2004年4月29日(木)
〜5月6日(木)

3日目(5/1・土):SPOLETO

イタリア旅行記
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この日は9時38分のES(ユーロ・スター)でスポレートへ。ESに乗るのは初めてだったので、ちょっと楽しみにしていた鉄道の旅です。
ESのチケット予約は、これまた初めての経験で、TRENITALIA(イタリアの国鉄)のサイトで2003年末から開始となったチケットレス・サービスを利用しました。このサービスを利用すれば世界中どこからでも誰でも簡単にESチケットの予約&購入ができてしまうので、とても便利。鉄道が混み合う時期や、事前に駅のチケット売場に行けない時などは是非利用することをお勧めします。

<アドバイス> ESは座席予約を義務付けられているため、基本的には乗車の2時間前くらいまでに切符を購入しなければなりません。そのため夜遅くイタリアに到着したすぐ翌日の早朝にESを乗る場合などは、日本で購入しておいた方が間違いありません。以下にチケットレス予約(同時に購入)の方法を記しておきます。
(1)TRENITALIAのサイトにアクセス。http://www.trenitalia.it/home/it/index.html
(2)左上の枠に、上から順番に「出発駅」「到着駅」「乗車日」「乗車時間」を入れて“INVIA”をクリック。乗車日はイタリアの場合、左から日にち、月、年となるので注意。
(3)希望電車(ESのみ)の右端にある“Acquista”欄の赤いマークをクリック。
(4)人数(N゜Posti)、乗車クラス(1等か2等)を選び、“Ticketless”にチェックが付いているのを確認して“Avanti”をクリック。
(5)初めて利用する場合は、“Se non sei ancora registrato, puoi farlo adesso”をクリックし、必要事項を記入して会員登録をする。
(6)まもなく登録メールアドレスにパスワードが送られてくるので、改めてIDとパスワードを入れて“Avanti”をクリック。
(7)クレジット・カードマークの所にある“Acquista”をクリック。
(8)必要事項を記入して“Conferma”をクリック。
(9)まもなく登録メールアドレスに“Conferma ordine Trenitalia”のタイトルのメールが届くので、それをプリント・アウトし、必ず忘れないように持って行く。
※イタリア時間の夜はネット購入ができないようなので注意。また、PCのクッキーの設定が“高”になっていると手続きがストップされてしまいます。

Bell' informazione!!
この情報をご覧になったスペイン在住(04年7月現在)のげんさんが、説明画像を加えて完璧なESチケットレス予約マニュアルをつくってくださいました。メチャメチャわかり易いのでイタリア語がわからない方でもすんなり予約が完了できると思います!是非ご覧ください。げんさんに本当に感謝!!
http://barcelona.sociallaw.info/fs/trenitalia.html

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素敵なホテルの部屋で上機嫌な私

F.リッピの「聖母の戴冠」
階段の上から見下ろしたドゥオモ
ここを渡ることができる
塔の橋
城壁を取り囲む散歩道は花でいっぱい
橋の手すりの上から下を見下ろしてみた
「落〜と〜さ〜ないで〜」

駅から旧市街までは1kmほどなので歩くこともできますが、体力温存のためバスに乗ろうと切符を購入。ところが祝日ということもあり、いつバスが到着するかわからなかったので、面倒になってタクシーに乗ってしまいました。タクシー代は10ユーロ也。

リベルタ広場で車を降りてホテルを探すと、すぐ目の前に目指すHotel Auroraの看板が!とりあえず荷物だけ置かせてもらおうとしたところ、すぐにチェックイン出来ると言い、部屋に案内してくれました。
部屋は何とも可愛らしくて広い!一目見て気に入ってしまいました。
このホテルは、あるサイトで親切なイタリア通の方に教えていただいたのですが、ダブルルームのシングルユースで65ユーロと、このレベルにはもったいないくらいのリーズナブルさ。素敵なホテルを教えてくださった方に本当に感謝!
http://www.hotelauroraspoleto.it/index.htm

ESは時間通りに出発。途中女性の車掌さんがチケット・チェックに来たので、メールをプリントアウトしたものを見せたところ、手馴れた手つきで小型の機械を取り出して何やら入力し、薄い黄色の細長いチケットをプリントして渡してくれました。「この日本人、チケットレス・サービスを知っているなんて、やるな」って思ってくれなかったかしら。そんな訳ないか。

思わずしばらく部屋でボ〜っとしたくなるのを我慢して、観光に出ることにしました。
まず目指すはドゥオモ。

何とも風情のある中世そのままの町並みに感動しながら歩いていたら、いきなり道に迷って変な小道に入り込んでしまいました。たまたま歩いてきたおじ様に場所を尋ねたところ、親切にわかるところまで連れて行ってくれました。
その後も何故か私は道に迷いまくり。結局最後までこの街の方向感覚を掴むことが出来ませんでした。^^;

ドゥオモに続く階段の上に立って見下ろしたところ・・・

イタリアではあまりの素晴らしさに鳥肌が立つ思いをしたことが何度かありましたが、今回も思わず息をのむと同時に、一瞬寒気を感じるほどの感動を覚えました。
美しい。本当に美しいのです。
これほどその美しさが写真では伝わらない所も珍しいくらいかも。

そしてドゥオモの中も素晴らしい美術品であふれています。

特にフィリッポ・リッピによりクーポラに描かれた「聖母の戴冠」は圧巻。
青を基調にした、何とも優しい品格にあふれたフレスコ画は必見です。
ちなみにリッピはスポレートで亡くなったため、彼のお墓もこのドゥオモの中にあります。

