2002年12月30日(月)
〜2003年1月6日(月)

5日目(1/3・金):OSTIA ANTICA

イタリア旅行記

今日のメイン・イベントはオスティア・アンティカ見学。

鉄道オスティア・リド線の始発駅であるローマ・リド・ディ・オスティア駅までは、ホテルから歩いて行くことにしました。
駅の近くには、紀元前1世紀末にローマ法務官・ガイウス・ケスティウスのお墓として建てられた白いピラミデ(ピラミッド)があります。なるほど〜と見ながら通り過ぎましたが、わざわざこれを見学に来るほどのものではないとは思われます。

イタリアで地下鉄以外の電車に乗るのは初めてだったので、ちょっと緊張しましたが、チケットは地下鉄と同じだし、始発駅、しかもどの電車も行き先は同じなので、迷うこともなくオスティア駅まで到着することができました。
歩道橋を渡って10分弱歩けばもうそこはオスティアの遺跡です。

紀元前4世紀にローマの城塞都市として建設されたのがオスティア・アンティカ。その広大な敷地の中には、浴場跡、住居跡、円形劇場などがあります。
日本では知名度が低いため、日本人観光客も少ないのですが、遺跡ファンやそうでない人にとってもとても楽しめる場所だと思います。もちろんポンペイと比較してしまうと見劣りしないでもないのですが、ポンペイまで行く時間が無い、ローマで半日時間がある、などという方は是非足を延ばしてみてください。

チケットを買って中に入ると、1本道があり、その両脇に様々な遺跡があります。
「地球の歩き方」に載っていた地図を片手に、「ほ〜ここに浴場があったのね」なんて感心しながらしばらく歩いていると、大きな円形劇場の所に出たので、劇場を見下ろす一番上の座席に座り、遠くの景色や、犬を散歩させる人の様子など、のどかな風景をしばしぼんやり眺めていました。
この日は見学者の数が非常に少なく、円形劇場も私が一人占めしている状態。その後も、5分に1回誰かとすれ違うくらいだったので、広大な遺跡を一人で歩いているかのような気分に浸ることができました。
なんてぜ〜たくな気分。
そして、もしカメラを持っていたら、人っ子1人居ない遺跡群の写真をたくさん撮ることができたのにと、ちょっと後悔。

ぜ〜たくな気分と同時に、ちょっとオバケ屋敷気分を味わうこともできました。
なにしろ、はるか遠くにかすかに聞こえる車の音以外、あたりは完全な静寂、見回しても人の姿は無し。

ひっそりとした小道の角を曲がると、突然目の前に首無し人間が・・・
「ひょえ〜〜〜〜」
よく見ると、首の取れた大理石の像。

そしてまた、足を止めて遺跡を眺めていると、突然バサバサ〜と誰かが襲ってくる音が・・・
「ふぎゃ〜〜〜」
目の前を、オカルト映画の脅しシーンさながら、1羽の鳥が飛び立って行ったのでした。

途中、何かの工事をしているおじ様たちが何人か居たので、思わずホッとして、「Buon Giorno!」と挨拶したところ、おじ様がたも嬉しそうに挨拶を返してくれました。

それにしても敷地が広い!!
半ばまで来た所ですっかり疲れてしまい、とうとう全部をまわることは断念してしまいました。
最初にあまりゆっくり歩いていると、私のように全部見ることができなくなるので、ある程度飛ばしながら歩いた方が良いかも知れません。敷地内にある博物館も見ようという計画でしたら、なおさらです。

しばらく休憩するため、敷地の中ほどにあるバールへ。この日は暖かかったので、屋外の席で景色を眺めながら優雅な気分でカプチーノをいただきました。
ここにはバールのほか、お土産物屋さん、トイレなどもありますが、私が行った時はトイレの鍵が全て壊れていて、かなりスリル満点状態で用を足すことに・・・^^;
イタリアのトイレの鍵って、どうして壊れていることが多いんだろう。一人旅には困りますわよ、まったく。

