俺のキスを振り切って、紅葉が全身を硬直させる。
　くびれの部分がすっぽりと収まったのだ。
　「入っちまったな」
　「入って、ますね。あなたの、一番、おおきな、トコ」
　後は、濡れないはずなのに、蕩け切っている中に遠慮なく埋め込んでゆけばいい。
　「ここまで銜えれば、後は俺の独壇場だ。いい子で喘いでな」
　反論を紡げない内にと首筋に唇を押してれば、それを合図にして紅葉は、首を前に垂らし
本格的に俺の突き上げを受け止める体勢になった。
　ず、ず、ず、と、もっと早く動けるのにも関わらず、のんびりと腰を入れて行く。
　「ひうっつ！」
　途中、弱い所にあたったのだろう、覿面に紅葉の背中が仰け反った。
　「ん？」
　中が、うねくるように蠢いた。
　この、動きは？
　俺は横から手を伸ばして、紅葉のアレに手で触れる。
　「や！駄目っつ。触らないでっつ」
　「すっげ。お前、またいっちまったんだ？」
　ペニスはびくびくと震えて、蜜を滴らせている。
　「……言わないで、下さい…」
　直接刺激を与えられていくよりも、中でいかされる方が羞恥は格段と高いのだろう。
　声に泣きが入ってる。
　「良くって泣いてるんなら、いいけどな」
　「……泣いてなんか、いませんよ」
　「ったく。この状況で意地を張るかね？」
　「ここで、矜持を。持たずして……どこで持つというのです」
　「……。ま、んな所も好きだからいいけどな。続けるぜ」
　返事を待たずに、挿入を続ける。
　殊の外時間をかけているので、中々奥までは届かない。
　「んんっつ、あうっつ」
　しみじみとイイ声だ。
　俺はこいつの声を想像してるだけで、一人上手の際、本人が目の前にいる時とさして変わ
らない心持で盛り上がれる。
　普通は、想像の相手の方が艶っぽくて、オネダリ上手と相場は決まっているけれど。
　俺の紅葉は、現実の方が淫らで、可愛らしくてコマリモノ。

　「すんげー締め付け。まだ半分だぜ？全部入ったらまた、いっちまいそうだな」
　「る…さい、ですよ」
　気持ち良くて堪らないのに、この憎まれ口。
　それが可愛いんだって、言ったら本人口を噤んじまうから、言わないけどな。
　「ひ！あ、あ、あっつ」
　まるで食い殺される獣のような喘ぎ。
　苦しさの方が大きいのは、何時ものこと。
　「も……、どして」
　「ん？」
　「いっつも…んあああっつ…こんな、おっきっつ」
　まったナニが大きくなるようなセリフを吐きやがって。
　「ひ、う」
　案の定、ずくんとアレが更に大きさと硬度を増す。
　こいつの中にいると俺のナニは際限もなく、でかく、硬くなっていくんじゃないかと、そんなお
馬鹿な思考にも至る。
　「そりゃ、お前の中が良すぎるからだ」
　抱いた女の数は星の数とまでは行かぬとも、ま、普通に生活送ってる奴等とは比べ物にも
ならんだろう。
　男ともまぁ数度、紅葉に出会うまでは、あんまり美味しいと思ったコトはなかった。
　アナルＳＥＸより、膣擦って子宮にぶちまけるのが趣味だったといってもいい。
　だが、こいつの中は一度、スキャニングとかなんだかしてーぐらい、中が蠢く。
　でもってアナル特有の抜群の締め付け。
　どうしたって擦れば擦るほどゆるったくなる女の中とは、比べ物にならなかった。
　「あー後は、吸い付き？」
　女の襞に包み込まれる優しさというよりは、中がぴったりと張り付いてくる貪欲さ。
　どんだけ擦っても、お互いの体が馴染んでも、締め付けと吸着力？ってーのが損なわれな
い。
　「ま、何よりこの」
　「ん？いい、う……あ、あ、くっつ…ン、ふぅっつ」
　後背位でしか、見えない背中のうねくり加減が。
　「堪んねーよなぁ」
　「あ、あ、あ、あっつ」
　きっと目を見開いて、俺の先端が奥に届いた衝撃に耐えているのだろう。
　案の定、横から覗き見れば先端からとろとろと搾り出されるように、少量の射精をしている。
　「紅葉？」
　耳朶を歯の先で噛んで、耳の穴に舌を捻じ込みながらわざとらしく確認してやった。
　「やっぱり出ちまったなぁ」
　「やっつ……言わないでぇ…」
　いった瞬間の締め付けも去ることながら、こうやって言葉で苛めてやると中がきゅんきゅん
と食いついてきやがるのだ。
　しかも、時折身体あちこちをびくつかせながら。
　なれた身体がそれでも愉悦に怯えているのだと、目に見えるのが、更に俺の嗜虐心って奴
を擽る。
　「…し、こ？」
　「んだ」
　「動かない、の？」
　「動いて欲しいんかよ」
　「ほしっつ。奥、突いて。くる、くるって、掻き、回して、ほしっつ」
　やっぱり血の匂いに浮かされている時の紅葉はいい。
　溺れ切るまでの時間が短い。
　「こう、やって、か？」
　腰骨に指先を食い込ませる強さで掴んで、ゆっくりとナニを円描かせる。
　「ん！そうっつ。それっつ…あああっつ、好きっつ。イイのっつ」

　先端から根元まで全体を上手に動かすのだが、これがまた難しい。
　ついつい楽な方に走って、奥だけや入り口だけを掻き混ぜるのに切り替えれば、不満そうな声
が上がってくる。
　時々、その縋る声が聞きたくてやってしまうのだが。
　ここまで乱れてくれると、故意にする気は失せる。
　「やんっつ、しこうっつ！」
　だがしかし、ちょっと思考をずらしたりした日には紅葉の望む突き上げとは離れてしまう。
　今は、奥だけを広げている感じ？
　「んだ？これが、不満かよ」
　ぐぐっと角度を変えて、更に奥を開いて注ぎ込む下地を作ってゆく。
　「だって。そんなに、広げ、られたらっつ」
　「広げられたら？」