2004年3月の欲望


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3/1

出張最終日。ロサンゼルス国際空港のセキュリティチェックはひじょうに厳しく、ジャケットと靴まで脱がされてX線チェックをかけられたのには驚いた。空港ではラウンジでビールをかっくらい、飛行機(行きと同様、シンガポール航空)に乗ってからものんびりとビールを飲み、ご飯を食べてひと眠り。
起きてから、『世界は密室でできている。 』(舞城王太郎/講談社/760円)を読む。福井県に住む男子中学生(後半には大学生になる)が語り手の、連作短編集である。世間で話題の舞城王太郎の作品を一度読んでみたいなと思っていたのだが、どれにしようかと考えていたときに涼しげな装丁が目に入り、これを出張に持っていくことにしたのである。
内容は、身近で起きる謎を、語り手の隣に住む同級生が解き明かしていくというもの。ミステリの体裁をとっているが、青春小説としてのテイストが強く、彼ら2人と、途中で加わるキャラクターの友情と成長が題材であるように読める。
作品としては、文体のリズムのよさが気もちいいし、軽妙な福井弁の会話も楽しい。また登場人物のキャラクターもナイスである。さんざん笑わせた後、ラストでほろっとさせるという構成もすばらしかった。
いやあ、すっっげえ、よかったです。大おすすめ。


3/2

日本到着。ニホンハサムイデスネ。


3/3

DVD
『ラグビー三国史2003 早稲田ラグビー十年史 荒ぶる』(BCBE-1807)

TVKの試合中継を元にしたDVD。雪の早明戦など、重要な試合の名シーンが収録されている。懐かしい映像のオンパレードで、十年史のパートは、一気に観てしまった。


3/4

ばたばたと過ごす。


3/5

ばたばたと過ごす。


3/6

この週、2度目の焼肉。なかみ屋本店(ホルモン焼肉/東京都港区六本木4-9-11-2F/03-3404-1129/http://http://www.doubletop.jp/store/nakamiya/index.html)へ行く。ホルモン系うめえ、ビールうめえ。大満足。


3/7

映画
『シービスケット』を観る。1930年代、アメリカに実在した競走馬・シービスケットをモチーフにした映画である。家族を失った自動車ディーラー(馬主)、不遇の老調教師、両親に捨てられた過去を持つ騎手が、評価の低かった小さいサラブレッドによって運命が変わっていく姿が描かれている。
全体にトーンの抑えられた作品で、ストーリーは静かに進んでいく。静謐さは作品全体を覆い、映像にも端正な風情が漂う。特にシービスケットが野山を走る姿。その美しさには、“静けさ”というファクターが大きく寄与しているように感じられた。
淡々と語られる救済と再生の物語。ほんとにいい映画でした。おすすめです。


3/8

さすがに今日は酒を飲まずにはいられなかったよ。


3/9

『女子大生会計士の事件簿』(山田真哉/英治出版/950円)を読む。女子大生の公認会計士が主人公の短編ミステリ集である。キャラクターはややイタイが気楽に読むことができ、会計知識に触れるにはいいきっかけになった。


3/10

映画
『インファナル・アフェア2』を観る。『インファナル・アフェア』3部作の2作目である。時間の流れは2→1→3となっており、『インファナル・アフェア1』は、警察に潜入したマフィアと、マフィアに潜入した警察官の物語だが、2では彼らの若い頃のエピソードが描かれている。1作目と比べてノワール色が強く、また主人公ふたりだけでなく、彼らの上司、ボスにもスポットライトが当てられ、群像劇的な作品となっている。
前作も二転三転するストーリーでひじょうにスリリングだったが、今作はそれ以上。息もつけない展開で、ラストまで圧倒されまくった。 ひじょうにいい映画だった。