再びオスティア線に乗り、途中から地下鉄に乗り換えて、3日連続のテルミニ駅へ。
今日の目的は、友人から頼まれたワインの購入。お店は昼休みに入ってしまっているため、1時間以上も時間を潰さなければなりませんでした。
計画では、駅近くのローマ国立博物館あたりを観光して過ごすつもりだったのですが、またまた体調がいまひとつの状態だったので、ローマ三越で休憩させてもらうことにしました。

三越に入るのは初めてだったのですが、噂に違わず、トイレが綺麗、休憩所がある、水が自由に飲める、と旅行者には大変嬉しいスポットでした。
三越と言っても、日本のデパートスタイルを想像して行くと、2フロアだけの、小さなお店にちょっとびっくりするかも知れません。
私は申し訳ないことに休憩だけの利用でしたが、新婚旅行などでお土産をまとめ買いしなければならない時に良さそうなものなども売っているので、お義理のお土産を買う際にはご利用をお勧めします。(無料で1時間も居座っちゃったから、宣伝しとかなきゃね^^;)

ワインを買った後は、またまたまたテルミニ駅のセルフ・レストランで遅いランチ。
これを読んだ人は、私と旅行に行くのは嫌になるだろうな〜。ヒンソな食生活だもんな〜。

ホテルに戻ったところ、スタッフの1人が最初にチェックインしたHotel S. Anselmoのフロントまで一緒に来いと言いました。
「な、な、何?」と思いつつ、疲れた足をひきずってフロントに行くと、
「今晩はHotel Aventinoに泊まるのはあなた1人になってしまうので、ホテルを閉鎖する。ついては、同じ系列のHotel Villa S. Pioに部屋を移って欲しい。」
「な、な、なに〜〜?そもそも最初はHotel S. Anselmoに予約していたのに、Hotel Aventinoにまわされ、しかも今度は荷物を片付けてHotel Villa S. Pioに移って欲しいだってぇ??」
と、心の中で思いつつ、ちょっとお怒りモードになりかけて、ハタと思い出した。
「ん?そう言えばHotel Villa S. Pioは、このホテルグループの中で一番高級なホテル。朝食を食べるテラスもステキとガイドブックに書いてあったぞ。」
するとインド人のフロントのお兄さんが、

「Hotel Villa S. Pioのお部屋は今のお部屋よりステキですよ。もちろんエキストラ・チャージはかかりません。」
と言う。
「エキストラがかからないのは当然じゃん。まぁHotel Villa S. Pioにも泊まってみたかったからいっか。」
と思い、OKすることにしました。

「では、すぐに荷物を片付けてこちらにお越しください。」
はい、は〜い、とばかりにHotel Aventinoに向かって歩き出したのですが、疲れた身体にはたとえ1分の道のりでも結構つらい。しかも坂道。
「待てよ?なんでこの説明を受けるために私はわざわざあっちまで行かねばならなかったの?そっちから説明にくるなり電話しろよ〜。」
と、不満ブツブツ。

ホテルに戻ってから、面倒だなぁと思いつつ荷物をまとめ、フィリピン人のスタッフに、
「忘れ物は無いね。ここは閉鎖してしまうからね。」
と念を押されてから、再びえっちらおっちら歩いてHotel Villa S. Pioへ。
ポーターしてくれたフィリピン人のスタッフに、こういう時はチップを渡すべきなのかとも思ったのですが、ホテルの都合で引越しさせられたのだから、必要ないだろうと思い渡しませんでした。

はふ〜。
部屋に入ってやっとほっとできると思ったのですが、
「しまった〜〜〜〜!部屋のセイフティ・ボックスにパスポートや航空チケットが入ったままだ〜〜〜〜〜〜!!!!!」
と、大ボケなことを思い出し、あわててフロントに電話をしました。
そして再びフィリピン人のスタッフが「だ〜から言ったでしょ?」みたいな顔をして登場。
私は恐縮しながら、またホテルとホテルの間を往復したのでした。そして結局チップを1ユーロ渡すことに。あ〜あ。

明日は帰国日。いつもだったらまだ帰りたくないって思うのに、なぜか今回はやっと帰れるのがなんだか嬉しかったのでした。

がしかし、この後自宅に帰り着くまでのとんでもなくなが〜〜〜い道のりが待ち受けていたのでした。

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