件と基地の問題に注目して、なぜ、沖縄の人たちはこれほどまでに基地のない沖縄にこだわってきたのかという問いから考えを進めていきました。なお、生徒には、以下の資料をみてもらった後、基地縮小に賛成・反対という立場から意見を書いてもらいました。
 
【資料1.沖縄の基地をめぐるこの一年の動き】
 
1995.9  三人のアメリカ軍兵士による少女への暴行事件がおこる。事件の悲惨さと、犯人の身柄がアメリカ側から沖縄の警察にスムーズに引き渡されなかったことから、沖縄の人たちの怒りが爆発する。沖縄では、1972年に日本に復帰した後も、アメリカ軍兵士による犯罪が4700件もおこっている。しかも、そのうちのほとんどが十分な損害賠償(ばいしょう)が行われず、裁判もうやむやになることが多い。そのため、今までのたまっていた不満がふきだし、アメリカ軍基地への反対運動に広がっていく。
 
1995.10  約八万人を集めた大きな抗議集会が行われる。集会の主な主張は、沖縄のアメリカ軍基地を縮小、あるいはなくすことと、日米地位協定の不平等な点を見直すことだった。集会には、高校生などの若い人も多く、高校三年生の女子生徒による演説は注目を集めた。
 
1995.10  太田沖縄県知事が、県民の声を背景に、土地を基地に提供する署名を拒否する。その後、この土地提供をめぐって、日本政府と沖縄県知事との間で裁判になる。
 
1996.3  暴行事件の判決が出る。(→ビデオ)懲役七年の刑が、那覇地方裁判所で言いわたされた。しかし、その後も沖縄の基地縮小を求める運動は続く。
 
1996.8  土地提供の裁判で、沖縄県側が負ける。
 
1996.9  県民投票が行われる。(→ビデオ)これはアメリカ軍基地の縮小と日米地位協定の見直しについて、沖縄県民の声を直接聞こうという意図で行われた。投票の結果は、有権者の59%が投票し、そのうちの89%が基地縮小に賛成と答えた。
 
1996.9  沖縄県知事と橋本総理大臣との間で、基地問題についての話し合いが行われる。これにより、沖縄のアメリカ軍基地の縮小、また、主要な産業のない沖縄県への特別な経済対策を行うことが確認される。
 
【資料2.ビデオ】
 
●1996.3.7 テレビ朝日「ニュースステーション」米兵による少女暴行事件の判決
 懲役7年の判決が出た日の沖縄の様子と昨年9月からの動きを振り返る。
 
●1996.9.9 テレビ朝日「ニュースステーション」基地をめぐる沖縄県民投票の結果
 県民投票の結果と、投票日の沖縄の様子。賛成、反対それぞれの声。
 
●1995.6.24 TBS「ニュース23」沖縄慰霊の日特集
 沖縄戦終結から50年目の沖縄の様子と「平和の礎」の紹介。
 
●1995.6 NHK「ETV」1フィート運動による沖縄戦の記録
 アメリカ軍によって撮影された沖縄戦の記録フィルムに解説をつけたもの。 はげしい地上戦の様子と両軍の間で悲惨な状況におちいった沖縄の人々のくらしが記録されている。また、沖縄の人たちにとって、大戦末期のアメ
リカ軍の収容所でのくらしが、そのまま戦後の生活の始まりとなり、現在の基地に囲まれたくらしにつながっている様子も描かれている。
 
【資料3.参考意見】(沖縄基地についての代表的な意見を村田がまとめたもの。授業時に紹介。)
 
基地縮小に賛成
 
●沖縄県は、1972年にアメリカの占領下から日本に復帰した。にもかかわらず、日本にいるアメリカ軍の75%が沖縄県に集中しているのでは、占領時代と変わらないではないか。
 
●沖縄県の土地の面積は、日本全体の0.6%にすぎない。そんなせまい沖縄県に、全国の75%基地が集まっているのは不公平だ。
 
●確かに、日米安全保障条約によって、日本にアメリカ軍基地をおくことをきめている。しかし、「日本にアメリカ軍基地が必要だ」と言うのなら、日本全国で平等に基地を受け入れるべきだ。
 
