2004年4月29日(木)
〜5月6日(木)

4日目(5/2・日):CORTONA

イタリア旅行記
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ホテルでの朝食後、電車の時間まで2時間近くあったので、再びドゥオモから城壁を囲む散歩道あたりをふらつくことにしました。

朝のすがすがしい空気と小鳥のさえずりに包まれて、それはもう至福のひと時。朝日を浴びるドゥオモの美しさも格別でしたし、散歩道のベンチで座っていると、時間の経つのも忘れてしまうほど、いつまででも景色を眺めていたくなります。

後ろ髪をひかれながらも再びホテルに戻り、タクシーを呼んでもらって、スポレートを後にしました。

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ウンブリアの大地が彼方まで広がる

ベランダから左を望む景色
ドゥオモの屋根越しの青空
彼方にトラジメーノ湖も見える
正面には美しいSMDGAカルチナイオ教会が
ベランダから中央を望む景色
夜景も最高に美しい
ベランダから右を望む景色
絶景に感動しつつも疲れて倒れそう
この辺で引き返した・・・

駅に着くと、乗換駅のフォリーニョまで乗っていくESが7分遅れの表示が・・・フォリーニョから、目指すテロントーラ・コルトーナまでの電車に乗り換えるための時間は元々6分しか無いのに、7分遅れたら間に合わないじゃん。乗り遅れたら2時間先まで次の電車は無いのよ〜、とあせりつつも半ばあきらめていたところ、結局5分遅れでESが到着。ギリギリ間に合うか・・・?

フォリーニョに到着する少し前、一人のイタリア人の青年が、「ペルージャ行きの電車の時間を知らないか?」と話しかけてきたので、「私も同じ電車に乗るが、乗り換える時間が無い。」と困った顔で答えると、「大丈夫だよ。乗り換えのために何分か待っててくれるはずだから。」とのこと。本当にそんなことあり??

・・・そんなことありでした。
ESが到着したのは、乗り換え電車のちょうど発車時刻でしたが、ちゃんと同じホームの反対側で待っててくれました。
私の他にも乗り換える人たちがたくさん居たので、青年の言うとおり、こういうことはいつものことなのでしょう。あせって損した。

フォリーニョからテロントーラまでの間は、アッシジの街が綺麗に見えたり、トラジメーノ湖畔を走ったりと、なかなか楽しい鉄道の旅です。

そしてテロントーラに予定時刻に到着。
さて、タクシーに乗ろうとあたりを見回したのですが1台も止まっていない。近くのバールに「タクシー・サービス」と貼ってあったので、「呼んでくれ」と頼んでも「今日は来ないよ」とそっけない返事。バスがあるからとチケットを買ったものの、2時間近く先だし・・・困った。この日は日曜日だったので、バスには乗れない覚悟はあったけれど、タクシーまで無いとは全くの計算外。
バス停付近には、同じように困り顔の欧米人観光客たちが何人か居ました。

すると一組の母&息子が、親切にも「我々は隣の駅まで行って歩くつもりだけれど、あなたはどうする?残るの?」と聞いてくれたのですが、私は2時間先まで電車も無いことを知っていたので、「ホテルにタクシーを呼んでくれないか頼んでみる。」と答えました。すると、「もしタクシーが来たらシェアさせてくれる?」と言うので、そりゃ願ったりかなったりと、「もちろんOK!」と答えました。

ホテルに電話したところ、年配のおば様の声で「呼んであげるからそこで待っていて」との返答。イマイチ自分のイタリア語に自信がなかったのですが、母&息子ペアとその場で待つことにしました。
すると、もう一組のお年を召したアメリカ人夫婦もホテルに電話してタクシーを呼んでもらっていました。

タクシーを待つ間、息子---推定中学生くらい---の方が名前を名乗って握手を求めてきました。まだ若いのに、真っ黒のサングラスが似合い、背も高くてすらっとしたハンサム・ボーイ。日本人だったら、これくらいの年代の子がスマートに握手を求めてくるなどということはまず無いでしょう。
私は思わず「親子ほど歳の離れた禁断の恋の始まりか?!」と、ちょっとドキドキ。
彼らはシドニーから来ていて、初めてのヨーロッパ旅行だとのこと。

そうこうしているうちにタクシーが到着。
「サン・ルーカ?(私が泊まるホテルの名前)」と聞くと、「そうだ」との答え。あ〜〜〜よかった〜〜〜。
すると、運転手はアメリカ人老夫婦のホテルの名前も続けて言ったのです。つまり、2組タクシーを呼んだのに、1台しか来なかったということ。そ、そ、そんなにタクシーの台数が少ないのかぁぁぁ、この街は・・・
運転手さんがオーストラリア人の親子を指して「この人たちも?」と怪訝そうな顔で聞くので、「みんな私の友達です」と言ったら、「OK!わかった。」と笑顔で答えてくれました。感じのよい運転手さんでよかった!

