強く握っていないのに、紅葉の心音は更なる早さで脈打ち始める。
俺の愛撫の手を止めないように腰を浮かしながら、下着とズボンを一緒に脱ぎ捨てた。
常ならばこんな場面でも潔癖症なところを見せつつ、型崩れしないようにそっと衣服を置くの
だが。
投げるようにベッドの下追いやった辺りに、俺を欲しがる様子が滲み出ていて、思わず笑み
が浮かんでしまう。
「紅葉……」
全裸となった紅葉は躊躇いもなく俺の首に腕を回して、どんどんと硬くなってゆく己の肉塊
を見詰めている。
妙な所で好奇心旺盛な紅葉は、SEXの最中。
普通だったら目を閉じて羞恥に耐えている場面に、まじまじと結合部分に見入っていたりす
るケースがあった。
奴曰く。
『だって不思議だろう?』
という事なのだが。
何が不思議なのか、俺にはイマヒトツわからない。
ただ、紅葉がそれはそれで、俺の行為の中。
見出しているものは、俺と違わぬものだと信じているので、咎めはしない。
性に関する個人の嗜好は様々にして深遠。
結構場数を踏んだ俺でも、まだわっかんねーなぁと思う事は多いのだから。
「今にも零れてきちまいそうだぜ?旨そうな奴が、さ」
先端に指の腹を押しあえtれば、微かにねばつくものが糸を引く。
「……イヤラシイ親父の物言いだよね?」
「その方が、興奮するだろ、お前さん」
「そうかな」
「そうだぜ……ほら見えっか?」
紅葉に良く見えるように指の腹をずらして、小さく開いてしまった穴から透明の蜜が溢れてく
る様を堪能させる。
「凄い……どんどん、溢れてくる」
「全く他人事だよな。お前のちんぽから出てんだぜ」
「僕のから……たくさん、出てる、ね」
愉悦に目の端を染めて、俺を見上げてくる媚態。
ホント無防備で。
不思議で仕方ない自分の身体の変化を、俺に同意を求めているだけなんだってのは、経
験上知っているけれど。
性質が悪りィ。
「これ以上零れたら、シーツ汚しちまうからな。全部嘗め取ってやるよ」
「ちょっと!村雨さん?」
「祇孔、だろう」
男のナニを銜えるのなんざ、心の底から御免だが。
紅葉のナニは唯一の例外。
俺に比べたら誰でも貧相になっちまうナニだけれども。
紅葉のナニは、標準よりちょっと細めで皮も残っている。
清潔に保ってるから、カスが臭うなんてこたぁ、有り得ないがな。
ちょっと口を開けて、吸い上げれば根元までが全部口の中に収まってしまう愛らしさ。
勃起加減はなかなかで、硬さの歯ざわりも文句なし。
一端口の中に収めてから、舌と仲全体を使って皮を剥いてやるのが、フェラする楽しみの
一つ。
「やんっつ、祇孔!歯ぁ、あたるっつ」
剥き出しにされた、ナニはオナニーしてんかよ、おいってな愛らしいピンク色。
元来の男性性器のグロテスクさからは縁遠い風情だ。
これだったら、フェラ初めての女でも抵抗はないんだろうな。
常時皮で包まれている先端は、必要以上に刺激に弱い。
舌で嘗め上げ口をすぼめて吸う度に、紅葉の太ももに震えが走った。
「あん。駄目……あうんっ……だめっつ……」
「……お前さんが、こんなイイ声だすなんてな。俺だって想像しなかったぜ」
「だって、貴方。上手じゃないですか」
「フェラしたのはお前が初めてだったけどな」
男同士のSEXは初めてで、女も苦労としか相手にしてこなかった紅葉に、いきなりフェラは
きついだろうと、俺から勇んで銜えてやったのを思い出す。
あの時は、口に銜えた途端、いっちまったんだよな。
それに比べれば、ホント、辛抱強くなったってなもんだ。
ま、俺の愛技と躾の賜物だろうて。
「……俺が旨いか下手かはおいておいて。お前が保つようになったのは、確かだ」
「しこっつ!!」
きっと顔を真っ赤にして怒っているんだろうなぁと、想像して舌先だけで紅葉のナニを捉えつ
つ、目線を上げれば。
怒りながらも、愉悦に表情を蕩けさせた紅葉がいた。
……一瞬でナニに血が上る、艶っぽさだ。
じゅぶじゅぼっつと恥ずかしい音をわざと大きくさせてやる。
「やっつ!やあっつ!」
そうすっと、音が聞こえないよう懸命に声を出してごまかそうとするんだ、これが。
声出す方が余程恥ずかしいんじゃねーかと思うけど、俺的には
大賛成。
演技の欠片もない嬌声は新鮮で、萌える。
「でちゃっつ……でるっつ……駄目っつ」
俺の髪の毛をぐいぐい引っ張って、限界が伝えられた。
ま、先端から薄いのがとろとろ出てき始めたから、到達が近いってのはわかってるんだけど。
先端を歯で掠ってやれば、出しちまうんだろうなーと思いつつ。
俺は白っぽく濁った糸を引きながら唇を離した。
「やつ。しこっつ。離したら、駄目ぇ」
目の端を真っ赤にして、懇願してくる、その媚態。
何時までだって見てたいくらい艶っぽい。
素でやってるって辺りも、たまんねー。
普段がつらっとしてるもんだから、一端色事にその身を投じると、ギャップが激しい所も、
つぼポイントの一つ。
「俺の、口に中に出してーんか?ん?」
「うんっつ。しこーの、くち、なかっつ。全部、ださせ、てぇ?」
「いいねぇ。欲しがられるってーのは」
腰を突き出すようにして、俺の首を引き寄せる必死さに満足して、俺は再度ナニを銜える。
袋を弄っていた指を滑らせて、第一関節だけを忍びこませながら、先端に歯を立てた。
「い……くっつ」
髪の毛二、三本引き抜いたな、おい。
という強さで俺の髪の毛を引きながら紅葉は、射精をした。
量的にはそんなにない。
俺はごくっと一回で飲み干して、先端から漏れ落ちる雫を更に吸い上げる。
「しこっつ、いないでっつ」
「どうして。まだ出てくるぜ?全部吸い取って綺麗にしてやらんと。お前さん。満足できねー
んだろうが」