3/11

大バカなカラオケ。めちゃめちゃ笑えた。


3/12

欲望充たさず。


3/13

ぞんぶん中央口店(ダイニングバー/東京都新宿区新宿3-31-3プラザ中央ビル6・7F/03-5367-3633/http://r.gnavi.co.jp/g454103/)で飲む。料理はまずまず、また食指をそそるメニューも多く、ナイスだった。
続けてパセラへ。主賓が日本を離れていた2年間(2002年〜2003年)に流行った曲というテーマで臨む。氣志團の『One Night Carnival』、つじあやのの『風になる』を歌いました。
締めで麺通団でうどんを食べて終了。


3/14

パセラで結婚披露パーティー。乾杯の音頭をみなとさんといっしょにやりました。いいネタを持つ夫妻なので、そのあたりを多少ふくらませてあいさつをしたんですが、けっこう笑いが取れてよかったです。みなとさんのツッコミは、やはりいい感じですな。
さっくりと一仕事終えた後は、心置きなくがーっと飲みました(笑)。


3/15

世界の山ちゃん新大久保店(手羽先居酒屋/東京都新宿区百人町1-11-22リサビルB1F/ 03-3227-3223/http://www.yamachan.co.jp/index.html)で飲む。名古屋が本店の手羽先居酒屋である。名物の手羽先の唐揚げはもちろんだが、どて煮(豚ホルモンのみそ煮)がうまい。赤みそ文化圏出身の人間にとっては、ひじょうにうれしい味である。満足満足。


3/16

会社の近所で寿司。


3/17

CD
『TOO FAST TO LIVE TOO YOUNG TO DIE』(氣志團/TOCT-25363)
『Chronology -a young persons'guide to Grapevine-』(GRAPEVINE/PCCA-01986)

『TOO FAST TO LIVE TOO YOUNG TO DIE』は氣志團の新作アルバム。『キラキラ!』、『スウィンギン・ニッポン』、『SECRET LOVE STORY』の3曲のシングルを収録している。ジャケットがユニコーンの『服部』のパロディになってるのがイイ感じ。
『Chronology -a young persons'guide to Grapevine-』はGRAPEVINE初のシングル集。『光について』、『スロウ』といったスマッシュヒットはもちろん、1stシングル『そら』から最新シングル『BREAKTHROUGH』まで16曲が収録されている。名曲ぞろいですごくかっこいいアルバムである。


3/18

DVD
『ノスタルジックジャーニー 満州DVD-BOX』(PCBP-20025)

昭和12年当時の満州国を題材に、満州の各都市を鉄道で旅をしていくという架空の観光ガイドDVDである。人工的国家を巡る“架空の”観光ガイド、というコンセプトに興味をひかれ入手。
で、早速観たわけなんですが、時間と空間を隔てた場所への“旅”という体験は、自分のいる場所から切り離された、なにか浮遊感を感じさせるものでした。


3/19

欲望充たされず。


3/20

欲望充たされず。


3/21


『文学賞メッタ斬り!』(大森望、豊崎由美/PARCO出版/1600円)

芥川賞、直木賞から、ホラー小説大賞、メフィスト賞、ファンタジーノベル大賞まで、50を越える国内小説賞について、大森望と豊崎由美の二人がしゃべり倒すという対談集。この手の“本をめぐる本”(『このミス』とかね)を読むのは、かなり好きなのである。早速、読んだんだけど、なかなかの毒っぷりで笑えました。それにしても、この本で主張されていた「綿矢りさに芥川賞を!」というのが現実となったのには、やるなあと思いましたね。


3/22

欲望充たされず。


3/23

CD
『BLUE 〜A TRIBUTE TO YUTAKA OZAKI』(V.A./SECL-67)
『GREEN 〜A TRIBUTE TO YUTAKA OZAKI』(V.A./SECL-68)

須藤晃のプロデュースによる尾崎豊のトリビュート盤である。『I LOVE YOU』を宇多田ヒカルが歌っていたり、『僕が僕であるために』をMr.Childrenが歌っていたり、『ダンスホール』をCoccoが歌っていたり、『15の夜』に尾崎の息子!!が参加していたりと激しく豪華なトリビュートアルバムである。
即、聴いたんですが、いやあ、やっぱいいっすよ、まじで。女子のみんな、カラオケでは宇多田版『I LOVE YOU』を歌ってね。約束だよ!!
それにしても尾崎の息子が14歳ですよ。しかも『15の夜』に参加してる(ポエトリーリーディングで)わけですよ。はぁ〜〜ぁ(遠い目になっている)。