●1972年に日本に復帰してから、沖縄県でのアメリカ軍兵士による犯罪は4700件もおこっている。これらの事件のほとんどが、十分な損害賠償が行われていない。また、日本政府による対策もとられていない。
 
●沖縄県以外の基地、例えば横須賀や横田では、地元と基地はうまく行っているし、犯罪も少ない。沖縄だけが、米軍兵士による犯罪が多いのは、沖縄に基地が多すぎることと、いまだに兵士たちに沖縄を占領地と見下す気持ちがあるからではないか。
 
●沖縄は、太平洋戦争の中で、日本で唯一、地上戦を経験した地域だ。この戦いは大勢の戦死者や被害者を出すひさんなものだった。そのため、現在の沖縄県は日本で最も平和運動がさかんな地域だ。そういう地域に基地が集まっているのは、沖縄の人たちの気持ちを無視している。
 
●日米安全保障条約そのものがまちがっている。日米安保は日本とアメリカの軍事同盟だ。このことは、平和主義で軍隊を持たないことを決めている日本の憲法に違反している。
 
●日米安保は、アメリカとソ連の対立がはげしかった1950年代につくられ、その後も続いている。これはそもそも、アメリカ軍基地を日本につくって、ソ連に対抗するためだった。こういう条約が、ソ連がなくなり、冷戦が終わった今になっても続いているのはおかしい。
 
基地縮小に反対
 
●沖縄では、約八千人もの県民がアメリカ軍基地で働いている。もしも、基地を廃止してしまったら、彼らは失業してしまう。しかも、沖縄県には主要な産業がなく、失業している人の割合が日本で最も高い地域だ。だから、失業している人への対策をしない限り、基地廃止や縮小には反対。
 
●日米安保によって、日本はアメリカ軍によって守ってもらうことと、アメリカ軍に基地を貸すことを決めている。この条約がある以上、日本のどこかでアメリカ軍基地を引き受けなければならない。それならば、今あるところにがまんしてもらうしかない。
 
●今さら「アメリカ軍基地を移せ」と言っても、他の地域で受け入れるのは難しい。それに、あれだけ大きな基地を新たに別の場所につくるのは、ばく大なお金がかかる。
 
●日米安保は必要だ。アメリカ軍の力がなければ、日本を守ることはできない。
 
●確かに、ソ連はなくなり、冷戦は終わった。しかし、北朝鮮のスパイ事件をはじめとして、いぜんとしてアジアは不安定な情勢だ。そのため、アメリカ軍が日本にいてくれることは、日本の安全を保障するだけでなく、アジア全体の安定のためにも役立っている。
 
●沖縄はアジア全体を見わたせる位置にある。そういう所に、アメリカ軍の大部隊がいれば、朝鮮半島、台湾、東南アジアなどアジアのどの地域で紛争が起きたときでも、素早い対応がとれる。
 
 
 生徒のレポート
 
基地縮小に賛成
 
●基地縮小に賛成です。
 私は去年の冬休み、沖縄に行きました。飛行機がうるさかったのをおぼえています。
 もしも、逆に、日本の軍事基地がアメリカにあったとしたら、アメリカの人々はどうするだろうかと想像してみた。アメリカの人々は、外国の基地があることをゆるさないだろうし、大きな反対運動がおこるだろうと思います。
 1972年に、アメリカは沖縄県を日本に返したのだから、いまだに軍事基地があるのは、やはりおかしいと思います。 アメリカと日本は、この問題でもっと話し合う必要があると思います。
 
