前のページへメニューに戻る次のページへ



 
 「あん、駄目っつ、い、くっつ」
 イく寸前。
 後一度、指を回されたらいってしまったのに、キンブリーの指がぴたりと止まってしまった。
 「可愛い、貴方が悪いんですよ?」

 何時の間にか、下肢を曝け出しているキンブリーのアレが目に入ってきた。
 大きくて、硬くて、グロテスクな、それ。
 初めて見た時は、びっくりして、フェラチオも抵抗があったけど。
 今は違う。
 ごくっと、小さく喉まで鳴らしてしまう始末だ。
 ソレが、どれだけの愉悦を与えてくれるか。
 重々承知しているからこその、反射。
 「やあっつ、だめっつ。ゾフっつ、ぞふるうっつ」
 入り口に、あてられたナニの先端がクリトリスに当てられる。
 ちょんちょんと、動かされて勝手に跳ねる腰に、奴が嬉しそうに目を細めた。
 もっと、咎めなければと思った矢先に。
 「やああああっつ」
 奴は、ナニを私のクリトリスの上に、先端から根元まで、ずずずずっと滑らせてきたのだ。
 「だめっつ」
 下腹に、じゅわっと生暖かいものが広がる感覚がして、私は呆気ない到達を迎える。
 ぴしゃんと、赤いが血だけではない液体が、その根元に降りかかった。
 「あれ、ロイさん。そんなトコまで濡らして……早く、奥まで入れて欲しいってコトですか」
 「ちがっつ。ちがうつ」
 「ちがく、ないでしょ。ロイさんの入り口。くぱあって開いちゃってますよ。ひくひくってして、
 早く入れて下さいって。可愛くおねだりしてくれてる。もぉ。欲しい、ですよね?」
 入り口に戻ってきた先端は、挿入を果たそうとはせず、入り口で円描くようにして遊んでいる。
 「でもっつ。でもっつ、つけて、くれないとっつ!」
 「……まだ、言ってるんです?そんなに聞き訳がない子にはお仕置きかなぁ。お尻に、入れ
  ちゃいますよ」
 私の髪の毛を撫ぜていた指先が、すうっと全身を滑りながら、後ろの蕾に触れた。
 爪の先で、かりっと弄られて、そこも軽い収縮を起こす。
 「や!お尻は!いやっつ」
 「じゃ、どこに。欲しいんですか。ちゃんとロイさんのお口から聞きたいんです」
 お尻に入れられると、後々大変な事になる。
 腹を下した時の、後始末までしたがるのだ、こいつは。
 「こっちの……お口に、入れて」
 血でぬるつく入り口を、何とか指先で広げて誘う。
 「サック、つけないでいいですね」
 「ん。Jの、大きくて、硬いのを。そのままで入れて」
 「やっと……言ってくれた。すっごく、嬉しいですよ。ロイさん」
 そう言って、本当に蕩けそうな微笑を浮かべて、キス。
 ご褒美のキスは、信じられないほどに甘く、優しい。
 しょ、と掛け声がついて。
 一息で飲み込まされる体勢に、セットされる。
 私は大きく息を吸って、衝撃に耐えた。
 「ロイさん?」
 「何だ」
 「大好き」
 「……私もだ」
 答えて、目を閉じる。
 入り口を押し広げて、奴がゆっくりと、だが一度も止めずに最奥まで入ってきた。
 「……入りました?」
 「うん。奥まで入った」
 「気持ち良い?」
 「安心、する」
 「それって、最高の褒め言葉ですよね」
 「そうか」
 「ええ」
 腰と首に回されて、ああ、動くんだなと、ぼんやり思う。
 奴を含んだまま、あやされるように、ゆらゆら、揺れるのが好きなんだけど。
 今、それを望むのは無理だろう。
 含まされたアレは、凶暴に脈打っている。

 「ロイさん?」
 「何だ」
 「動いて、いいですか」
 腰がじゅくんと一揺れ、ふわぁ、と間抜けた声が鼻から漏れ落ちた。
 「駄目って言っても、するんだろう」
 「駄目って言われたら、しませんよ。辛いけど。ロイさんの大好きな、ゆらゆらをずうっとして
  あげます」
 ……顔に出ていたのか。
 奴をいっぱいいっぱいに銜え込んで、揺らされて、まるで失神するように、すうっと、眠りに
つくのが私が一番気に入っている終わり方。
 奴も満足そうに眠入って行く私の顔が大好きらしく、よく、してもくれるのだが。
 「今日は、ゆらゆら、しなくていい」
 それをされると緩んだ箇所から、血と奴の吐き出した物と私が分泌した物とがだらだらと溢れ
落ちてしまうだろうから。
 後。
 何時も私が喜ぶ事ばかりだから。
 たまには奴が、喜ぶ事をしてやってもいいかな、なんて。
 思う、から。
 「Jが良いように、すればいい」
 そう言えば、奴は大きく息を吸ってぴたりと止める。
 何時まで止めているのか、大丈夫か?なんて心配し出した頃に、ふぅうと息が吐き出される。
 「……貴方は、本当に、もう……」
 何が奴を切なくさせたのだろう、こっちの胸まで苦しくなりそうな色を。
 けれど、どこか幸せそうな色を浮かべた瞳。
 「どこまで、私を溺れさせれば気が済むんでしょうね?」
 私の血に塗れた唇が、軽く頬に触れる。
 血は呆気なくも乾いていて、かさついた感触が届いた。
 「J?」
 「ナンです?」
 「キス、してくれ。突き上げてる、最中も、ずうっと」
 「……ええ、わかりました。お口もちゃんと拭きますからご安心を」
 そういって奴は、ひょいっと知らぬ内に用意していたウエットティッシュで自分の口周り顔周り
を丁寧に吹き上げた。
 血の芳香は充満したままだけれど、奴の顔全体から私の血の気配が消える。
 「お前、本当に準備が良いよな?」
 何の前触れも無しにSEXに雪崩れ込んでも、色々と最中に入用な道具が手近な場所へと
用意されているのが常だった。
 「だってロイさん、そーゆートコ。頓着しないんですもん。私は貴女の為にする事なら何でも
  嬉しいからいいんですけどね」




                                         前のページへメニューに戻る次のページへ
                                             
                                             ホームに戻る