見ず知らずの国籍も違う3組が、車の中でギューギュー詰めになりながらのコルトーナまでの道のりは結構楽しい思い出となりました。

タクシーはまずオーストラリア人親子の泊まるホテルに到着。
「感動の別れだわ」と一人で思っていたら、母親はアメリカ人夫婦にお金を渡し、ハンサム・ボーイと共にあっさり「Bye!」と手だけ振ってホテルに入っていってしまいました。
取り残された私の禁断の恋は、始まる前にあっさり終わってしまったのでした。

次はアメリカ人夫婦の泊まるホテルに到着。旦那様がタクシーの運転手さんに全額(15ユーロ)を払っている様子だったので、私の分を渡そうとすると、「必要無いよ」と言って受け取ってくれません。「NO、NO!私も払わなければ・・・」と言ったところ、「This is my gift for you!」とニッコリ笑ってホテルの中に入っていってしまいました。
私はもう感激するばかり。旅に出て、国籍の違う人たちとこうした触れ合いができるって本当に素敵♪

最後に私の泊まるホテル・サン・ルーカに到着。
入口を入ると、「タクシーはちゃんと到着したかしら?」となにやら聞き覚えのある声。「あぁ、電話に出てくれたシニョーラだ!」と思って近づいていくと、何とも優しげな表情で微笑みかけてくれます。この時点でもうすっかり私はこのホテルが気に入ってしまいました。
チェックインの手続きが終わると、「あなたイタリア語がお上手ね」と茶目っ気たっぷりに言ってくれ、お世辞とわかっていても、なんだかとても嬉しくなってしまいました。
そして鍵を受け取って、部屋に入り、カーテンを開けたところ・・・

はぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜なんだこりゃぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
すごすぎる、綺麗すぎる、感動しすぎる!!!!!!!!

もう、表現する言葉もみつからないくらいの素晴らしいパノラマが、テラスから一望できたのです。(注:写真はその素晴らしさを全く伝えられていません。実際は空もこんなどんよりした色ではなく、抜けるような青空。青と緑と大地のコントラストが、素晴らしく美しい眺めでした。)

あまりの美しさにしばしぼ〜ぜん。あぁ、コルトーナに来てよかった。サン・ルーカにしてよかった。(感涙)

なんだか本当に泣きそうになりながらも、ずっと部屋に居る訳にも行かないので、街を散策しにホテルを出ました。

レプッブリカ広場とシニョレッリ広場へ。
ちょうど植木市が出ていて、広場いっぱいに花が咲き乱れ、とても綺麗。
しばらくあたりをふらついたところで、お腹が空いていたので、近くのオステリアに入ることにしました。

コルトーナは全てにおいて素敵な街だったのですが、このオステリアだけは大大大失敗!
お店の人の感じはムチャムチャ悪いし、オーダーもなかなかとりに来やしないし、美味しくないし。
せっかくのこれまでの最高の気分が台無し。ぷんぷん。

気を取り直して、次は教区博物館へ向かいました。

ここの目玉はフラ・アンジェリコの「受胎告知」。フィレンツェのサンマルコ美術館にある彼の同じ「受胎告知」も、淡い色合いで本当に素敵な絵でしたが、ここの光り輝く「受胎告知」も素晴らしかった!
でも、隣に飾ってあった、アンジェリコの「聖母と聖人たち」はもっと素晴らしくて、おだやかな聖母の顔に長い間みとれてしまいました。

博物館を出た頃、雨がポツポツと降り出しました。肌寒いこともあり、ドゥオモなどあたりをしばらく回った後、いったんホテルへと引き返しました。
しばらくして雨もやみ、再び青空が広がってきたので、今度はサンタ・マルゲリータ通りを上がって、聖マルゲリータの墓所を目指すことにしました。
途中、市民広場やサン・ドメニコ教会にも寄りつつ、ひたすら坂道を上って、上って、上って・・・
ひたすら上っても、一向に墓所までたどりつけません。スポレートのアップ・ダウンも大変だと思ったけれども、あんなのまだまだ楽だった・・・
先ほどの肌寒さが嘘のように暑くて、上着も脱ぎ、ひ〜こら坂を上り続けたのですが、結局途中で断念。隣を通り過ぎる車がうらめしぃ〜〜。
ちなみに、通りからの景色もそれはそれは絶景です。でも、ホテルからの眺めに勝る場所は無し!

シニョレッリ広場
コルトーナの「受胎告知」
フィレンツェの「受胎告知」

あまりにも疲れたため、再びホテルに戻って休憩。
テラスにイスを出して、美しい景色を眺め、美味しい空気を吸いながら、日本から持って来た本を読みつつ、のんびりした時間をしばらく過ごしました。
あ〜幸せ♪

そして夕方再び外へ。
あてもなくフラフラとウィンドウ・ショッピングをしていたところ、何やら行列を発見。
それはジェラートを買い求める人の行列でした。
並ぶのは嫌だったものの、ひょっとしたらすごい名店なのかもと思い、私も列に並び、ピスタチオとレモンのジェラートを食べてみました。

味は・・・たいして美味しくありませんでした。でも、店員のお兄さんの笑顔がとっても素敵だったので、ゼンゼンOK!なんて単純な私なのかしらん。

その後も少しブラブラした後、だんだん肌寒さが増してきたので、早めにホテルに戻りました。
なにせ、無理に外に居なくても、部屋からの景色を眺めているだけで幸せなのですから・・・♪

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