生殖機能は壊れているとはいえ、女性を喜ばせるには中々の代物だと思う。
父の戯れで作り変えられたソレは、巨大とも言える大きさで。
まだ私が軍を掌握していない昔。
上官に連れられた悪所で、一線級にあったプロの娼婦を何人沈めたかしれない。
相手が何度イっても、自分でそうと決めない以上は萎える事のない肉塊。
蹂躙するには、相応しいと思わないでもないが。
私は彼女の望む陵辱をしたい訳でもなく、愛したい、だけなので。
少々難しい。
「でも、触っていたいんです」
「その方が気が紛れる、とか?」
「……それも、ありますけれど……私を、壊す物を見ておきたいかな、と」
「なるほどねぇ。自分を壊す物を、自分で育てる暗い愉悦……と言った所か」
「如何様にも、お考え下さいませ」
「まぁ、良いさ。それで君が悦ばしいなら」
さて、どんな体勢がいいだろうとしばし思案。
「……抱っこがいいかなー」
「できれば、舐めたりも、してみたいのですが」
「それは却下。奉仕されるのは飽いているんだ。触るだけで、我慢しなさい」
「何時か……させて下さいね……フェラチオ」
しばし躊躇って告げられる、隠語。
その、間が何とも艶っぽい。
「普通女性は嫌がるものだと思うんだけどねぇ」
「そうです?して、上げたいと思ったりもするんじゃないですか。相手を好きだったりすれば」
「私を……好いてくれるのかい」
返事は、はんなりと自分を戒めるような微笑。
好いてはくれないだろう。
愛しても貰えないだろう。
長く、側にあれば情は、沸くかもしれないが。
「私が好いているから、君の感情はどうでもいいんだけどね」
今、それを望んでも無駄な事ははかりきっている。
「申し訳ありません」
「いいよ、と言っている。さぁ、私は続きをさせて貰うよ」
華奢な腰に手をあてて、軽々と抱き起こす。
膝の上に乗せると、まるで幼い子をいたぶるような背徳感が背筋を走った。
「……かっか……」
「何だね」
「すごく……おおきいです」
びっくりした声に、笑いを誘われる。
「私のコレはそんなに大きいかね」
常なら項垂れたままの、アレも相手がロイ君ともあれば、私の与り知らぬ所で大きくなってし
まう。
初めての現象で、我ながら驚きだ。
シャワーの中では、どうにも堪らなくて自慰までしてしまう有様。
私にとって彼女は、一体。
どれほど特別なのだろう。
「……軍部では、それが自慢の奴も多くいましたし、それなりに、見てもきましたけど……ここ
までのは…初めてです」
「ふむ?君の部下にも、有名な子がいたろう。ほれ…ええと……」
「ハボック少尉ですか?確かに奴のも大きかったですけど。もしかしたら大きさ自体は然程、
変わらないのかとも思いますが」
「ますが?」
「陰毛の、色の差でしょうかね」
これは、また。
するっと露骨な物言いをする。
本人の口調が淡々とした物なので、この程度の艶で済んでいるが、その気でこの手の淫猥
な言葉を紡ぐならば、言葉攻めでもされてしまいそうだ。
「奴のはふわっとした金色ですけど。閣下のは黒から……」
「君だって同じだったろう?」
「ええ。でも私。下肢の毛は薄い性質だったみたいで……」
「ふむ……なるほど。今に至っては。こうだしね」
下肢のなだらかなふくらみに指を這わせる。
そこには陰毛と呼ばれる毛が一切生えていなかった。
「まるで幼い子供を陵辱するような気分になってくるよ」
「…そういった趣味がおありで?」
「ないよ。子供は泣き喚くばかりでつまらないだろう?」
試した事がないわけではない。
人の体が、どの時点で、どの程度の衝撃で壊れるかを試し続けた時期があった。
兄姉達は、もっとずっと長くそれをしていたらしいけれど。
私が知るのは幼子に対しての残虐なそれ。
特に子供好きではないが、子供を庇護の対象として見ているロイ君には、決して言えない私
の闇。
「……では、錬金術で生えさせましょうか?」
「や。良いよ。このままの君を愛したいから。別に、構わない」
「ちゃんと、興奮してくださってますものね」
「ここまで興奮したのは初めてだよ。十代の頃でもなかったね」
そっと触れてくる掌に反応して、私のペニスがぐんと大きさと硬さを増した。
目で見て解る派手な変化に、ロイ君がびっくりした顔をする。
ああ、私の大好きな、幼い、素の表情だ。
「では、触りますね?」
「私も、触らせて頂くよ?」
こっくりと神妙に頷かれて、私はそろそろと入り口に指を伸ばす。
中に、入れようとして。
「うーん。やはり君のここをちゃんと見ながらしたいなぁ。希望にこたえて上げられなくて、
すまないな」
ペニスを包み込んでいた手を引き剥がして、手首を握りこみ、そのままシーツの上に押し倒
した。
ふわっと頬を擽る長い髪の感触が心地良い。
「かっか!」
「しー。良い子にして、君の大切で恥ずかしい所を見せてご覧」
「っつ!」
プライドの高さは健在なのだろう、瞬間。
烈火の眼差しが注がれる。
しかしそれは、すぐに収まって、渋々太股が開かれた。
私は開かれた太股の間に寝そべって、顔を近づける。
女の性器を見るのは初めてではない。
まだ男を知らない女の性器だって見たことがあったけれど。
今まで見たどんな性器よりも、そこは。
可憐という言葉が似合う風情だった。
処女らしく閉じた花びらを慎重に指の先で広げる。