●賛成です。
 今まで、地元の人の意見を聞かないで、基地をつくり、ふやしてきた。 地元の人の意見を第一に考えていくべきだと思う。
 
●95年9月におきた少女暴行事件は、その被害にあった小学生の心の傷がうかがえます。
 その事件だけでもびっくりしたのに、沖縄返還後のアメリカ軍兵士による犯罪が、4700件もあったというのは、本当におどろきました。これはいくら何でもひどいと思います。
 あと、そうしたアメリカ兵による犯罪が、きちんと裁かれていないことも多いときいて、めちゃくちゃなんじゃないかと思いました。
 
●基本的には賛成する。
 しかし、日本はもう戦争をやらないと約束したので、中国その他の国から戦争をしかけられたら一発で終わりだ。だから、日米安保は必要だと思う。
その点で、日本政府としては、アメリカ軍の基地縮小はしにくいことかもしれない。
 
●戦争が終わって50年もたつし、日本はもう戦争なんてしないんだから、基地なんていらないと思います。アメリカ兵にとっても、日本で生活するより、自分の国でくらしているほうが幸せなんじゃないかな。
 
●基地のあとに工場なんかをつくって、そこで働けるようにすればいい。 だから、基地が小さくなることには、問題はない。基地は人が住んでいないような、小さな島に移せばいい。
 
●親に意見を聞いてみたところ、二人とも縮小に賛成だった。
 私は、アメリカ軍兵士による犯罪が多いことから、やはり賛成する。
 それに、他の県では地元ともうまくいっているみたいなのに、沖縄県だけで犯罪が多発していることも問題だ。きっと、アメリカ兵の心の中に、「沖縄はアメリカが占領しているんだ」という気持ちがあるんじゃないかと思う。
 
●沖縄で、アメリカ兵による犯罪があんなに多かったことをはじめて知りました。
 でも、それ以上に、その犯罪に対する損害賠償がきちんと払われていないことにおどろきました。日米安保という条約がある中で、そういういいかげんなことがあるとは……。
 アメリカ兵全員が悪いとは思いませんし、じゃまだとも思いません。しかし、基地を沖縄だけに集中させているのは、不公平だと思います。第二次世界大戦で大勢が犠牲になった沖縄の人々にとって、平和を願う気持ちが強いほど、このことは大きな問題だと思います。
 
●植民地でもないのに、他国の軍事基地があるなんておかしいと思う。
 昔、日本が戦争に負けたことと、今の時代にアメリカ軍の基地があることとは別の問題だ。日本の政府は、やっぱり、米国にいい顔がしたいから基地をおいているんだと思う。それに、本土だと文句が多いので、国民の目がとどきにくい沖縄に基地をそのまま残してきたんだと思う。
 日本に基地があって、そこが使われているということは、日本もアメリカの戦争の手助けをしていることになる。実際に、ベトナム戦争では、沖縄から
大勢の兵隊が出ていっている。
 私は基地縮小に賛成、大賛成だ。本土移転にも反対。
 
●基地移転は早くやるべきだ。こういうことに税金が使われるのなら、国民も納得すると思う。基地の引受先がなければ、人工の島をつくってでもやる
べきだ。
 
●僕は沖縄に行ったことがある。
 軍用機がはんぱじゃなくて、うるさくて耳が痛くなった。
 だから、縮小というよりも、無くすほうがいいと思う。
 
●日本の政府は、アメリカをひいきしすぎている。
 他の国からどう見られているかはあまり気にかけないのに、アメリカになるとその状態が逆転してしまう。それに、沖縄県民にとって、基地に囲まれていることは、戦争中の軍に包囲されていたときと同じ感覚だと思う。
 
●やはり縮小しなければいけないと思う。
 でも、アメリカ軍基地を日本からなくすことはできない。もし、他の国が攻めてきたとき、アメリカ軍が命を張って守ってくれるからだ。
 それにしても、沖縄でのアメリカ兵による事件が多すぎる。その数なんと4700件。沖縄の人たちをバカにしている。たしかに、兵士たちには、沖縄を占領地と見下す気持ちがあるのだろう。この気持ちが犯罪につながっているとしたら問題だ。
 
