「せんせっつ!そこはっつ、ダメですっつ!」
伸びてきた指先に、思わず甘ったるい悲鳴を上げる。
男の熱を散々奥ではじけさせられて、自分は一度もいけなかった時、よく一人で慰めたそこは、
先生が可愛がってくれるのを知っていて、硬くなっているどころか、何時の間にか表皮すら脱い
でしまっている。
「何言ってんだ。漏らすほど、イイ癖に」
「何時も!!は……しませんっつ」
「可愛いぞ?お漏らし」
「変態ですかっつ!」
クリトリスを弄り続けられて、何度もそこだけでいかされて、挙句の果てには失禁してしまった
事が、数回ある。
「その……変態にされて、いっちまうお前はそれ以上の変態って奴じゃないのか?」
「……センセ……楽しい、です?」
「お前のそんな面、見れるのは楽しいぜ」
全く、そんなに嬉しそうな顔で覗き込まれたら、嫌だなんて言えない。
「どうせなら、もっとイイ顔にして下さい」
「素直に感じろや?」
「……はい」
無精髭の顎に口付けをすれば、にやっとそれはもう、嬉しくもイヤラシクも笑った先生は、
私の股間に顔を埋める。
舌先が焦らす動きで、ちょんちょんと敏感な部分を突付いてきた。
「あんっつ!」
蕩けるような声が溢れ出ても、私はそれを敢えて止めようとは思わない。
恥ずかしい事この上もないのは確かだが、声を出せば先生が喜んでくれるからだ。
「イイ声だなぁ。おい。声だけでいけそうだぞ」
「嘘。先生のアレはそんな可愛らしい子じゃないですよ」
「……若い娘が男のナニを捕まえて『子』扱いするんじゃ、先が思いやられるな」
「ふふ。子供扱いするのは、センセのだけです。他なんてとんでもない」
子供は自分よりもか弱いもの。
護ってしかるべきなもの。
大切な、もの。
そんな呼称をどうして他の男のアレなんかに使えるだろうか。
「それに…ああんっつううんっつ…それ、に……そもそもさいちゅ…最中に、こんな会話が成
り立つのって……先生だけですから」
他の男なんか、突っ込めればいいという奴等ばかりだ。
閣下のように、私の痴態を堪能する為に焦らして焦らしまくる相手よりは余程、簡単で楽でも
あったけど。
言葉一つ交わさないSEXは、自分が人形にでもなったんではないかと錯覚するほど。
適当にインプットされた喘ぎと淫猥な言葉を、相手の腰使いに合わせて吐き出すだけのSE
Xドール。
ああ、いっそ性奴隷な感じ?
「お前さん相手に、一言もしゃべらないのは、そんだけイイからだろうよ?可哀相なこった。
言葉攻めでめろめろになるお前さんを知らないんだからな」
「穴があればいいなんて思ってる輩に、あんっつ。そんな器用なことはできませ……んよ」
されても、困るし、ね。
私が感じて溺れる相手は、先生だけでいい。
命じられれば、誰にでも身体を開かねばならない。
どんな痴態も晒さねばならない私の、せめてもの誠実。
「センセ?」
「んだ」
「もっと、して下さい」
「してるだろう」
先程から、クリトリスを舌先で突付かれるだけだ。
膣の奥からとろとろと溢れ出る蜜を、繊細な動きが得意な先生の指にたっぷりとつけて、激
しく擦りたてて欲しいのに。
「ですから……はげ、しく」
「こんな感じかぁ」
今度は舌全体を使って舐め上げてくる。
「ああんっつ。やあ。駄目です……それっつ」
先程よりはダイレクトな愛撫だが、まだ弱い。
焦らされている気分に、私は興奮しながらどんどん追い詰められてゆく。
「舌で、舐めるんじゃ、なくってぇ」
付け根の部分に歯を立てられて、びくびくと太ももを揺らしてしまう。
頭が爛れそうに気持ちいい。
それこそ、またお漏らしでもしてしまいそうだ。
「センセっつ。センセぇっつ」
ともすれば落ちかけて、クリトリスを包み込もうとする表皮を爪の先で、捲り上げて、舐めら
れる。
神経という神経がソコに集まっているんじゃないかと思う激しさで感じた。
蜜なんか、太ももがべしゃべしゃになるくらいに溢れて止まらない状態だ。
「いって、いいぞ?」
「でもっつ」
「俺のナニも結構な状態になってきたからな。クリで可愛らしくいったら、びくびくの膣ん中。
擦ってやるから」
「ほんと、に?」
「俺は、そーゆー嘘はつかんだろうが」
「……そ、ですね」
焦らしに焦らされて、蕩けそうになる最中に言われるので、いちいち思い出さないとわからな
い辺りは、終わっている。
目を瞑って、先生が触れている箇所に意識を集中すれば、瞼の向こうで私の顔をじっと見詰
める先生の気配があった。
「やっつ、センセっつ。見ないでっつ」
お願いっつと、続ければ、唇にふわりと届く微苦笑。
はやく、イけよ?
と音にせず、唇の動きだけで促される。
なんて、イヤラシイ。
ちぷちぷちぷと、指先のせいぜい第二関節ぐらいで中を擦られて、すっかり硬くなってしまっ
た箇所を、舐め上げられる。
時折、噛まれるのと、中のいい場所を指先で突付かれるタイミングが同時なのは、SEXに手
馴れた親父の技。
どこまでも、余裕の体で攻められるのが悔しくて、堪らなく気持ちがいい。
「んっつ、んんっつ。センセっつ。せんせぇっつ」
何かが来る感覚を必死に耐える。
耐えれば耐えるほど、快楽の波が大きいのは知っていて。
もう我慢できない、と盛り上がりかける箇所でですら、つい力を抜いて到達を先延ばしにして
しまう貪欲さ。
他の誰としても、早く終わることしか考えないが、先生との交接は本来の性行為の意味合い
のまま、何時までも繋がっていたくて。