「たくさん、入るでしょっつ」
「何が?たくさん。入っちまうんだ。お前の、中にさぁ」
俺の言葉攻めにも弱いが、自分で淫らな言葉を使うともっと乱れる紅葉を、どんどん追い詰め
てゆく。
自分が血に塗れて、汚れ切っているのだという、間違った考えを改めさせる為にも。
限界を超えた快楽って奴が必要なのだ。
「……どーして、そ、言うコトばっかりっつ!んんっつ。言わせ、るん?」
「そりゃお前が、もっと興奮するからさ。今でも十分だけど。お前は十分じゃ足りないだろ」
「そんな事、なっつ。ひああああっつ」
散々広げておいた場所から、ゆっくりとあれを引きずり出して、入り口まで持ってきて。
入り口が、ひくひくって俺を欲しがったのを見越してから、ずうんと奥まで一息で突き上げる。
紅葉の口は衝撃にぱくぱくと開かれて、餌をねだる魚に似た動きで俺を誘った。
「言わないと、これ。繰り返すぞ?」
刺激が強すぎて、紅葉が覿面、怯える攻めではあった。
俺としては、堪らなく可愛いんで気合一発射精を我慢してでも続けていたい愛技ではあるの
だけれども。
「や。しないでっつ!しちゃ駄目っつ」
うわー。
しちゃ駄目とか、言ってるぜ。
あの、紅葉が。
「んじゃ。言えよ」
軽く耳朶を噛んでやれば、尻の辺りからびくびくと震えて、幾らか興奮が収まってから、ごくっ
と喉を鳴らす。
「広がった、とこ、に。しこうの、こゆーい。せいえきが、たくさん……はいるからっつ。もぉ、し
ないで」
「いいじゃねーか。俺の精子を腹一杯飲めよ」
「でもっつ」
「……腹下すほど長く孕めとは言わないさ?何だったら、出したの全部掻き出してやっても
いいぜ」
俺の掻き出しはちょいと強引だ。
水で濯ぐ訳でもなく、指で広げていきませるでもなく。
ナニで、突き上げてじゅぷじゅぷ言わせながら、紅葉の吐き出す蜜液で俺の精液を流させ
る。
「自分でするからっつ!しこーは、しないでっつ」
想像したのだろう。
目に見えて怯えが走った。
「んじゃ、我侭言わないで。俺の精液をお腹が苦しくなるまで飲み込んで。出す時は俺の
目の前でやってくれるな?ん?」
羞恥に悶える紅葉は何時でも好物なので、俺としては願ったり叶ったり。
「ん。しこうの、言う、とーりに。するからっつ。ああああんっつ。もぉ。出してぇ」
「どこに。何を欲しいか言えたら、出してやるけどよ?」
んっくっと、鼻を鳴らす紅葉の喉を擦って促す。
「……くれはの。おしりに。しこうの。せーえきを。いっぱい。だしてください」
舌足らずの懇願に、危うくいきかけた。
「よしよし。じょーずにできましたっと」
「ひゃあああんっつ」
俺はナニを入れたままで、身体を反転させた。
いわゆる正常位って奴だ。
バッグも最高だが、無性に喘ぐ紅葉の面を拝みながら出したくなった。
「ちょっつ!やぁっつ」
この期に及んで顔を見せまいと、腕を交差する紅葉が愚かしくも可愛かった。
シーツに両腕を縫い付けて全開の抜き差しを続ける。
涙を流しながら必死に首を振るのは、嫌な訳じゃなくって怖いから。
どこまで感じるのかと。
SEXに慣れてゆくにつけ、こいつは怯えを深くした。
「泣くなって。痛くはないだろうが」
「痛いよっつ!」
こいつが、痛い、と音を上げる場面なんて、俺以外は遭遇しねぇだろうなぁ。
「どこが、どんな風に」
「胸がっつ。しくしくって。やあっつ」
「ばーか。それは痛いんじゃなく、イイって言うんだ」
ほろほろと零れる涙を啜り上げて、背中に手を回せば、縋る激しさできつく抱き返してくる。
「しこっつ。しこぉ……」
「んあ?」
「……しこぉっつ……い…ぃ……」
「そんなにイイんか」
「うん…気持ち……い…」
肩口に顔を埋めてやっぱり表情を見せない恥じらいを乗せながらも下半身は奔放だ。
俺の腹筋にすりすりとナニを押し付けながら、リズムよく刻む腰使いに反するように、腰を突き
出してくる。
計算してではないだろう。
経験上、こうすると愉悦が深くなると知っていての無意識の行動だ。
「俺も……いいぜ?……よ過ぎて……このままイっちまいそうだ…」
暗殺者としての顔を持つ、こいつのこんなに無防備な様を見たら、心の底から満足して逝ける
んじゃねぇの?