●日本国憲法で平和主義を決めているのに、日本にアメリカの基地をおいて守ってもらおうという考え方は変だと思う。
 
●アメリカ軍基地はなくしてしまった方がいいと思います。
 失業問題については、経済対策ができるらしいし、「日米安保」だって、ソ連がなくなったんだからもういいと思う。
 それに、アメリカ軍にたよって安全でいられるなんて、なんかムシが良すぎる。平和主義を唱えながら、そういうことをするのは、卑怯だ。 他の国の軍に守られるよりも、自分たちで守って、それでかなわなかったら、それはそれでいいじゃない。そうでなきゃ、平和主義とは言えない気が
する。
 
●基地があることで、日本はアメリカから守ってもらっている。
 しかし、何から守ってもらっているのだろう?日本は外国と戦争をしないはずではなかったのか?戦争をしない国を軍事力で守るというのは何か変な気がする。
 基地縮小による失業者の問題は、政府の経済対策が必要だと思う。しかし、なぜ、もっと前からやらなかったのだろう。政府は「基地がある」ことを前提に沖縄県を考えてきたのではないだろうか。だから、75%の基地が集中しているのに、沖縄の人たちが大さわぎするまで、何も対策をとらなか
ったのではないだろうか。
 ともかく、基地があって困っているのは、沖縄の人たちなのだから、彼らの意見を第一に考えていくべきだと思う。
 
●アメリカは自分たちの基地をつくるために、日本を利用しているだけで、日本を守る気なんかないと思う。
 かえって、戦争になったら、日本の基地からアメリカ軍が出発することになるために、日本が戦争にまきこまれることになる。そうなると、日本が敵からねらわれることになるし、日本が戦場になるおそれだってある。
 
●日米安全保障条約で、日本に基地をおくことをOKしたこと自体が失敗だと思います。
 
●基地縮小には賛成です。でも、アメリカ軍の基地をなくす必要はないと思います。
 日本が攻められたときに、アメリカに助けを求めるのなら、アメリカ軍基地を追い出すようなことは、自分勝手です。アメリカ軍の基地がなくなってほしいのなら、基地がなくなってもいいような平和な地球をつくることに、もっと努力するべきだと思います。
 
●沖縄でのアメリカ軍兵士による犯罪が多いのは、沖縄県ばかりに基地が集中しているからだと思う。日本全国で、平等に基地をわけた方がいいと思う。
 
●基地縮小によって、八千人が失業してしまうのなら、そういうところにこそ税金を使って、職場をつくってあげればいいと思う。
 それに、日本の自衛隊もそれなりの力を持っているし、別にアメリカに手伝ってもらわなくても平気だ。
 
●「北朝鮮が攻めてくるかもしれない」と考えている人が多いみたいだけど、アメリカ軍や自衛隊を強化して対抗するより、北朝鮮との関係を良くするほうが大事だ。
 北朝鮮との貿易を良くしたり、援助をもっとしたり、軍事力以外にもやり方は色々あるはずだ。
 
●平和主義の日本に軍備など必要ないのだ。沖縄の事件は、同じ日本人としてゆるせない!!!基地は縮小ではなく、は・い・じ・ょするべきだ!!
 
基地縮小に反対
 
●校庭で野球をしている。すると、そのすぐ上をアメリカ軍の飛行機が飛んでいく。この光景を「いつものこと」として見ているのは、どんな気持ちなのだろう。大人になったとき、どんな思い出として残るのだろう。
 しかし、基地を縮小しても、基地があれば飛行機は飛ぶ。それに、基地を他に移すとなると、沖縄県以外にひきうけ先を見つけなければならないし、大金がかかるだろう。そのお金を日本が出すことになったら、国民は納得しないと思う。あと、基地で働いている人たちのことも解決していない。
 だから、基地縮小より、日米地位協定の不平等な点を見直すことの方が先決だと思う。
 
