日本近代登山の父 文学修士・王立地理学協会特別会員
ウォルター・ウェストン
生涯の著作と学術論文
![]() Walter Weston |
「日本アルプスの先蹤者」として中部山岳の様相を初めてヨーロッパに伝え、日本に山岳会の設立を促した「日本近代登山の父」ウェストンは、イギリス国教会伝道教会の宣教師として1888年日本の土を踏みました。以来3度15年間の日本滞在中、教会活動のかたわら都会を離れた農山村をたびたび訪れ、外国人未踏の知られざる山々を踏破するとともに、奥深い地の庶民と深く交流し、山の民をこよなく愛しました。そしてアルパインクラブ会員、王立地理学協会特別会員として日本の山岳、自然、地理、社会生活を調査し、日英の学術雑誌、新聞、出版物に150余の論稿を寄せました。 ウェストンは生涯に4書の著作を刊行し、登山と探検の記録のほかに、日本の地理、習俗、社会生活を自らの体験と幅広い知識を基に論じました。特に日本人の性格に対して自然、地理、気象が与える影響に関する論点が多くの著述に貫かれ、今日でもその意義は深く、生き生きとしており、日本の地理学、民俗学上の重要な実証的研究成果ともいえます。 ここでは、ウェストンの著作の初版オリジナルをはじめ、寄稿した学術雑誌、新聞、叢書などを特集しました。関連してウェストンと縁のあった登山家、同時代の日本の山岳に登った登山家、ウェストンに影響を与えた文献を紹介します。 |