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巨大な岩があるホンチョン岬。なぜこんなところにこんな大きな岩があるのだろうか。
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ポー・ナガル塔を出た私は再び自転車に乗り込みホンチョン岬へ向かった。そう遠くはない距離だ。海岸で自転車を置く。ここから岬までは小道、自転車で行けそうにはない。途中、ちょっとした食堂があったのでここで昼飯を食うことにした。今や東南アジアでのお気に入り、Fried Rice With Egg & Shrimpだ。東南アジアでエビを食って腹を壊したという話はよく聞く。エビはちょっと不安だったが、まあものは試しようだ。腹を壊せばあのきれいな部屋でちょっと休めばすぐよくなるだろう。ベトナム独特のヌクマムを代表する調味料の掛け方も教えてもらい、とてもおいしく食べることができた。この食堂の店員である姉妹は気さくで、外国人の私に対しても全く物怖じせず話しかけてきた。特に私が持参しているカメラに興味をしめしていた。「これはいくらくらいするの?」と聞いてきたり、しきりにファインダーを覗いたりして楽しんでいた。しばらくその姉妹とコミュニケーションを楽しんだ後、岬の先に向かって歩き出した。「地球の歩き方」には巨大な一枚岩があると書かれていたが、実際に見てみて驚いた。確かに巨大だ。そして照りつける太陽光を避けるため、その岩を日除けにしている人たちが多くいた。もしちょっとでも自信があってこの岩が転がりだしたら間違いなく潰されてしまうだろう。目の前には海が広がっていて、心地よい潮風が吹いてくる。ここからの眺めは最高だった。遠くにはいくつかの緑豊かな島が見え、海と逆を見ればこちらも緑の山々、空はとてつもなく広い。ここニャ・チャンは本当にのんびりした場所だ。岬の先には海の先を見ながら話し込んでいるベトナム人の子供たち。その先にあるまだ見ぬ世界に大きな夢と期待を抱いて語らっているのだろうか。
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岩影で休憩する人々。岩が転がりだしたらひとたまりもない。
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このままニャ・チャンの人々の台所となっているダム市場へ行こうと思ったが、どうも体調が上向きにならないので一旦宿に引き返すことにした。ちょっと休憩して体調が回復したら再度出発だ。ところが、炎天下の移動で疲れてしまったのか、あるいは風邪によって体力を奪われてしまったのか、窓から入ってくる優しい潮風とファンが送る心地よい風のダブルパンチでいつの間にかぐっすり寝てしまい、起きたらすでに18:30になっていた。宿についてすぐ4時間ほど寝ているのに、さらに3時間も寝てしまったわけだ。まあ、これが一人旅の醍醐味と言ってしまえばそれまでなのだが。相変わらず体調はまだ欲はなっていなかった。もう外は薄暗くなっていたが、私はとりあえず自転車でダム市場に向かった。もう普通にニャ・チャンの道を覚えている自分が嬉しかった。5分ほどして市場に着いたが、もう時間が時間だ。入口付近のほとんどの店は閉まっていた。(それかまだ開いていなかったのか)自転車で市場内を廻ってみる。若干の果物屋が開いているのみで、やはり他の店は閉まっている。しようがないので私は宿へ引き返すことにした。
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岬から見たニャ・チャンの風景。バックには緑豊かな山々が連なりのんびりした雰囲気だ。
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宿で夕食を食べる。メニューはCaramel Pork With RiceとSpring Roll(Vegetable)だ。それにSaigon Beer×2、しめて36,000ドン、大満足である。このPerfume-Grass Innのオーナーの息子の従兄弟というThienという27歳の青年とも仲良くなった。夕食後、また自転車で夜のニャ・チャンの散歩に出掛けた。正直言って旅先でのレンタサイクルがこんなに便利なものとは思わなかった。これまで一人旅で訪れた場所のいくつかにはレンタサイクル屋があったが、何事も節約と思っていた私は一切利用しなかった。アユタヤでは大後悔したわけだが、これは他の街でも借りておけばよかったとここでもまた後悔した。すると私が散歩に出掛けてすぐ雨が降り出した。少し遅めの南国特有のスコールだ。大粒の雨が一気に降ってくる。直に止むだろうが、体調も依然良くなかったので散歩を切り上げ一路宿へと急いだ。部屋でボーッとする。何かまだ調子がつかめていない。マレーシアのマラッカやカンボジアのシェム・リアップで感じたようなあのエキサイティングはまだない。まあ焦らずゆっくりしよう。明日は7:00にRainbow Diversが迎えに来る。早起きだ。
つづく