ドゥオモを出るとあいにくの小雨模様。
それにもめげずに次はアルボルノツィアーナ城塞方向を目指しました。
城塞を囲む散歩道は、小鳥がさえずり、花々が咲き乱れ、遠くの山々の緑も目にあざやかで、ただ歩いているだけで本当に気持ちがいい!
この頃には、私はすっかりスポレートの魅力の虜になっていました。

そしていよいよ見えた!見えた!「塔の橋」が!
高い!長い!すごい!これが今から700年も前に建てられたものとは!
高さ80m、長さ200mの橋の眺めはまたしても鳥肌ものです。

極度の高所恐怖症の私は、歩いている人たちを見ているだけで足がすくんだのですが、勇気を出して渡ってみることにしました。
実際歩いてみると、真下は全く見えないので、案外怖くはありませんでした。それでも、ふと「室町幕府の頃に出来たものなんて渡って大丈夫なのか〜。崩れないのか〜。」などと考えると怖さがおそってきてしまうので、かなり足早に往復したのでした。自殺の名所でもあるらしいので、飛び降りかけている人でも見かけちゃったら怖いし・・・なむあみ〜。
一応、歩道橋すら怖い私が渡れたので、たぶん殆どの人は普通に渡れると思います。

<アドバイス> 城塞の周りを一周する散歩道の半ばあたり(塔の橋近く)に小さな売店があり、まぁまぁ綺麗なトイレを使うことができます。トイレだけ借りている人も居たようですが、カフェの1杯も飲んでから、使わせてもらいましょう。

アルボルノツィアーナ城塞
城塞内のあちこちに残るフレスコ画
中庭から見上げる青空が美しい

そして散歩道を一周し終わったので、城塞内の見学をするため、チケットを買うことにしました。
この城塞見学については、「地球の歩き方」にもネットで調べた情報にも何も触れられていなかったので、前知識ゼロだったのですが、どうやら説明を聞くと、ガイド付きで見学が可能とのこと。同時にミケランジェロ展もやっているらしかったので、そのチケットも購入しました。

見学のシステムは以下の通りでした。
指定時間になると、ミニバンが何回か往復して城塞のある上まで見学者たちを連れて行ってくれます。そして全員揃ったところでガイドさんが中を案内してくれるのです。但し、説明はイタリア語のみで、英語での解説はありません。従って見学者は私以外全員イタリア人でした。

もちろん私も悲しいことに殆ど説明の内容はわかりませんでしたが、美しいフレスコ画や、城からの美しい風景が見られたので、充分満足することができました。

一通りガイドが終わると、ミケランジェロ展の切符購入者だけが展示室へ。
中にはミケランジェロ自筆のデッサンが数点展示してありました。
なんだこれだけ?とも思ったのですが、間近で彼のデッサンを見る機会もそうは無いでしょうから、まぁ良しとしましょう。
最初にミニバンを降りた所で再び車が来るのを待って、下まで降ろしてもらって見学は終了。

幻想的な夜のドゥオモ
映画の1シーンのような夜の街並み

この時点で結構疲れていたので、途中にあったお店で美味しいジェラートを食べてから、いったんホテルへと帰りました。
それほど長い距離を歩いたつもりはなかったのですが、アップ・ダウンがきついため、知らぬうちに足に負担がかかって疲れてしまったようです。

3時間ほどの休憩後(ちょうどその間、雨と雷がひどくてどのみち外には居られなかったのですが)、ホテルに併設するレストランApollinareへ。
ただでさえ小食で、しかも旅に出ると食欲が落ちる私は、きちんとしたレストランに入るのは苦手。でも、このレストランはネットで勧められたこともあり、がんばって行ってみることにしたのです。

とてもムードのある雰囲気のため、女一人で入るのはかなりためらわれたのですが、勇気を出して入って、「たくさん食べられないので半分ずつオーダーしても構わないか?」と聞いてみました。
するとOKの返事だったので、暖かいスープと牛肉ステーキを半分ずつ注文。ゆでた七面鳥の前菜はお通し(?)として必ず出てくるようだったので、計3皿を食べることになったのですが、お肉は残したものの、他は全て美味しかったので完食。
半分といっても日本では充分1人前の量なので、お腹いっぱいになってしまいました。
値段は食後のカフェも含めて22ユーロ+チップを少し。
お店の人に「知人に勧められて楽しみにして来たけれど、たくさん食べられなくて残念。」と言ったら、感じの良いカメリエーレのおじ様がニコニコ笑いながら「問題無いよ。わざわざ来てくれてありがとう。」と答えてくれました。

食後、夜の街を少し歩いてみることにしました。

ドゥオモは薄明かりと静けさの中、昼間とはまた違った美しさを醸し出していました。
昼間は階段の上にカメラを構えた人たちがたくさん居たのですが、夜は数人の人が歩いているだけ。なんだかドゥオモを独り占めできたみたいで、ちょっと幸せ。
町並みも、明るい時よりも更に中世時代さながらの佇まいとなり、まるでタイムスリップしたかのような気分に浸ることが出来ます。
人はあまり歩いていませんでしたが、危ないという感じも全くありませんのでしたので、この街を訪れたなら、是非夜の散歩も楽しんでみてください。

などと偉そうなことを書いていますが、やっぱり私はこの時も道に迷ってしまいました。暗い急な坂道を、疲れた足をひきずりながら迷い歩くのは結構悲しかった・・・。

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