●米軍兵士が沖縄の人を見下しているところがあるとすれば、とても悲しい。
 しかし、基地で働いている八千人もの人が失業してしまうのは問題だ。
 それに、日米安保条約がある以上、日本のどこかで基地を受け入れなければならない。それならば、たくさんのお金をかけて他にうつして、その場所でまた問題をおこすより、沖縄にとどまる方がいいと思う。 基地があることに反対ばかりしていないで、どうしたら基地とうまくやっていけるかという積極的に受け入れる努力をしていくほうがいいと思う。
 
●基地を縮小するなら、そのために失業してしまう人のことをきちんと考えて、対策をねる必要があると思います。その経済政策がうまく行った後でないと、基地縮小はするべきではないと思います。
 
●反対。日本にいるアメリカ軍が縮小されると、日本が過去に植民地にしてきた国々が、日本をねらってくると思う。その時、日本の自衛隊だけでは守りきれない。
 
●アメリカ軍によって日本は守られているんだから、基地は必要だと思う。
 それに、日米安全保障条約で基地をおくことを決めたのだから、条約は守らなければいけない。日米安保について、反対の人もいるけれど、この条約をむすんでいなければ、ソ連との対立がはげしかった時に、日本は大変なことになっていたと思う。
 日本にアメリカの基地があることは、国際交流のひとつとしてみれば、いい方向に考えられるのではないだろうか。
 犯罪の問題があるけど、それは日本政府が解決して行くべきことだと思う。基地があることとアメリカ兵による犯罪が多いこととは、別問題として考えて行くべきではないだろうか。
 
●基地が縮小されても、どうせ、そのあと地にビルや工場が建てられて、自然が破壊されるだけのことだと思う。
 
●たしかに、犯人の身柄がアメリカ側からスムーズに引き渡されないということは、すごく腹の立つ話です。でも、基地縮小には、色々、問題があると思います。失業者も出るし、基地をどこに移すのかも問題になるし、移転にかかるお金をどうするかも問題です。
 それに、いざという時、アメリカ軍の力がなければ、日本を守りきれないと思います。
 
●やはり、基地で働いている八千人の人たちのことを考える必要があると思います。
 この対策をきちんとすれば、基地縮小にはあまり反対しません。
 
●アメリカの基地がなくなったら、日本が戦争になったときに困る。
 それに、移すといっても、東京に来られたらじゃま。
 
●基地があることもアメリカ兵による犯罪があることも、敗戦国としての日本の宿命だと思う。
 
保留・その他
 
●基地縮小に賛成と言いたいところだが、今の状況を見ていると、無理なんじゃないかと思う。今のように、沖縄の基地がここまで大きくなってしまうと、よそへ移すのは困難だ。
 こんなふうになる前に、対処することはできなかったのかと思う。
 ただし、アメリカ軍が日本を守ってくれているということには、疑問に思う。
 
●犯罪から身を守るために、日本人も拳銃を持つべきだ。
 
 
【授業担当者の感想など】
 
■意見の割合は、基地縮小に賛成が約7割、反対が2割、保留が1割でした。賛成派の中でも、日米安保と在日米軍の必要性については、意見が分かれました。割合はだいたい半々でした。
 
■賛成・反対を問わず、ほとんどの意見で、次の二つは共通していました。
1.基地で働いている人のために、失業対策をすること。
2.日米地位協定を見直して、アメリカ兵も日本人と同じように警察の捜査を受け、被害者への損害賠償もとりきめること。
 1については、現在、沖縄への特別な経済対策が計画されつつあります。実現するかどうかは、もう少し様子を見る必要があるようです。
 2については、当分、改定されそうもありません。日本政府はアメリカ政府に弱腰なので、強く要求できないようです。このことについて、TBSのニュースで、筑紫哲也氏は、「政府は国民の安全や利益を守ろうとしていない」と批判していました。その一方で、アメリカABCのテレビニュースでは「アメリカの若者を危険にさらしてまで、アジアを守る必要があるのか」というコメントがありました。どうも沖縄の基地については、両国民のあいだで意識のズレがあるようです。

●●
●●

・ 演習授業 index ・ ・ クロ箱 index ・