旅行記3-4

３日目は、ホテルから徒歩で行ける所にあるカラカラ浴場の観光からスタートすることにしました。

カラカラ浴場は3世紀に建てられた公衆浴場跡です。
今では、巨大な壁と、モザイクの一部が残されているのみですが、周りの緑と一体化したその姿はなかなかの風情がある上に、他の観光客が少なかったので、自分の世界にどっぷり浸ることができました。遺跡を見ている時間より、ベンチでぼ～っと景色を眺めている時間の方が長かったかも知れません。
ひんやりした空気を感じながら、静かに時間が流れていく中で、賑やかに人々が社交話に花を咲かせていた1,700年前の様子を想像するのは、なんだか不思議な気分でした。

まったりとした時間を過ごした後、浴場遺跡前の停留所からバスに乗り、アルジェンティーナ広場へ向いました。
そしてバスを降り、途中のインテリア・ショップで買物をしながら、カンポ・ディ・フィオーリへとフラフラ歩いて行ったのですが、半年前の夏に来た時はバカンス・シーズンで閑散としていたカンポ・ディ・フィオーリが、まるで全く別の場所に来たかのような錯覚を起こすくらい、賑やかな広場と化していました。
広場の青空市場でエスプレッソ・メーカーを購入。値切ったら５０セントだけ負けてくれた。たったの７０円ねぇ・・・。でも５０セントあればスパゲッティ１束は買えるから、まぁよしとするか。

カンポ・ディ・フィオーリから今度はナボーナ広場へ。ここも同じく、８月とは全く別の場所！！
ナターレ＆カポダンノ（正月）市が立っていて、たくさんの人たちで大賑わいでした。
メリー・ゴーランドがあったり、クリスマスの飾り、お菓子、おもちゃなどのカラフルで楽しげな屋台が所狭しと並んでいたのです。

ナボーナ広場のすぐ近くにあるサンタ・マリア・ノッヴェラ薬局でも買物をしました。
ここで相手をしてくれた女性店員は、すごく背が高くて、クドイ顔つきをしていたので、一瞬「おかまチャン？」と思ったくらい。しかも、派手な化粧に超ミニスカート！
ＳＭノッヴェラ薬局って、修道士の香料調整所を紀元とする400年の歴史を持つ由緒正しい薬局のはず。こんな派手なネーチャンをやとっていいのか？と思ったのですが、話してみると、このネーチャンがなかなかお茶目で可愛い人だったのです。
私がカタコトのイタリア語で「イタリア語は難しいからうまく話せない」と話したら、
「だいじょうぶよ～ん。あたしだってぇ、日本語しゃべれないしぃ～。」
と、でかい体に似合わない可愛い仕草＆言葉遣いで相手をしてくれました。

ナボーナ広場を後にして、昨日に引き続きテルミニ駅へと向いました。
往復の飛行機チケットやハイヤーを手配していただいた旅行会社の横山さんに代金を支払うため、駅近くのスターホテル・メトロポールで待ち合わせをしていたからです。
横山さんはこの日忙しかったため、代わりに同じ会社のＫさんが来てくれました。ずっとネット上でお世話になっていた横山さんと対面できなかったのは残念だったのですが、Ｋさんも某掲示板で名前を存じ上げていた方だったので、お会いできて嬉しかったし、ホームシック気味だった私にとって、久々に日本人と会話ができることがなによりホッとできたのでした。

横山さんお勧めのホテルの近くの両替屋さんで日本円をユーロにし、支払い完了。
その後、めんどくさかったので昨日と同じテルミニ駅のセルフ・レストランでご飯を食べに行くことに。嬉しいことに、Ｋさんもつきあってくれた♪
Ｋさんが詳しいサッカーの話、携帯電話を盗まれて取り返した時の話など、イタリアでの生活に関する興味深い話をたくさん聞くことができ、とても楽しい時間を過ごしました。

そしてこの日も、そのままホテルへ。
ホテルの人には、夕方からずっと部屋に引きこもっている変な日本人と思われていたかも知れません。