池田満寿夫氏をテーマにさせていただくにあたって、まだ氏の作品をきちんと
拝見していなかったことに気づき、早速探しました所、運良く「狭山市立博物館」で
「現代版画の一系譜」という版画展が行われておりましたので出かけてまいりました。
その模様はこちらに作ってみましたので、よろしかったらご覧下さいませ。
上等の庶民芸術家による男の手料理
版画家、画家、彫刻家、陶芸作家、芥川賞作家、エッセイスト、など様々なジャンルで
ご活躍されていた池田満寿夫氏が亡くなられて、もう三年半にもなるんですね。。。
今回はその池田満寿夫氏著作の「女のための男の手料理」で紹介されている
大変にユニークでバラエティに富んだ料理の数々から、特に惹かれたものにアレンジを加えてご紹介させて頂きます。
この「女のための男の手料理」は氏が昭和60年10月から61年末までサンケイ新聞に連載していた
「男の手料理」というコーナーをまとめた本で、中央公論社から62年に出版されたものです。
モットーは「手抜き料理」と書いていらっしゃいますが、ただの手抜きではなく
お料理上手の奥様(ヴァイオリニスト佐藤陽子氏)考案のレシピや
海外で食べられた料理などを、ご自分のレシピとしてユニークにアレンジされています。
それをご紹介くださる文章がまた興味深く、料理をなさらない方でも楽しめる本だと思います。
タイトルは大好きな森茉莉著「私の美の世界」に収められているエッセイ
「上等の庶民芸術家イケダ・マスオ」のタイトルと
池田満寿夫氏著の「女のための男の手料理」のタイトルを合体してしまいました。
惹かれあっていたお二人ですので、きっと許してくださいますよね?!ね???
それにしましても、なんだか本当に私の興味の対象になっている方や物などは、マリアの好きなものばかりで
影響を受けたといよりも真似っこのようで、今更ながらびっくりしております。
(余談ですが、11月になると聴きたくなる「November Steps」の作曲者 武満 徹氏も
マリアの作品を読む以前、小学生の頃から父の薦めで知っていたのは確かなのですが、
興味を持ったのは・・・やっぱりマリアの影響かもしれません。ごめんなさい父)
“ 「玉子のつくだ煮」STOLAS風 ”
材料
鶉の玉子(もちろん鶏卵でもOK)、
おでんや寄せ鍋の残りのお汁(又はだし汁とお醤油)、
お好みで粒入りマスタード(又は辛子)
作り方
「殻つきの玉子を十個くらいしょう油にわずかなダシ汁を加えて五時間中火で煮詰める」
というのが池田氏のレシピなのですが、
STOLAS風はおでんの残りのお汁にしょう油を加え(殻付きを煮るので、煮魚を作る時より
倍くらい濃いお味にするのがお奨めです。)そこに“殻付きの”鶉の玉子を洗ってから
投入し、弱火でコトコト五時間煮込んで出来上がり♪
今回、玉こんにゃくも煮たのですが、池田氏のこだわりは素材を一種類ずつ煮る
ということでお汁を二つの鍋に分けて、別々に煮ました。
この料理は殻付きのまま煮るというのがポイントなのですが、
本当に殻付だと、殻をむいて煮たのと食感が全然違うんです!
