□□ ハミルトン カーキ □□
□2009/3/10


今から20年以上前、大学生の頃購入したハミルトンのカーキ。9415Aというムーブメントのようです。ETAのムーブメントです。ずっと前になくなったと思っていたのですが、初めての分解をするにあたり、押し入れを時間をかけて探してみたら見つかりました。リューズを巻いてみても、すぐには動かなかったのですが、裏蓋を開けてリューズを引き抜いたら、動き出しました。分解・掃除を行うには、最適なコンディションといえるでしょう。


裏蓋をあけてリューズを抜いたところ。腕時計の中の機械は、ケースにネジなどで止められていることは少ないようです。リューズで引っかかっているだけなので、機械を取り出すにはリューズを引き出す必要があります。リューズの根本近くにあるオシドリと呼ばれる部分を押すことでリューズを引き出すことができます。


日記にのなかで何度か話題にしたテンプです。上の写真の左側、赤いルビーがついた部品です。こいつが時間を調整する仕組みを担っています。丸く針金を巻いたような部分がヒゲゼンマイ。この長さを調整することで、進みや遅れを調整します。写真で見ると、ヒゲゼンマイが一部寄れています。これは、ダメな状態です。ちゃんと均等に丸まっているのが理想的な状態。きっと、私が取り出す時にどこかに引っかけたのでしょう。


表側に回って、秒針と分針を抜いたところ。時計の針って一見すると同じところに刺さっているように見えますが、実際は三層構造の突起物があり、根本の太い管に時針、次のやや太い管に分針、芯となっている細い管に秒針が刺さります。これを取るのも刺すのも一苦労でした。


機械からテンプと歯車(輪列)の押さえ蓋をはずしたところ。その後、3つの時計を分解しましたが、この歯車の大まかな配置は、どの時計も一緒でした。時計の設計とは、ホントによく出来ていて、ピタっと治まる場所は、一カ所しかありません。組み立てていてなにかガタつきがあるようなら、絶対にうまく治まっていないのです。うまく収めると、ガタつきなくピタリとはまります。それがとても気持ちいいです。

これが最初の分解、掃除でした。この分解・組み立てがうまくいかず、その日に3回ほど組み立て直し、どうじか動くようになりなりました。また、その後、他の時計もこなし、少しうまくなってから、再び分解・掃除を行いました。初日は、丸1日かかっていましたが、最後の分解組み立てでは、全部で3時間くらい。なかなかの上達ぶりです。



x
ii