俺にように、もっともっととより先を深くを求める貪欲なタイプはさて置き。
大半の人間ならば、こいつを抱きながら死ぬ魅力に抗えないんじゃないかとか。
そんな風にも。
「ねぇ?しこっつ……も、イって……」
「お前もイけるか?射精じゃねーぞ……中で、イけるか」
「う、ん……しこーが、出して…くれる、なら……イけちゃ……」
「そっか……じゃ、ここだな。ほらっつ」
紅葉が一番感じる入り口から指の関節二個分の位置。
こりっとした僅かな突起を先端でがががっと突いた。
「ひうっつ!」
イった瞬間の締め付けと言ったら、まぁ。
ナニが蕩けて、満足に腐れ落ちそうだ。
「まだ、だぞ?」
けれどこの先の、イきっぱなしで、締め付けながら蠢動し、更には食いついてくる中の良さを
知っている俺は、まだイけない。
「一緒にイきたいなら。イきっぱなしだ」
「やあぁ」
仰け反らせた首にきつく歯を立てる。
肉を食む感触を楽しめば、紅葉はそんな普段なら快楽と程遠い刺激にでもイっている。
「しこー。しこっつー。も、だめ…もぉ……だめぇ」
眦が赤くなるほどに泣いた目で、必死に俺を見詰めて、到達を促す。
ああ、この。
俺だけを見詰める瞳が堪らない。
「ああ……俺も…限界だ…イく…ぜ…」
断言して三秒後。
俺は紅葉の中にたっぷりと出した。
「ふ!……ああ……しこうのは、あつい……な」
眦がやわらかく撓んだと思ったら、全身から力が抜け落ちる。
首から手が滑り落ち、くったりと身体がシーツの上に投げ出された。
「紅葉……?」
読んでも瞼すら動かない。
どうやら完全に失神してしまったらしい。
「後数発はやりてーんだけどな。俺は」
さすがの体力で、俺が満足するまで付き合ってくれる事も多い紅葉だったが今日はやはり、
疲れが酷かったのだろう。
「ま。今はこの顔をおかずにして、夢の中で犯しまくってやるよ?」
俺は抜き取った途端溢れ出てくる、手前の精液をティッシュで押さえると、丁寧に拭った。
大分汗も掻いたので、軽く全身拭いてやろうと思い立ち、ベッドから身を起こす。
紅葉の意識を刺激しないよう忍び足でキッチンへ向かった。
「しっかしアレだよな。紅葉がこれを暗殺に使ったら。とんでもねぇスキルアップになんだろう
なぁ」
特に男。
どんなに警戒心が強くても、例えば俺がこいつを犯している姿なんか見た日には、辛抱
溜まらず3P参戦してくるだろうさ?
後は、こっそりプレイビデオを送りつけるとかな。
「……ま。そんなん俺が許さねーから実現はしねーけどよ」
っていうか、そこまでして紅葉が殺さねばならない相手の想像がつかない。
暗殺技術を向上させる為ならどんなことでもしでかしそうな紅葉だから。
俺が、こんな間抜けた事を考えたなんて。
決して、言えないけどなぁ……。
END
*おお!長かった。やっとこさ完結ですよ。
何か当初はもっどダークな終わり方になるはずだったのですが、
気がつけばラストはコメディ風。
や。
そーゆーのもありか?って気もしないじゃないんですがねぇ。