由緒あるスイートベルモット チンザノ
以前、ドライベルモットの銘品としてノイリープラットをご紹介させて頂きましたが、今回は
スイートベルモットの代表銘柄、チンザノを取り上げてみたいと思います。
スイートベルモットは白ワインをベースに薬草やスパイスを加えて造る
アロマタイズド・ワインの1種です。スイートベルモットとドライベルモットでは色が違いますが、
使用する薬草やスパイスの種類が違い、かつスイートベルモットはカラメルで着色している
ため、違う色になっています。
ベルモットの原型ともいえるワインに薬草や蜂蜜を入れた飲み物は
古くはギリシャ時代から作られていましたが、現在の形でのベルモット
が作られるようになったのが18世紀から、イタリア北部のトリノ地方が発祥とされています。
このトリノ地方で作られたベルモットは甘口のものになっており、辛口のベルモットは
20世紀初頭にフランスのマルセーユ近辺で作られたのが最初だということです。
現在ではイタリア・フランス両国で甘口・辛口のベルモットを生産するようになっていますが、
当時はイタリア=甘口、フランス=辛口のベルモットが主流になっていた名残で
甘口のスイートベルモットをイタリアンベルモットと呼んでいます。
チンザノの生産元であるフランジェスコ・チンザノ社の歴史は古く、
イタリアでベルモットの生産が始まったのとほぼ同じ時期の創業1707年です。
その後チンザノ家が事業に本腰を入れたのが1757年(1751年という説もあります)、
この年が同社の設立年とされています。その後チンザノ社は成長を続け、
今では世界20ヶ国に関連会社を持つ大手メーカーとなっています。
1861年、フィレンチェの博覧会でゴールド・メダルを初受賞(その時のメダルは
今もラベルに表記されています)して以来、チンザノの名が知られるようになり、
数知れないほどの受賞回数を誇るスイートベルモットの代表銘柄となりました。
にがよもぎ、キナ皮、アンジェリカ、カルダモン、コリアンダー、シナモン、ビターオレンジ、
レモンピール、ミント、フェンネル、ペッパー、クローブなどが材料となっており、
それぞれの香味が調和して、独特の風味を醸し出しています。
飲み方としては食前酒として飲んだり、あるいは胃の調子が悪い時に
少量飲むなどするのも良いでしょう。もちろん、カクテルとして飲むのもお勧めです。
カクテルについては後日紹介させて頂きます。
いかがでしょうか?この、値段としては1000〜1400円(定価1460円)で、また
町の小売店やスーパーなどで気軽に入手することが出来ると思います。
胃の調子が悪いけれども、お酒は飲みたい。でもカンパリ系統の強壮作用のある
お酒は苦くて飲めない・・・といった方でもこちらのスイートベルモットなら
お試しいただけると思います。是非一度、試してみて下さい。