やっとの思いで転職できたとしても、すぐにバラ色の新しい日々が始まるかといったら、残念ながら現実はそんなに甘くはありません。
特に初めての転職の場合、しばらく何ヶ月かは「とまどいの日々」が続くことでしょうが、その時の苦労に耐えられてこそ、転職に成功したと言えるのです。
では、初めて転職した時、実際どんなとまどいが待ち受けているのか? 私の経験をもとにまとめてみました。
まずは人間関係。
当然ながらまわりは誰も知らない人ばかり。通い慣れた会社だったら、 誰が親切で、誰が意地悪で、これはあの人に聞けばわかる、これはあの人の所へ持って行けばいいなど、自然とわかるようになっているものですね。しかしながら、新しい会社ではそんなことも全て白紙からスター ト。しかも若い新入社員の時は、「わからなくて当然」と、まわりも親切に教えてくれますが、中途採用社員の場合、即戦力を求められているため、あまりそういった細かい点まで手取り足取り教えてくれない場合があります。つまり、自分から積極的に働きかけていかないと、なかなか社内の人的ネットワークをつくっていくことが出来ないのです。 中には、中途採用者に変な警戒心を抱く人や、「こんな簡単なこともわからないの?」的な意地悪なことを言う人も居ます。 また、諸々の社内手続きを1から覚えるのもやっかいなものです。 本当に細かいこと、例えば電話の使い方、伝票の書き方、出張申請のし方など、会社によって全く違いますから、こうした手続き的なことまで1から全て覚えなおさなければなりません。
「そんなことたいしたこと 無いじゃない?」と思うかも知れませんが、細かいことを早く覚えない と肝心の仕事が進まなくなり、自分にイライラしてしまって、余計なス トレスを溜め込む原因となるのです。
そして、その会社のルールや、独特の用語などにもとまどうことでしょ う。 例えば、本当に細かいことですが、あなたの会社では飲み会をした時、 その会費はどうやって支払いますか? 私は最初の会社のルールが、上役の人ほどたくさん払うという傾斜型ルールだったので、それが世間では当たり前だと思っていました。でも、 部長だろうが1年目の社員だろうが完全均等割り勘の会社だってあるのです。一度、会費を傾斜で計算して、上司からすごい勢いで怒られたことがありました。そんなことで怒鳴る人もどうかと思いますが、実際こういったバカげたことでとまどうことも少なくないのです。
もちろん自分が与えられた仕事においても、同じ業種や、同じ職種だと しても、三社三様やり方が違ったりするので、「どうして?」「これじゃ ぁ駄目なの?」等々、頭の中がパニックとなることもあるでしょう。
以上、別に脅かすためにこんなことを書いたのではなく、これらのことは転職した人が誰でもぶちあたる壁であり、けっして自分だけのことだと悩まずに、その壁を突破するまでは、あせらずじっくり我慢すること が大切だということが言いたいのです。
転職とは、住み慣れた日本を離れ、外国で生活を始めた時と同じくらい のカルチャーGAPを感じるものなのだと心得ていてください。

9.転職先で苦労すること

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