ぼくが初めて尾崎を聴いたのは17歳の時。『白井貴子のオールナイトニッポン』でのこと。尾崎は白井貴子のライブにオープニングアクトとして出演するはずだったんだけど、アトミックカフェで骨折して出られなくなってしまったんですね。で、尾崎ファンが白井貴子になんかハガキを出して、そこでかけられた『17歳の地図』(シングルバージョン)に、ぼくはノックアウトされてしまったわけです。
メロディの持つ疾走感、アレンジの美しさ(シングルバージョンはサビに自ハモが入っている)、ことばの強さ、声のよさに、ぼくの心は捉えられてしまいました。で、翌日、すぐにレコードを買いにいったのが、ぼくと尾崎の出会いなのでした。
高校2年〜高校3年でリリースされた初期の3枚は、ほんとによく聴きましたね〜。
大人になってから、若い頃に自分が好きだったアーティストにスポットライトが当たるのは素直にうれしいです。これからもずっと、尾崎の歌がいろいろな人に聴かれていくといいなあ。


3/24

大阪出張。夜、やんて(居酒屋/大阪府大阪市福島区福島7-11-51福島市場内/06-6457-6930/http://r.gnavi.co.jp/k338600/)で飲む。福島駅の高架下にある居酒屋である。高架下全体にはちょっとさびれた感が漂っているが、こじゃれた店もけっこうあり、ここもその一つ。料理がひじょうによくて満足できた。続けてもう一軒、高架下の店に流れ、がっつりと飲んで撤収。


3/25

千寿(お好み焼/大阪府大阪市淀川区東三国5-12-8/06-6397-9928)でランチ。大阪に住んでいたとき、ここのお好み焼きが大好きだったのである。あいかわらずおいしくて、満足満足。


3/26

和韓海鮮串焼・毎水(東京都港区新橋2-9-4 ファーストホテルヨシカワB1/03-3592-0230/http://r.gnavi.co.jp/g051601/)で飲む。けっこう雰囲気がいいし、料理もうまいし、新橋駅にも近いしで、高ポイントの店だった。


3/27

世界の山ちゃん新大久保店(手羽先居酒屋/東京都新宿区百人町1-11-22リサビルB1F/ 03-3227-3223/http://www.yamachan.co.jp/index.html)で飲む。どて煮(豚ホルモンのみそ煮)を頼んだときは、味噌串かつよりふつうの串かつを頼んだ方がいいね。味噌味とソース味のふたつのテイストを楽しめるので。


3/28

映画
『イノセンス』を観る。『攻殻機動隊』をベースに、人々の電脳化・機械化が進み、人とサイボーグ(機械化人間)、ロボット(人形)が共存する、2032年の日本を舞台にした映画である。少女型の愛玩用ロボットが所有者を惨殺した事件を、政府直属の機関・公安九課の刑事バトー(サイボーグ)が捜査していくというのがストーリー。
生物と無生物、有機物と無機物、現実と非現実との間の境界線に関する映画(だと解釈しました)で、対照的でありながらも境界があいまいになりつつあるように思えるこれらの事項に、どこで線引きがなされていくのかを考えさせられた。この手の小難しい話は好きなんで、けっこうおもしろかったですよ。
ちなみに『攻殻機動隊』は観てないんですけど、これ単体で観ても大丈夫だと思います。


3/29


『スペシャリストの帽子』(ケリー・リンク/ハヤカワ文庫/840円)
『美味しんぼ・88』(雁屋哲・花咲アキラ/小学館/505円)
『モンキーターン・27』(河合克敏/小学館/390円)

『スペシャリストの帽子』は“柴田元幸絶賛”の帯に惹かれ入手。
『美味しんぼ』と『モンキーターン』はお約束。


3/30

欲望充たされず。


3/31

欲望充たされず。



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