しこしこするというか・・・氏は鮑のようだと書かれてました。
(昔、母がおでんを作るときに殻付で玉子が入っていると、「手抜き?!」と思っておりましたが、
もし、しこしこ感を求めてそうしていたのだとしましたら・・・ごめんなさい母)
これを作るために、前日に良いだしが出そうな具でおでんを作りました。
(美味しいお汁が出来たのですが、これを作る目的が合ったので、
店主がお汁を飲もうとすると「ちょっとだけにしてね」と言わなくてはいけないのが辛かったです。(^^ゞ)
もちろん、氏のレシピのようにお醤油とだし汁で作って頂いてもOKです。
殻付で煮ますので、しょっぱ過ぎるかな?と心配になるくらいでちょうど良いと思います。
(1度やってみて、お好みの味を見つけてくださいませ)
弱火でコトコト煮ますが、2〜30分毎にはきちんと鍋を見てあげませんと
汁が煮詰まってなくなって大変なことになりますのでご注意くださいませ。
煮詰まりましたら、お水を加えながらひたすら煮てください。
辛子をつけて日本酒でいただいてももちろんなのですが・・・
粒マスタードをつけるとワインにも合うおつまみに早変わり♪
自然に入ったヒビで出来るマーブル模様で、見た目も楽しめるおすすめのおつまみです。
材料
お米(リゾット同様、粘りが出るのを防ぎたいので研ぎません)、塩、胡椒、
EXV.オリーブオイル、イタリアンパセリ、レモン、アボガド、(お好みでオリーブ)
作り方
今回お米はパスタのように扱います。お鍋に湯を沸かし塩を入れ
研いでいないお米を投入してややアルデンテに茹で上げます。
茹で上がりましたら、蕎麦のようにお水で洗います。
よく水気を切ったお米にEXV.オリーブオイルをまわしかけ混ぜます。
さらに塩、胡椒、レモンを絞りかけ混ぜ合わせます。
アボガドは半分のところに切れ目をいれ、回して外し種を取り
適当にカットして軽くレモン汁を振りかけておきます。
味付けをしたお米に刻んだイタリアンパセリとアボガド、を合わせて出来上がり♪
お好みでオリーブを添えてください。
氏のレシピですと、普通に炊いた米を寿し飯のようにあおぎながら酢とオリーブオイルを混ぜて
冷ましてから、刻んだパセリとアボガドを混ぜ合わせ好みで塩を加えるとなっていますが、
よりエーゲ海っぽさを求めて上記のようなレシピを作ってみました。
材料
バナナ、赤ワイン、ラ・フランスなどの洋梨1個、白ワイン300ccくらい
シナモン・スティック、バター、グラニュー糖、
作り方
まずは洋梨のソルベです。お鍋に、白ワイン、グラニュー糖大さじ2(お好みでどうぞ)、
小さめにカットした洋梨を入れ沸騰させます。数分煮たら火を止めて冷まします。
冷めたものをミキサーにかけて凍らせます。
カチンコチンにならないように完全に凍る前に、途中スプーンで何度か混ぜてください。
次にバナナのワイン煮ですが、鍋にバターとグラニュー糖少々を入れ、
こんがり良い色がつくまで温めます。
そこへお好みのサイズにカットしたバナナを入れソテーします。
軽く焼きめが付きましたら、赤ワインをひたひたに注いでお好みの柔らかさに煮ます。
(お好みで煮る時にシナモンスティックを加えてください。)
お皿に熱々のバナナと冷たいソルベを盛って出来上がり♪
「赤ワインとバナナの輪切りを鍋に入れ、ただ煮るだけである。」というのが氏のレシピです。
奥様がキューバの学生さんから聞いたレシピだそうで、デザートをあまり召し上がらない氏も
熱々を美味しく召し上がられたそうです。私はそのレシピに、以前どちらかのサイトで拝見した
「バナナフランベ」のイメージを加えて自分なりのレシピを作ってみました。
(ご旅行先で召し上がった、たっぷりのブランデーでフランベしたバナナのレモンシャーベット添えが、
たいそう美味しかったと書いていらっしゃるのがとても印象的でした。)
このレシピのお奨めポイントはワインが残ってしまったり、お口に合わなかった時に
気軽にお作り頂けるというところです♪是非お試しくださいませ。簡単なわりに雰囲気ありますよね?!
・・・手前味噌?!(ごめんなさい、読んでくださっている方(^^ゞ)
色々なジャンルでご活躍された池田満寿夫氏。お名前はどなたもご存知だと思いますが、
意外にその作品に触れていない方も多いのではないでしょうか?(私だけかもしれませんが(^^ゞ)
今回の私のように、もしかしましたら身近で氏の作品に触れる機会があるかもしれません。
ご興味をお持ちになられましたら、お探しになってみてはいかがでしょうか?
MASH様より「池田満寿夫展」情報を頂戴いたしました。
新宿小田急百貨店11F 【 小田急美術館 】
2000年11月15日(水)〜12月3日(日)※休館日無しだそうです
10:00〜19:30 ※入館は閉館の30分前まで
一般800円 大学・高校・中学生600円 TEL(03)3342-1111
初期から晩年までの版画作品をメインに10代の油彩から様々な作品をとりあげているそうです。
MASH様、ありがとうございます。