「黒猫のワルツ」１−２



「it carried out what ,it.（どうしたんだ、それは？）」
　跡部は唖然としながら、少女を見る。
「It will risk, although he planned to have cut before this coming here,if true. Ayako and the mother said "Go as it is."
（これ？本当ならこっちに来る前に切るつもりだったんだけど、賭けることになってさ。彩子さんと母さんがこのまま行けって）」
　少女は黒髪をさらりとかき上げて人の悪い笑みを浮かべる。
「Bet？A mother and Rinko？（賭け？ばばあと倫子さんが？）」
「That is right. Or that Key is immediately known also in me.（そう。俺だってKeyがすぐにわかるかって）」
　３年振りに見た懐かしい顔だ。
　この年頃の３年は大きい。
　背も伸びた。顔の輪郭も大人びて昔は可愛いと言われる事が多かったが、今は綺麗としか言いようがない。極めつけに長く艶やかな黒髪。どんなにシャツにパーカーとジーンズというユニセックスな服装でも、普通は少女に思うだろう。
　跡部は吐息を落とす。
「My victory. Ayako said that she probably did not understand. And the mother said that she will understand if it sees. I also thought that I would probably be OK and risked.
（俺の勝ちだね。彩子さんはわからないだろうって言ってさ、母さんは見ればわかるだろうって。俺も多分大丈夫だろうと思って賭けた）」
「that is right ,or.（そうかよ……）」
　跡部は疲れたように肩をすくめる。
「The translation which is also what ?somewhere dissatisfaction.（何？どこか不満でもある訳？）
　腰に手を当て、目をすがめて睨む姿はどこからどう見ても少年には見えなかった。
「Although there was nothing, was it coming today?（ねえけどな……来るの今日だったか？）」
「Well. It is not asking Ayako.（うん。彩子さんから聞いてない？）」
「It is not heard.That mother.（聞いてねえよ、あのばばあ）」
「Since it was late for a while, it comes here.（少し遅れたからね、こっち来るの）」
　

　
　二人の間で交わされるネイティブな英語に呆然と周りは立ちつくし無言で見つめた。そんな中、我に返った者が二人いた。テニス部レギュラー３年の忍足侑士と芥川滋朗だ。
「「Ryo……？」」
　二人は駆け出した。
「「Ryoma？」」
　ある意味似合っている外見美男美女に駆け寄って、忍足と芥川は美女に見える方の少年にリョーマと呼びかけ詰め寄る。
「Yes, Yushi, Giro. Long time.（はい、ユーシ、ジロー。久しぶりだね）」
　対するリョーマはにこやかに片手を上げ応じた。
「うわー、本物？」
「３年振りやなあ」
「that is right . since it goes to this school after this ,do well?（そうだね。これからこの学園に通うから、よろしくね）」
「え？そうなの？嬉しい〜！」
　芥川は飛びつかんばかりに喜ぶ。
「それにしても、ごっつ、別嬪さんになったなあ」
　忍足はリョーマの全身に視線を投げ、言葉に感嘆を込めた。
「ごっつ？」
　関西弁は意味がわかりにくかったようで、リョーマは首を傾げた。
「ああ、とても綺麗になったって言ったんや」
「Thank」
　綺麗と言われ、臆面もなく流すのは慣れているせいだろうか。それともそういったことに頓着しない性格なのか。どちらも、十分にあり得るだろう。
「月曜日から登校するんか？」
　今日は土曜日だ。学校は休みなため他校と練習試合を行っていた。普通に考えたら月曜から学校へ通うだろう。
「Yes,that is right .」
　リョーマは片目を瞑ってみせた。
　跡部だけでなく、芥川と忍足も加えて親しそうに会話している様子を、氷帝テニス部部員だけでなく、練習試合の相手、他校テニス部員も目を見開いて伺っていた。
　それくらい、衝撃のある出来事だった。
　全く関係の掴めない４人。首をひねってみてもわからない関係だ。
　
　４人を除く人々がわからないのも、ある意味仕方ないと言えるだろう。
　そもそも、彼らは今から３年前に出逢っているのだ。
　リョーマが一ヶ月ほど親しい跡部家にお世話になった時一緒に遊んだ仲だ。当時、彼らは中学３年生、リョーマは１年生だった。
　元々、芥川と忍足は跡部の幼なじみと言っていい。
　小等部からの付き合いは伊達ではなく、かれこれ１０年以上だ。
　必然的に、跡部家に滞在していたリョーマを紹介され一ヶ月の間テニスをしたり、遊園地へ行ったりショッピングをしたりと楽しんだ。
　その間、彼らは英語と日本語を混ぜて会話していたため、現時点でもそれは変わらなかった。氷帝学園は偏差値が高く国際的に豊かな人間となるように外国語に力が注がれていたから中学生３年ともなれば日常会話くらい問題なく操れたし、ネイティブな発音は二人の勉強にもなった程だ。
　例外は跡部で、彼は語学に秀でていたため、リョーマとの会話は何語でも困ることもなかった。
「でも。髪、伸びたね……、びっくりした」
　芥川はそう言いながら髪を一房手に取り、首を傾げる。
　３年前より背も伸びて……それでも、自分より低いけれど……、子供らしい丸みが抜けより綺麗になっている。その上、髪は長めのショートだったのに今は艶やかなロングストレートだ。益々リョーマを際だ立たせているが、彼は髪を伸ばすような性格には見えなかった。伸ばしたらさぞ綺麗だろうとは思ったが、面倒だ、鬱陶しいと拒否するタイプだったはずだ。それは短い期間であってもわかることだった。
　それに、リョーマは苦笑を浮かべた。
　芥川が疑問に思っている事がわかったのか、小さく、そうだねと漏らす。

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